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第一部『人界の秩序と魔界の理屈』
戦場の勇者
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「なんだよ、マイケルの野郎は眠っちまってるのか?」
突然窓から現れたジェイクはマイケルの世話を行っているヴィンセントに向かって問い掛けた。
「えぇ、二日前の戦闘で右上部分にある腕と左部分全ての目を全て失ってしまい、そのまま悪夢から醒めないようでして……」
ヴィンセントは自分のことのように苦々しい口調でジェイクへと伝えた。
「……そうか、なら、明日からの指揮はオレに任せろ、確かにオレはマイケルよりもカリスマ性には欠けるが……腕っぷしや魔法の強さならあいつを余裕で超えられるはずだぜ」
ジェイクの言葉は自信に満ち溢れていた。自分ならば必ずマイケルに代わって野望を成し遂げられる。そんな強い意志が彼の両目から感じ取れた。
こうして臨時的な『妖霊軍』の頭目の地位にはジェイクが収まったのであった。
ジェイクはマイケル以上の力を持った魔族であった。そのため部隊の中においては誰よりも率先して戦場を駆けていく。
耳を使って空を飛んだり、前線に入っても水を使った魔法で包囲していた軍隊を翻弄し、人間たちを大いに困らせていた。
「……厄介な奴が出てきたもんだな」
その日の夜、コクランはテントの中で忌々しげに毒を吐いた。
「ですね。それにジェイクは基礎的な戦闘力が高いですから、前線でも活躍しやすいのでしょう。ある意味ではマイケルよりも厄介だと言えます」
レイチェルの意見にコクランとルイスの両名が共に首を縦に動かす。
「ジェイクって奴はそんなに強いんですか?」
ジオは不思議そうな顔を浮かべて問い掛けた。
「あぁ、敵陣に迫ってきたあれを見ただろ?」
ルイスは本日の戦闘において鬼気迫る様子で迫ってきたジェイクを思い起こさせるように言った。
そのためジオの頭の中で戦場で暴れ回るジェイクの姿が頭に思い浮かんで、彼の両肩を大きく震わせてしまった。
ジオ自身はあの時の戦いに参加していない。それでも今日の戦場におけるジェイクの活躍を見て彼自身の強さは十分認識できた。
斬られても突かれても、矢で射られても、長銃で撃たれたとしても全て無に返してしまうのだ。
水の上に石を落としてもただ水の下に落ちていき、水そのものにはなんの効果も表さないようにジェイクに対する物理的な攻撃は意味をなさないということを改めて認識させられたのだ。そう思うとますますジオは恐怖に震えていった。
しかし不幸中の幸いというべきか、魔法による攻撃はそれなりに効いた。それでも全ての魔法が効くわけではない。
仮に魔法を使って互角に渡り合える戦士が居たところで魔法が発動するよりも前に相手を斬ればいいのだからジェイクにとっては楽ではないだろうか。
そこまで踏まえると、ジェイクの存在は包囲していた軍によって非常に厄介なものとなってしまった。
「どうすればあの象の怪物を倒せるんでしょうか」
絶望感に包まれたテントの中でジオが一人問い掛けた。
だが、その言葉を聞いて答えるものは居なかった。しばらくの間、誰もが顎の下に人差し指と親指を当ててジェイクに対する対策を考えていると、突然レイチェルが何かをひらいめたようで、椅子の上から立ち上がっていく。
「どうしたんだ?」
と、問い掛けるコクランの声を無視し、レイチェルは興奮した様子でその場に集まっていた人たちに語り掛けていく。
「昔、父から教わったんです。強い獲物を捕らえるためには罠を仕掛ける必要があるんだって」
「罠?」
「えぇ、例えば熊を射つために撒き餌をして誘き寄せたり、鹿を捕えるために鹿の徘徊場所を見つけてその場所に罠を仕掛けたりするんです。中でも猪を捕える時はその突進を活かして落とし穴を掘ったりするんですよ」
『落とし穴』という単語を聞いて全員が顔を見合わせていく。
ジェイクの突撃に合わせて落とし穴を仕掛ければ身動きも取れない。混乱しているところを討ち取れば万々歳である。
そうすれば魔族側は一時的とはいえ指導者を失って統制を乱すことになるし、凶悪な武将を生け捕りにすることで向こう側の戦力を削ることにもなる。
一石二鳥の妙案であった。コクランは本陣にいる諸侯たちにこの計画を伝えることにした。
ジェイクの強さに恐れ慄いていた諸侯たちであったので、この計画は即座に可決されることになった。
