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エージェント・ブリタニアン編
殺しのライセンスを持つ女たち
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だが、男は自分が使い慣れている魔法であったためか、直ぐに弾丸から派生した刃を避け、逆に同じ魔法で反撃してきた。
私は弾丸を避け、魔法を再度吸収する事に成功し、もう一度その銃口を男に向ける。
だが、男はそれを見ても慌てる様子は見せない。彼はケタケタと笑って、私に向き直って、
「その魔法は扱いが難しいんだぜェ~使いようによっては使いこなせねー奴も多いらしいからな、こういう系統の魔法はよぉ~」
「でも、私は使いこなせたわ。古代の征服王は誰も乗りこなせなかった暴れ馬を乗りこなし、以後はその馬を愛馬に戦場を駆け巡ったそうだけれども、私も同じかもしれないわね」
無論、私自身はそんな事は思っていない。だが、これは相手が激昂した時のための挑発に過ぎないのだ。あの男がもし、怒りで頭が沸騰したのならば、ここで最後に笑うのは私だろう。
なぜ、こんなこんな比喩を思い付いたのかと言えば先程、随分前に『子男は最後に笑う』という現代劇を劇場で見た事を思い出したからだ。
その劇では主人公の策士の小男が財宝を手に入れるために、周りの人間を争わせて自分だけは最後まで残っていくという形で話が進んでいくのだが、その終盤、つまり、財宝を目前にした山の場面で彼は自分では絶対に敵わない相手と戦う事になった。
無論、銃の腕も身長も力も相手の方が上だ。だが、彼は勝ったのだ。
そう、彼は挑発という手段を用いたのだ。相手を先に激怒させ、理性を奪った所をズドンと撃ち殺したのだった。
彼はそうして最後に勝ち残り、財宝を手に入れるという筋書きだった筈だ。
今の私はもしかしたら、無意識に主人公の小男に自分を重ねていたのかもしれない。
だが、この時の私はあの主人公に自分を投影し過ぎるあまりに忘れていたようだ。
現実とフィクションの区別を。
男は私の言葉を聞いても激昂するどころか、大きな声で私を笑っていく。
それもただの笑いではない。明らかな嘲笑。明らかに私を馬鹿にした笑い方だ。
「ハッハッハッ、テメーが王様?寝言は寝て言えよ。第一、てめーは何で自分の銃が避けられたのかを分かってねーみてーだな!よく、落ちた銃を見てみなッ!」
その言葉を聞いて私は思わずあの男が難なく避けた銃弾を凝視する。
すると、地面の上には男が立っていた場所の途中で落ちた弾丸の姿。
それを見るなり、男は大きな声を上げて笑っていく。
それを見て私は悟った。私の弾があの男に届いていなかったという事を。
どうやら、途中で弾片が剥がれた事により、勢いが落ちてそれであの男も容易に避ける事が出来たらしい。
何という事だろうか。やはり、最初から破裂する事が前提で前へと進む散弾でなければこの魔法は使えないのだろうか。
私は次の弾丸に魔法を込める事を躊躇してしまう。
もし、あの魔法を使用する事により、威力が落ちてしまうのならば、使わない方が良いだろう。
せめて、あの男の散弾銃を奪う事が出来たのならば、どれだけ私にとって良い事になるだろうか。
私は目の前の男を睨みながら、今後の政策を考えていく。
畜生。お手上げだ。どうすれば良いのか分からない。
私は下唇を噛み締めながら、打開策を講じていく。
一体どうすれば良いのだろうか。結論は出ない。だが、男はそんな私に向かっても容赦なく散弾銃を向ける。
私は反射的に銃口を構え直すが、男は確信していたらしい。
あの男自身が勝利するという場面を。
その後にジェーンとティファニーを殺す算段が付いているのかどうかまでは知らない。いや、むしろ彼はこの後に二人に殺されるのさえ視野に入れて私をこの場で殺し死出の旅の道連れにしようとしているのではあるまいか。
私はあの男と共に地獄に堕ちたいか。いや、そんなのはごめんだ。
どうせ、死ぬのならば、大勢の家族に幸せに看取られ、幸福な人生を送った後に地獄へと堕ちたい。
なので、私は精一杯の抵抗をさせていただこう。
私は魔法を使わない普通の銃弾を使って葬る事に決めた。
