王立魔法学院の落第生〜王宮を追放されし、王女の双子の姉、その弱い力で世界を変える〜

アンジェロ岩井

文字の大きさ
159 / 211
ホープ・オブ・マジシャンスクール編

生徒会執行委員の役目!

しおりを挟む
「胸に聞いてみたらも何も、あなた方に絡まれる様な覚えは何も無いんですが」
私の言葉に目の前に集まった執行委員や新聞部の部員たちの目が険しくなっていくのを感じた。
特に新聞部は賞金稼ぎ部を目の仇、特にここ一年余りは私を敵視しているためか、憎悪の炎を瞳の中に宿している人間も多い。
「何も無いだと?犯人容赦なく撃ち殺して、我々を困らせている人間がよく言うなッ!」
彼らの一人が私に向かって殴り掛かろうとしたが、その前にケネスが私を殴ろうとした男の頬を逆に殴り付け、彼を床にノックアウトさせた。
「やれやれ、女の頬を殴ろうとするなんてお前どんな神経してるんだ?ママに習われなかったのか?」
「うるさいッ!この〈杖無し〉がッ!」
ケネスに地面に組み伏せられた男は立ち上がり、彼の頬を殴り付けようとしたのだが、彼の方が一歩上手だったらしく拳を掌で受け止め、彼を背後へと突き飛ばす。
ケネスに押された男は他の生徒会執行委員やら新聞部の部員やらに抱き抱えられて助けられたが、自分が格下である筈の〈杖無し〉に翻弄されているのが余程、悔しかったらしい。
彼は頬を摩った後に、ホルスターから拳銃を抜き取り、彼に向かって銃口を向ける。
「ち、ちくしょおォォォォォォ~!!!ぶっ殺してやる!」
男が大きく足を踏み出し、ケネスに銃口を向けるのと同時にケネスも腰に下げていた拳銃を抜いて、男の目と鼻の先に突き付ける。
「やるか、実戦経験はオレの方が豊富だけれどな……」
その言葉に執行委員と思われる男は黙って手に持っていた拳銃をホルスターの中に戻す。
「あなた達どうしたの!?それでも、各部活の横暴を抑えるために出動する生徒会執行委員なの!?」
長い金髪をした強気な表情の女子生徒が先程まで対峙していた執行委員の男を押し除けてケネスの前に現れる。
「一のBのエリザベス・ムーンです!今回の事は新聞部に書いて先輩たちの悪行をこの学院の生徒のみんなに広めていきますからッ!」
「先に突っ掛かってきたのは向こうなのだが?」
「いいえ、あなた達が先に手を出す様に仕向けてるように見えたわ!それに殴る必要もーー」
「あったさ、殴らなけりゃあ、こっちが殴られていたからな」
そこから派生した新聞部のエリザベスとの論争は激しくなったが、彼は彼女の主張を一蹴した後に、私を手招いてから、自分の馬を出してから、手綱を引いて私と共に彼らを半ば強引に押し除けて学院を出ようとした。
だが、学院の扉の前に例の新入部員が立ち塞がっている事に気が付く。
の先輩!これで理解できましたか?多くの人々が先輩のやり方に反感を持っているんです!今後はしっかりとやり方を改めてくれますね!」
どうやら、先程の生徒会の執行委員やら、新聞部の部員やらは彼女が呼んだらしい。
部長に自分の主張を退けられたのが、余程、ショックだったのだろう。
それであの後に私たちが帰る前に新聞部や執行委員を呼んで、私たちを取り囲ませたという所だろう。
確かに、部長の言う通りにこの調子で放っておけば厄介な存在になるのは言うまでもないだろう。
なので、私は彼女に向かって人差し指を突き付けて、
「ミスター・モンドラゴン。私はあなたとの『決闘』を希望するわ」
その言葉にオリビアの両肩が震えている事に気が付く。
どうやら、私が口にした言葉は予想外のものであったらしく、素早く息を吸い込み必死に呼吸を整えていた。
だが、彼女は落ち着きを取り戻すのと同時に両手の拳と声の両方を振るわせる。
その後に彼は勢いよく人差し指を私に向かって突き付けて、
「い、いいだろう!〈杖無し〉が舐めやがって!」
彼女の底にある差別意識というのは変わらないだろう。私は門の背後にそびえる巨大な校舎を顎でしゃくる。
「あそこで決闘を?あんたはバカなのか?建物の中でドンパチーー」
「……大分口が汚くなったわね。まぁ、それは今は置いておきましょうか。私が指したのは学校の奥の庭よ。あなた達の言う〈杖無し〉が普段、鍛錬する場所よ。そこで『決闘』を行おうかと提案したの」
その言葉に乗り、彼女は私の背後に従って奥へと移っていく。
その決闘へと向かう道中に例の執行委員や新聞部の部員たちと合流したのだが、私と彼女との決闘の話を聞くと、先程ケネスに殴られた執行委員の男とエリザベスとが決闘を見届ける事となった。
決闘場所、つまり、学院の奥の荒野を思わせるような砂に敷き詰められた庭の上で私とオリビアとが互いに背中を合わせて進む様を見守る三人。
誰もが固唾を飲み込む中でケネスが沈黙を破って大きな声を上げて、
「では、決闘の条件を説明する!」
ケネスはここに来るまでの間に私たちが話し合って決めた条件を話し合う。
もし、私が勝った場合には執行委員や新聞部は今後、賞金稼ぎ部のやり方にケチを付けない事。反対にオリビアが勝った場合には私を退部させる事となっていた。
以上の条件が判明した後には私と彼女は互いに背中を預けて大きな声を互いに出し合って現在、私たちが歩いている本数を互いに確認し合う。
彼女は正々堂々としたタイプだとみた。その予想は的中し、私と彼女は十歩目で声を合わせて振り向く。
そして互いにホルスターから拳銃を構える。
私が迷う事なく引き金を彼女の肩に向かって引こうとした時だ。
突然、私たちの前に保安委員と思われる男が現れて中止を叫ぶ。
「待ってくれ!今はそんな事をしている場合じゃあない!」
その言葉を聞いて互いに銃口を突き付け合っていた私とオリビアは同時に銃を下ろしてホルスターに仕舞う。
それから、なぜか学院に現れた保安委員の男に向き直り、事情を問う。
彼曰くこの街に自分たちの手だけでは対処しにくい過激派が現れたので、賞金稼ぎ部に助けを求めに現れたのだという。
なんでも、決闘の件は途中で生徒を捕まえて知り、慌てて追い掛けたのだという。
事情を早口で説明し終わった彼は荒い息を吐きながらも、懐から一枚の手配書を取り出し、私と側にいたオリビアに押し付ける。
私は何気なく受け取った手配書だったのだが、私はその賞金首の姿を見て思わず驚いてしまう。
何故なら、そこに書かれている賞金首の顔と名前は去年の『フォー・カントリー・クロスレース』でレースの最中に混乱を、ラストでは各国のVIPを狙ったテロリストの指導者、エリアーナ本人であったからだ。
私は現れた保安委員の男に再度の確認を促す。
だが、保安委員の男は躊躇いなく首を縦に動かす。
どうやら、部長の予言は多少の時期のズレはあったものの、的中したらしい。
私は思わず賞金首の描かれたポスターを握り潰した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...