その後、コクランは指揮官である諸侯たちとの間で更に詳しい計画を練っていき、より確実にジェイクを倒すことができるようになっていた。
コクランたちの考えた計画は多少の修正を交えて実行されることになった。
その多少の修正というのは大蜘蛛の怪物たちと共に打って出てきたジェイクへの誘導策が追加されたことだ。
修正した計画を纏めていくと、コクランたちが打って出て、少し交戦してジェイクをその気にさせた後で退却する真似を行い、ジェイクを誘き出し、落とし穴の前にまで誘導するという作戦だった。
ちなみに落とし穴の場所として用意したのは本陣の近くである。
本陣という一番兵力の集まった場所に敢えて掘ることにより、作戦を誤認させる目的があったのだ。
ジェイクは強力な種族であると同時に強力な魔法を使う男だ。
例え兵力の密集した場所に突撃したとしても自身の力を過信して、暴れ回ろうとするだろう。
そんな状況で落とし穴に落とすのだからたまったものではない。完璧な作戦だ。
餌として使われるコクランやその仲間たちはたまったものではないが、『悪い油虫を誘き出すためには良い餌が必要だ』という諺もあるようにここはコクランたちが餌となるしかなかった。
諸侯たちによって修正された計画を聞いて、コクランは思わず、前世の頃に読んだ『三国志』の小説の中で最強の武将呂布奉先を曹操が罠にかけて捕らえたことを思い出してしまった。
『三国志』に登場する呂布は人間離れしたとてつもない強さを誇る武将だったが、曹操の罠に掛かってしまい処刑されてしまったのである。
ジェイクは間違いなく勇将ではあるが、マイケルやラルフといった他の敵たちと比較して頭の方が抜けているという面があった。そうした一面が呂布と共通していて面白く思えた。
そう考えてくると、また『三国志』が読みたくなってきた。
コクランはこの戦いが終わった後に覚えている範囲の中にある『三国志』の物語を抜き出して保管しようかなと呑気に考えていた。
翌日緊張のためコクランは泥のような眠りから覚めた。計略を練っているとはいえあのような勇将を相手にするのだから緊張しないはずがなかった。
全員の目の下に隈ができており、それが面白かった。
お陰でコクランの緊張は取れてしまっていた。コクランは大笑いをしながら馬を駆っていたのだが、他の面々からはなぜか仲間たちからは見られてしまっていた。
いくら自分が面白かったとはいえ、あのように笑ってみせるのはいささか大人気なかったかもしれない。
コクランは反省し、顔を引き締め直してからもう一度戦争へと臨んでいく。
その日もいつも通り妖霊軍側が先に門を開き、巨大な蜘蛛の魔物を繰り出した後に後続の部隊と共に打って出てきた。
コクランたちは仲間と共に前線にその姿を見せていた。もちろんジェイクを誘き出すためである。
その日は蜘蛛の怪物の額に矢が放たれ、統制を失ってからが本番だった。
コクランは日本刀を掲げながらジェイクを呼び出し、挑発していく。
「やい、暴れ象めッ! オレの首が欲しいか?欲しいだろ?なら、さっさと取りに来やがれッ!このノロマッ! 」
「何?バカにしおってッ! 」
まんまと策に引っ掛かったようだ。ジェイクは怒りに駆られた様子で剣を振り回しながらコクランの元へと向かっていく。
コクランは誘き出しと礼儀とを兼ねて、二、三合剣を打ち合わせた。それからジェイクの剣を弾き返し、背中を向けてその場から立ち去っていく。
「おのれッ! 待てェ! 待てェ!! 」
すっかりと興奮したジェイクは慌てて追い掛けようとした。馬の手綱を強く握り締め、右手で握っていた得物をブンブンと勢いよく回していた。
すぐにでも追い掛けられそうな勢いであった。
だが「待ってください! 」と背後から呼び止められてしまったことでジェイクは立ち止まらざるを得なかった。
眉間に皺を寄せながら振り返ると、そこには困惑した様子のヴィンセントの姿が見えた。
「お待ちください! 同志ジェイク! 敵の動きが妙ですッ! もしかすれば何やら企んでおるのかもしれませんよ」
「ハッ、何を馬鹿な。奴は臆病風に吹かれただけだ」
ジェイクはヴィンセントの主張を小馬鹿にしているようだった。鼻から相手にしていないという風にヴィンセントの意見を切り捨てた。
しかしそれでも諦めなかった。ヴィンセントは今すぐにでも駆け出しそうなジェイクを静止し、なおも忠告の言葉を投げ掛けた。
「待ち伏せのことは考えられませんか!?いずれにしろ、このまま出ていくなんて危険過ぎますッ! 」
「臆病風に吹かれるなッ! 小僧ッ!
