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プロジェクト・オブ・リヴァーサル編
元生徒会長失踪事件
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その日に王国内五本の指に入り、尚且つ国際社会においても高い評価を得ている王立ウィンストン・セイライム大学基、その大学のあるシティーへと私は向かっていた。勿論、距離の問題から馬ではなく馬車でだ。駅馬車を乗り継ぎ、大学前へと着いたのは出発した日から二十四時間が経過した頃であった。
全く呼び出されのが、冬休みだったからよかったものの、通常ならば学校を何日か休む事になっていただろう。
私は稀に訪れる学生の親に向けて作られたホテルにチェックインし、少しばかりの睡眠時間を取ってから、電報で示されていた集合場所の喫茶店へと向かう。
そこはウィンドウガラスに食べ物の文字が描いてある最新式の喫茶店であり、二人の元賞金稼ぎ部の部長と副部長はその窓ガラスの前の席で紅茶とコーヒーを啜っていたから、見つけるのに苦労はしなかった。
私は扉を開けて喫茶店の中に入って、大学の制服と思われる黒色のスリーピースーツと紅色のドレスを着た懐かしい二人の先輩がとっておいてくれた三人テーブルの席に私を座らせた。
エマ元部長は紅茶を啜りながら、自身が抜けた後についての部活についての質問を私に浴びせてきた。
「どうかな?あの後の賞金稼ぎ部は?実績を挙げているか?」
「ええ、四ヶ月ほど前にも生きていたテロリストのエリアーナを撃ち殺して賞金を得ましたし、その後にも何人かの名前のある賞金首を捕らえましたよ」
「そうそう、名のある賞金首といやぁ、お前は今年の初め頃にあの〈早撃ち〉ビリーを仕留めたそうだな?しかも、あの町を支配するララミー・ブラザーズまで壊滅させたんだってな。やるじゃあねーか」
元副部長に褒められて私は照れ臭くなり、思わず頬をかいてしまう。だが、その後に元副部長は真剣な顔を浮かべて本題に入っていく。
「問題は……だ。元生徒会長の奴の件だよ。学校でグリフィスの奴と顔を合わせるたびに、何処だと騒がれるもんでな。それで、お前だったら、あの女はどうするのか詳しいと思ってな。ここに呼んだんだ」
「何か分かる事はないか?あの元生徒会長は何をするのか?」
元副部長と元部長の二人は私に元生徒会長について尋ねたのだが、残念だが、私でもあの得体の知れない少女の行方は分からない。
私が正直に答えようとすると、喫茶店の外で新聞を売る少年の姿が見えた。
私はその場から逃げるために、新聞を買いに行き、そこで今日の分の朝刊を購入した。
朝刊を購入した私が何気なく一面に目を通すと、そこには驚きの光景が映っており、私は店の中だというのに思わず声を上げてしまう。
思わずに声を上げた私の元に二人が慌てて現れて、私の持っていた新聞紙を覗き込む。
「おいおい、どういう事だ……」
「どうして、こんな事態になっているんだ?オレの目がおかしくなっちまったんだ?」
二人は歯を軋ませながら、新聞の一面を飾る写真への感想を忌々しそうに吐き出す。
それはそうだろう。そこには就任演説に際し、熱弁を振るうドラッグス大統領の横に私たちの探している元生徒会長の姿が映っていたのだから。
新聞記事は若い大統領に若い閣僚、若い秘書を絶賛し、共和国の未来を担う世代によるリードが始まると告げていた。
だが、私の中に浮かぶのは嫌な光景だけだ。あの元生徒会長が関わっているのだ。
何も起こらない筈がない。どうやら、その考えは元部長も元副部長も同じ考えだったらしい。
彼ら二人は互いに首を縦に動かして新聞紙を持って大学の方へと向かっていく。
二人は新聞紙の一面に載っている写真を学長に伝えるつもりなのだろう。
私は慌てた二人を見送り、チェックインしたホテルのベッドの上に大の字になって寝転ぶ。
私は今後はどうすれば良いのだろう。あの調子ではもう話す事もないだろうし、私の成績では受かる筈もない大学など見に行っても仕方ない。
成績が中の上では王国内でも一位に入るあの大学は無理に違いない。
次の進路としては何処がベストなのだろう。私が一度、射撃教師にでも相談しようかとホテルの真っ白な天井を眺めていると、ホテルの扉をノックする音が聞こえた。
私は扉を引いてノックの主を招き入れた。
ノックの主は元部長と元副部長であり、二人は息を荒げながら部屋に入って私に大学内で確認した事実を喋っていく。