きっと、あの男は私が魔法を使用した銃弾を撃ってくると思っているだろう。
だが、私は敢えて今回は普通の銃弾を用いてあの男を撃ち殺す。
だが、その程度の事は男も予想しているだろう。
男は警戒して引き金を引くのと同時に地面にでもしゃがみ込むかもしれない。
そうすれば、全て終わりだ。あの男に悟らせてはなるまい。
なので、ここは男の視界を私の銃から別のものへと移行させなければならないだろう。
その際に私は例の台詞を叫んで男に向かって引き金を引く。
「このド外道がァァァァァ~!!」
男の顔は私の顔を凝視していた。どうやら、銃の方にはあの男の狐のように細い両眼の視線は注がれなかったらしい。
呆気に取られていた男が気が付いた時にはもう遅かった。
男の腹に向かって私の銃弾が撃ち込まれていく。
エテルニタの幹部、マリオ・チミノは悲鳴を上げて木で出来た波止場の上を転がっていく。
「ちくしょおォォォォォ~!!!あんな言葉に……あんな言葉に気を取られちまうなんて……」
その言葉から察するにどうやら、あの男は私の次の一手事態は予測していたらしい。恐らく、今度は普通の銃弾でくるのだろうと。
だが、『ド外道』という言葉に全ての思いを奪われてしまったらしい。
彼は両目を見開いて私を睨みながら、死んでも死に切れないと言わんばかりの表情で地面に倒れていく。
やはり、最後に笑うのは私だったのだろうか。いや、そうではない。私は咄嗟に背後に控える帝国の刺客二人を振り返る。
これで、二人は任務を完了した事になる。そうなると、自動的に次の標的は私になってもおかしくはない。
私は銃を構えようかと考えたが、マリオとの戦いで弾丸が残り一発になっていた事に気が付く。
これでは即座に撃ち殺すとしてもジェーンか、ティファニーのどちらかだけになる。
どうすれば良い。私が歯を鳴らしていると二人は振り返ってその場を立ち去ってしまう。
あの時の台詞通りに、私は抹殺リストから除外されたと見ていいだろう。
私はそのまま振り返りもしない二人を追ってホテルへと戻っていく。
二人は私よりも僅かに到着が早かっただけらしいが、出迎えたピーターが言うのには彼ら二人は窓から荷物を持って飛び去ったのだという。
私は安堵の溜息を吐く。これで暫くは殺されなさそうだ。私は両手を伸ばして朝日の差し込むベッドの中に潜り込む。
私は弾丸を避け、魔法を再度吸収する事に成功し、もう一度その銃口を男に向ける。
だが、男はそれを見ても慌てる様子は見せない。彼はケタケタと笑って、私に向き直って、
「その魔法は扱いが難しいんだぜェ~使いようによっては使いこなせねー奴も多いらしいからな、こういう系統の魔法はよぉ~」
「でも、私は使いこなせたわ。古代の征服王は誰も乗りこなせなかった暴れ馬を乗りこなし、以後はその馬を愛馬に戦場を駆け巡ったそうだけれども、私も同じかもしれないわね」
無論、私自身はそんな事は思っていない。だが、これは相手が激昂した時のための挑発に過ぎないのだ。あの男がもし、怒りで頭が沸騰したのならば、ここで最後に笑うのは私だろう。
なぜ、こんなこんな比喩を思い付いたのかと言えば先程、随分前に『子男は最後に笑う』という現代劇を劇場で見た事を思い出したからだ。
その劇では主人公の策士の小男が財宝を手に入れるために、周りの人間を争わせて自分だけは最後まで残っていくという形で話が進んでいくのだが、その終盤、つまり、財宝を目前にした山の場面で彼は自分では絶対に敵わない相手と戦う事になった。
無論、銃の腕も身長も力も相手の方が上だ。だが、彼は勝ったのだ。
そう、彼は挑発という手段を用いたのだ。相手を先に激怒させ、理性を奪った所をズドンと撃ち殺したのだった。
彼はそうして最後に勝ち残り、財宝を手に入れるという筋書きだった筈だ。
今の私はもしかしたら、無意識に主人公の小男に自分を重ねていたのかもしれない。
だが、この時の私はあの主人公に自分を投影し過ぎるあまりに忘れていたようだ。
現実とフィクションの区別を。
男は私の言葉を聞いても激昂するどころか、大きな声で私を笑っていく。
それもただの笑いではない。明らかな嘲笑。明らかに私を馬鹿にした笑い方だ。