今こそ我々が奴らの首を取る時なのだ」
「臆病なのではありませんッ! 慎重になっているだけですッ! 」
「世間の間ではそういうものを臆病者というのだッ!もういいッ! 貴様はマイケルの介護でもしていろ」
「ど、同志ジェイクッ!」
ヴィンセントはジェイクの静止を振り切り、コクランを追い掛けていった。
その様子をヴィンセントは黙って見つめていた。
ジェイクの後を部隊が続いていく。コクランは部隊に怯えてしまったらしく、いくら迫っても逃げ出すばかりで戦おうとはしなかった。
そのことがますますジェイクの逆鱗に触れ、より深いところまでコクランたちを追い掛けていった。
そして、長い間続けた鬼ごっこを終え、本陣まで追い込んだ。
本陣ごとコクランを追い詰めてやる。ジェイクは本陣に向かって一斉突撃を命令した。
妖霊軍の勇将と共にジェイクが本陣へと突撃した時だ。急に地面が沈んだ。
体に浮遊感を感じたのも一瞬、ジェイクたちは深い穴の底へと沈んでいった。
突然窓から現れたジェイクはマイケルの世話を行っているヴィンセントに向かって問い掛けた。
「えぇ、二日前の戦闘で右上部分にある腕と左部分全ての目を全て失ってしまい、そのまま悪夢から醒めないようでして……」
ヴィンセントは自分のことのように苦々しい口調でジェイクへと伝えた。
「……そうか、なら、明日からの指揮はオレに任せろ、確かにオレはマイケルよりもカリスマ性には欠けるが……腕っぷしや魔法の強さならあいつを余裕で超えられるはずだぜ」
ジェイクの言葉は自信に満ち溢れていた。自分ならば必ずマイケルに代わって野望を成し遂げられる。そんな強い意志が彼の両目から感じ取れた。
こうして臨時的な『妖霊軍』の頭目の地位にはジェイクが収まったのであった。
ジェイクはマイケル以上の力を持った魔族であった。そのため部隊の中においては誰よりも率先して戦場を駆けていく。
耳を使って空を飛んだり、前線に入っても水を使った魔法で包囲していた軍隊を翻弄し、人間たちを大いに困らせていた。
「……厄介な奴が出てきたもんだな」
その日の夜、コクランはテントの中で忌々しげに毒を吐いた。
「ですね。それにジェイクは基礎的な戦闘力が高いですから、前線でも活躍しやすいのでしょう。ある意味ではマイケルよりも厄介だと言えます」
レイチェルの意見にコクランとルイスの両名が共に首を縦に動かす。
「ジェイクって奴はそんなに強いんですか?」
ジオは不思議そうな顔を浮かべて問い掛けた。
「あぁ、敵陣に迫ってきたあれを見ただろ?」
ルイスは本日の戦闘において鬼気迫る様子で迫ってきたジェイクを思い起こさせるように言った。
そのためジオの頭の中で戦場で暴れ回るジェイクの姿が頭に思い浮かんで、彼の両肩を大きく震わせてしまった。
ジオ自身はあの時の戦いに参加していない。それでも今日の戦場におけるジェイクの活躍を見て彼自身の強さは十分認識できた。
斬られても突かれても、矢で射られても、長銃で撃たれたとしても全て無に返してしまうのだ。
水の上に石を落としてもただ水の下に落ちていき、水そのものにはなんの効果も表さないようにジェイクに対する物理的な攻撃は意味をなさないということを改めて認識させられたのだ。そう思うとますますジオは恐怖に震えていった。
しかし不幸中の幸いというべきか、魔法による攻撃はそれなりに効いた。それでも全ての魔法が効くわけではない。
仮に魔法を使って互角に渡り合える戦士が居たところで魔法が発動するよりも前に相手を斬ればいいのだからジェイクにとっては楽ではないだろうか。