学校側もあれを本当の元生徒会長だと認めたという旨を伝えてから、私に向かって問い掛ける。
「今後は王国はどの様に対処するつもりだ?国王陛下が一番気に入っていた生徒が他国のしかも、今、一番険悪なニューロデム共和国の高官になっているのだぞ!」
「ミス・ダーリング。私は確かにまだ王宮と繋がりはありますが、王政府の方とは何の関わり合いも無いんです。ですから、この時点では何も言えないんです……」
それを聞いて彼女はお詫びの言葉を口に出し、もう一度私の目を見つめる。
「そうだな……私も冷静ではなかったかもしらん。色々とあったが、今日はお前と久し振りに話せて楽しかったとだけ言っておくぞ……」
私はその言葉を吐いて去っていく元部長の背中を眺めていた。
元副部長は暫くの間、私の顔を眺めていたが、やがて立ち上がって、
「行け!お前だったら、まだ行ける筈だぞ!サラマンダーのクソどもを壊滅させた時みてーに今度はニューロデムを壊滅させて、その後にあの悪どい元生徒会長を戻してやりゃあいいじゃあねぇか!あんなのでも……あんなのでも、オレに取っちゃあ大事な学友なんだぜ」
元副部長はそう言うと私の元へと寄ってきて、私の首筋に唇を当てる。
「せ、先輩!?」
私は自分の声が裏返っている事に気が付く。どうやら、予想だにしない行動に動揺してしまったらしい。
元副部長はケラケラと笑って、
「なんだよ。一緒に卒業記念のパーティーで踊った仲じゃあねぇか、今更、驚く事もないだろう。そこにいくと……」
だが、私と副部長の会話は長続きはしなかった。
なぜなら、そこに黒い覆面を被った黒色のスリピースーツの男達が長銃を持って現れたからだ。
私と元副部長は銃で尻を突かれながら、一階のロビーに集められていく。
ロビーには既にテロリストに捕らえられている客たちが並べられていた。
覆面を被ったスリーピースーツの男たちの数は合計で五名。
どうやら、彼らは学生闘争を行なっており、この事件は彼らのその闘争の一環らしい。
彼らは銃を向けると、その代表と思われる男が中央に現れて、演説を振るっていく。
「ホテルの従業員並びに客の諸君!私がウィンストン・セイライム大学における学生グループ〈青いバッファロー〉である!我々の目的はたった一つ!諸君らを人質に王都の刑務所に捕らえられている我らが同志を解放させる事である!」
どうやら、彼らは過激派のメンバーであり、捕らえられた仲間を奪還するためにこの様な手段を取ったらしい。
ただでさえ面倒な事が起きているというのに、これ以上、面倒な事を増やさないで欲しいものだ。
私はそんな事を考えながら、長銃を振るう彼らの姿を眺めていた。
全く呼び出されのが、冬休みだったからよかったものの、通常ならば学校を何日か休む事になっていただろう。
私は稀に訪れる学生の親に向けて作られたホテルにチェックインし、少しばかりの睡眠時間を取ってから、電報で示されていた集合場所の喫茶店へと向かう。
そこはウィンドウガラスに食べ物の文字が描いてある最新式の喫茶店であり、二人の元賞金稼ぎ部の部長と副部長はその窓ガラスの前の席で紅茶とコーヒーを啜っていたから、見つけるのに苦労はしなかった。
私は扉を開けて喫茶店の中に入って、大学の制服と思われる黒色のスリーピースーツと紅色のドレスを着た懐かしい二人の先輩がとっておいてくれた三人テーブルの席に私を座らせた。
エマ元部長は紅茶を啜りながら、自身が抜けた後についての部活についての質問を私に浴びせてきた。
「どうかな?あの後の賞金稼ぎ部は?実績を挙げているか?」
「ええ、四ヶ月ほど前にも生きていたテロリストのエリアーナを撃ち殺して賞金を得ましたし、その後にも何人かの名前のある賞金首を捕らえましたよ」
「そうそう、名のある賞金首といやぁ、お前は今年の初め頃にあの〈早撃ち〉ビリーを仕留めたそうだな?しかも、あの町を支配するララミー・ブラザーズまで壊滅させたんだってな。やるじゃあねーか」
元副部長に褒められて私は照れ臭くなり、思わず頬をかいてしまう。だが、その後に元副部長は真剣な顔を浮かべて本題に入っていく。
「問題は……だ。元生徒会長の奴の件だよ。学校でグリフィスの奴と顔を合わせるたびに、何処だと騒がれるもんでな。それで、お前だったら、あの女はどうするのか詳しいと思ってな。ここに呼んだんだ」
「何か分かる事はないか?あの元生徒会長は何をするのか?」
元副部長と元部長の二人は私に元生徒会長について尋ねたのだが、残念だが、私でもあの得体の知れない少女の行方は分からない。
私が正直に答えようとすると、喫茶店の外で新聞を売る少年の姿が見えた。