「ハッハッハッ、テメーが王様?寝言は寝て言えよ。第一、てめーは何で自分の銃が避けられたのかを分かってねーみてーだな!よく、落ちた銃を見てみなッ!」
その言葉を聞いて私は思わずあの男が難なく避けた銃弾を凝視する。
すると、地面の上には男が立っていた場所の途中で落ちた弾丸の姿。
それを見るなり、男は大きな声を上げて笑っていく。
それを見て私は悟った。私の弾があの男に届いていなかったという事を。
どうやら、途中で弾片が剥がれた事により、勢いが落ちてそれであの男も容易に避ける事が出来たらしい。
何という事だろうか。やはり、最初から破裂する事が前提で前へと進む散弾でなければこの魔法は使えないのだろうか。
私は次の弾丸に魔法を込める事を躊躇してしまう。
もし、あの魔法を使用する事により、威力が落ちてしまうのならば、使わない方が良いだろう。
せめて、あの男の散弾銃を奪う事が出来たのならば、どれだけ私にとって良い事になるだろうか。
私は目の前の男を睨みながら、今後の政策を考えていく。
畜生。お手上げだ。どうすれば良いのか分からない。
私は下唇を噛み締めながら、打開策を講じていく。
一体どうすれば良いのだろうか。結論は出ない。だが、男はそんな私に向かっても容赦なく散弾銃を向ける。
私は反射的に銃口を構え直すが、男は確信していたらしい。
あの男自身が勝利するという場面を。
その後にジェーンとティファニーを殺す算段が付いているのかどうかまでは知らない。いや、むしろ彼はこの後に二人に殺されるのさえ視野に入れて私をこの場で殺し死出の旅の道連れにしようとしているのではあるまいか。
私はあの男と共に地獄に堕ちたいか。いや、そんなのはごめんだ。
どうせ、死ぬのならば、大勢の家族に幸せに看取られ、幸福な人生を送った後に地獄へと堕ちたい。
なので、私は精一杯の抵抗をさせていただこう。
私は魔法を使わない普通の銃弾を使って葬る事に決めた。
きっと、あの男は私が魔法を使用した銃弾を撃ってくると思っているだろう。
だが、私は敢えて今回は普通の銃弾を用いてあの男を撃ち殺す。
だが、その程度の事は男も予想しているだろう。
男は警戒して引き金を引くのと同時に地面にでもしゃがみ込むかもしれない。
そうすれば、全て終わりだ。あの男に悟らせてはなるまい。
なので、ここは男の視界を私の銃から別のものへと移行させなければならないだろう。
その際に私は例の台詞を叫んで男に向かって引き金を引く。
「このド外道がァァァァァ~!!」
男の顔は私の顔を凝視していた。どうやら、銃の方にはあの男の狐のように細い両眼の視線は注がれなかったらしい。
呆気に取られていた男が気が付いた時にはもう遅かった。
男の腹に向かって私の銃弾が撃ち込まれていく。
エテルニタの幹部、マリオ・チミノは悲鳴を上げて木で出来た波止場の上を転がっていく。
「ちくしょおォォォォォ~!!!あんな言葉に……あんな言葉に気を取られちまうなんて……」
その言葉から察するにどうやら、あの男は私の次の一手事態は予測していたらしい。恐らく、今度は普通の銃弾でくるのだろうと。
だが、『ド外道』という言葉に全ての思いを奪われてしまったらしい。
彼は両目を見開いて私を睨みながら、死んでも死に切れないと言わんばかりの表情で地面に倒れていく。
やはり、最後に笑うのは私だったのだろうか。いや、そうではない。私は咄嗟に背後に控える帝国の刺客二人を振り返る。
これで、二人は任務を完了した事になる。そうなると、自動的に次の標的は私になってもおかしくはない。
私は銃を構えようかと考えたが、マリオとの戦いで弾丸が残り一発になっていた事に気が付く。
これでは即座に撃ち殺すとしてもジェーンか、ティファニーのどちらかだけになる。
どうすれば良い。私が歯を鳴らしていると二人は振り返ってその場を立ち去ってしまう。
あの時の台詞通りに、私は抹殺リストから除外されたと見ていいだろう。
私はそのまま振り返りもしない二人を追ってホテルへと戻っていく。
二人は私よりも僅かに到着が早かっただけらしいが、出迎えたピーターが言うのには彼ら二人は窓から荷物を持って飛び去ったのだという。
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