そこまで踏まえると、ジェイクの存在は包囲していた軍によって非常に厄介なものとなってしまった。
「どうすればあの象の怪物を倒せるんでしょうか」
絶望感に包まれたテントの中でジオが一人問い掛けた。
だが、その言葉を聞いて答えるものは居なかった。しばらくの間、誰もが顎の下に人差し指と親指を当ててジェイクに対する対策を考えていると、突然レイチェルが何かをひらいめたようで、椅子の上から立ち上がっていく。
「どうしたんだ?」
と、問い掛けるコクランの声を無視し、レイチェルは興奮した様子でその場に集まっていた人たちに語り掛けていく。
「昔、父から教わったんです。強い獲物を捕らえるためには罠を仕掛ける必要があるんだって」
「罠?」
「えぇ、例えば熊を射つために撒き餌をして誘き寄せたり、鹿を捕えるために鹿の徘徊場所を見つけてその場所に罠を仕掛けたりするんです。中でも猪を捕える時はその突進を活かして落とし穴を掘ったりするんですよ」
『落とし穴』という単語を聞いて全員が顔を見合わせていく。
ジェイクの突撃に合わせて落とし穴を仕掛ければ身動きも取れない。混乱しているところを討ち取れば万々歳である。
そうすれば魔族側は一時的とはいえ指導者を失って統制を乱すことになるし、凶悪な武将を生け捕りにすることで向こう側の戦力を削ることにもなる。
一石二鳥の妙案であった。コクランは本陣にいる諸侯たちにこの計画を伝えることにした。
ジェイクの強さに恐れ慄いていた諸侯たちであったので、この計画は即座に可決されることになった。
その後、コクランは指揮官である諸侯たちとの間で更に詳しい計画を練っていき、より確実にジェイクを倒すことができるようになっていた。
コクランたちの考えた計画は多少の修正を交えて実行されることになった。
その多少の修正というのは大蜘蛛の怪物たちと共に打って出てきたジェイクへの誘導策が追加されたことだ。
修正した計画を纏めていくと、コクランたちが打って出て、少し交戦してジェイクをその気にさせた後で退却する真似を行い、ジェイクを誘き出し、落とし穴の前にまで誘導するという作戦だった。
ちなみに落とし穴の場所として用意したのは本陣の近くである。
本陣という一番兵力の集まった場所に敢えて掘ることにより、作戦を誤認させる目的があったのだ。
ジェイクは強力な種族であると同時に強力な魔法を使う男だ。
例え兵力の密集した場所に突撃したとしても自身の力を過信して、暴れ回ろうとするだろう。
そんな状況で落とし穴に落とすのだからたまったものではない。完璧な作戦だ。
餌として使われるコクランやその仲間たちはたまったものではないが、『悪い油虫を誘き出すためには良い餌が必要だ』という諺もあるようにここはコクランたちが餌となるしかなかった。
諸侯たちによって修正された計画を聞いて、コクランは思わず、前世の頃に読んだ『三国志』の小説の中で最強の武将呂布奉先を曹操が罠にかけて捕らえたことを思い出してしまった。
『三国志』に登場する呂布は人間離れしたとてつもない強さを誇る武将だったが、曹操の罠に掛かってしまい処刑されてしまったのである。
ジェイクは間違いなく勇将ではあるが、マイケルやラルフといった他の敵たちと比較して頭の方が抜けているという面があった。そうした一面が呂布と共通していて面白く思えた。
そう考えてくると、また『三国志』が読みたくなってきた。
コクランはこの戦いが終わった後に覚えている範囲の中にある『三国志』の物語を抜き出して保管しようかなと呑気に考えていた。