私はその場から逃げるために、新聞を買いに行き、そこで今日の分の朝刊を購入した。
朝刊を購入した私が何気なく一面に目を通すと、そこには驚きの光景が映っており、私は店の中だというのに思わず声を上げてしまう。
思わずに声を上げた私の元に二人が慌てて現れて、私の持っていた新聞紙を覗き込む。
「おいおい、どういう事だ……」
「どうして、こんな事態になっているんだ?オレの目がおかしくなっちまったんだ?」
二人は歯を軋ませながら、新聞の一面を飾る写真への感想を忌々しそうに吐き出す。
それはそうだろう。そこには就任演説に際し、熱弁を振るうドラッグス大統領の横に私たちの探している元生徒会長の姿が映っていたのだから。
新聞記事は若い大統領に若い閣僚、若い秘書を絶賛し、共和国の未来を担う世代によるリードが始まると告げていた。
だが、私の中に浮かぶのは嫌な光景だけだ。あの元生徒会長が関わっているのだ。
何も起こらない筈がない。どうやら、その考えは元部長も元副部長も同じ考えだったらしい。
彼ら二人は互いに首を縦に動かして新聞紙を持って大学の方へと向かっていく。
二人は新聞紙の一面に載っている写真を学長に伝えるつもりなのだろう。
私は慌てた二人を見送り、チェックインしたホテルのベッドの上に大の字になって寝転ぶ。
私は今後はどうすれば良いのだろう。あの調子ではもう話す事もないだろうし、私の成績では受かる筈もない大学など見に行っても仕方ない。
成績が中の上では王国内でも一位に入るあの大学は無理に違いない。
次の進路としては何処がベストなのだろう。私が一度、射撃教師にでも相談しようかとホテルの真っ白な天井を眺めていると、ホテルの扉をノックする音が聞こえた。
私は扉を引いてノックの主を招き入れた。
ノックの主は元部長と元副部長であり、二人は息を荒げながら部屋に入って私に大学内で確認した事実を喋っていく。
学校側もあれを本当の元生徒会長だと認めたという旨を伝えてから、私に向かって問い掛ける。
「今後は王国はどの様に対処するつもりだ?国王陛下が一番気に入っていた生徒が他国のしかも、今、一番険悪なニューロデム共和国の高官になっているのだぞ!」
「ミス・ダーリング。私は確かにまだ王宮と繋がりはありますが、王政府の方とは何の関わり合いも無いんです。ですから、この時点では何も言えないんです……」
それを聞いて彼女はお詫びの言葉を口に出し、もう一度私の目を見つめる。
「そうだな……私も冷静ではなかったかもしらん。色々とあったが、今日はお前と久し振りに話せて楽しかったとだけ言っておくぞ……」
私はその言葉を吐いて去っていく元部長の背中を眺めていた。
元副部長は暫くの間、私の顔を眺めていたが、やがて立ち上がって、
「行け!お前だったら、まだ行ける筈だぞ!サラマンダーのクソどもを壊滅させた時みてーに今度はニューロデムを壊滅させて、その後にあの悪どい元生徒会長を戻してやりゃあいいじゃあねぇか!あんなのでも……あんなのでも、オレに取っちゃあ大事な学友なんだぜ」
元副部長はそう言うと私の元へと寄ってきて、私の首筋に唇を当てる。
「せ、先輩!?」
私は自分の声が裏返っている事に気が付く。どうやら、予想だにしない行動に動揺してしまったらしい。
元副部長はケラケラと笑って、
「なんだよ。一緒に卒業記念のパーティーで踊った仲じゃあねぇか、今更、驚く事もないだろう。そこにいくと……」
だが、私と副部長の会話は長続きはしなかった。
なぜなら、そこに黒い覆面を被った黒色のスリピースーツの男達が長銃を持って現れたからだ。
私と元副部長は銃で尻を突かれながら、一階のロビーに集められていく。
ロビーには既にテロリストに捕らえられている客たちが並べられていた。
覆面を被ったスリーピースーツの男たちの数は合計で五名。
どうやら、彼らは学生闘争を行なっており、この事件は彼らのその闘争の一環らしい。
彼らは銃を向けると、その代表と思われる男が中央に現れて、演説を振るっていく。
「ホテルの従業員並びに客の諸君!私がウィンストン・セイライム大学における学生グループ〈青いバッファロー〉である!我々の目的はたった一つ!諸君らを人質に王都の刑務所に捕らえられている我らが同志を解放させる事である!」
どうやら、彼らは過激派のメンバーであり、捕らえられた仲間を奪還するためにこの様な手段を取ったらしい。
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