翌日緊張のためコクランは泥のような眠りから覚めた。計略を練っているとはいえあのような勇将を相手にするのだから緊張しないはずがなかった。
全員の目の下に隈ができており、それが面白かった。
お陰でコクランの緊張は取れてしまっていた。コクランは大笑いをしながら馬を駆っていたのだが、他の面々からはなぜか仲間たちからは見られてしまっていた。
いくら自分が面白かったとはいえ、あのように笑ってみせるのはいささか大人気なかったかもしれない。
コクランは反省し、顔を引き締め直してからもう一度戦争へと臨んでいく。
その日もいつも通り妖霊軍側が先に門を開き、巨大な蜘蛛の魔物を繰り出した後に後続の部隊と共に打って出てきた。
コクランたちは仲間と共に前線にその姿を見せていた。もちろんジェイクを誘き出すためである。
その日は蜘蛛の怪物の額に矢が放たれ、統制を失ってからが本番だった。
コクランは日本刀を掲げながらジェイクを呼び出し、挑発していく。
「やい、暴れ象めッ! オレの首が欲しいか?欲しいだろ?なら、さっさと取りに来やがれッ!このノロマッ! 」
「何?バカにしおってッ! 」
まんまと策に引っ掛かったようだ。ジェイクは怒りに駆られた様子で剣を振り回しながらコクランの元へと向かっていく。
コクランは誘き出しと礼儀とを兼ねて、二、三合剣を打ち合わせた。それからジェイクの剣を弾き返し、背中を向けてその場から立ち去っていく。
「おのれッ! 待てェ! 待てェ!! 」
すっかりと興奮したジェイクは慌てて追い掛けようとした。馬の手綱を強く握り締め、右手で握っていた得物をブンブンと勢いよく回していた。
すぐにでも追い掛けられそうな勢いであった。
だが「待ってください! 」と背後から呼び止められてしまったことでジェイクは立ち止まらざるを得なかった。
眉間に皺を寄せながら振り返ると、そこには困惑した様子のヴィンセントの姿が見えた。
「お待ちください! 同志ジェイク! 敵の動きが妙ですッ! もしかすれば何やら企んでおるのかもしれませんよ」
「ハッ、何を馬鹿な。奴は臆病風に吹かれただけだ」
ジェイクはヴィンセントの主張を小馬鹿にしているようだった。鼻から相手にしていないという風にヴィンセントの意見を切り捨てた。
しかしそれでも諦めなかった。ヴィンセントは今すぐにでも駆け出しそうなジェイクを静止し、なおも忠告の言葉を投げ掛けた。
「待ち伏せのことは考えられませんか!?いずれにしろ、このまま出ていくなんて危険過ぎますッ! 」
「臆病風に吹かれるなッ! 小僧ッ!
今こそ我々が奴らの首を取る時なのだ」
「臆病なのではありませんッ! 慎重になっているだけですッ! 」
「世間の間ではそういうものを臆病者というのだッ!もういいッ! 貴様はマイケルの介護でもしていろ」
「ど、同志ジェイクッ!」
ヴィンセントはジェイクの静止を振り切り、コクランを追い掛けていった。
その様子をヴィンセントは黙って見つめていた。
ジェイクの後を部隊が続いていく。コクランは部隊に怯えてしまったらしく、いくら迫っても逃げ出すばかりで戦おうとはしなかった。
そのことがますますジェイクの逆鱗に触れ、より深いところまでコクランたちを追い掛けていった。
そして、長い間続けた鬼ごっこを終え、本陣まで追い込んだ。
本陣ごとコクランを追い詰めてやる。ジェイクは本陣に向かって一斉突撃を命令した。
妖霊軍の勇将と共にジェイクが本陣へと突撃した時だ。急に地面が沈んだ。
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