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第二部 王国奪還
サウス・スターアイランド事変ーその②
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その後直ぐにヴィトは部屋から伝説の剣を取り出し、トンプソンと散弾銃とライフル銃を用意し、宅配に自分たちが着くのと同時に着くように指示する。
「いいな、一秒でも遅れてみろよ……今後はお前らのところに頼まんし、贔屓にもせん……分かったなッ!」
ヴィトは宅配業者に脅すように言い、その後は青色の背広を着、同じく青色のコートを羽織り、懐に拳銃と剣を仕舞い、ルーシーとマリアとプイスと他の構成員30人程を連れ、サウス・スターアイランドへの切符を取る。
四人がサウス・スターアイランドシティーに着くと、そこはまさに異世界という言葉が似合うくらいに荒れていた。中心部のビルにはドラゴンが居座り、通りは魔法やら何やらの攻撃でボロボロであった。
「酷いな、これは……」
ヴィトは正直な感想を呟く。本当に酷いという言葉以外はヴィトの口からは出てこない。
「トーマスの統治が酷かったのもあるけど……恐らくこれが、ギシュタルリアとやらのやり方なんだわ」
ルーシーは冷静に分析していた。
「これが街なの?」
マリアは唖然としており、目は絶望の目であった。かつての自分の国を思い返しているのだろう。
「うう、ギシュタルリアのゲスどもめッ!ワシが奴らを地獄に落としてやるわ !」
この中で唯一プイスだけは怒りに震えていたのか、全身をプルプルと震わせていた。
「同感だな……」
ヴィトが駅から崩壊した街を見ていると、前方から足音が聞こえた。
「誰だッ!?」
ヴィトが足音がした方向に拳銃を向けると、足音が止まる音がした。
「……その声は相談役?」
ヴィトはその声を聞き、誰なのかを判断した。その声の主はハリーと一緒にニューホーランドから旅立ったソニック・マントークだった。
「ソニック!?どうしてキミが!?」
「オレはこの場でマーニーの奴らか、或いは得体の知れない奴らが来ないかを警戒しているんスよ……」
ソニックの言葉には重みがあった。だが、街がたったの一日でここまで落ちぶれるものだろうか。ヴィトは何故こうなったのかを尋ねる。
「そうっスね、あのドラゴンの仕業っスね、あいつは強い……いくら狙撃銃で頭を撃っても、屋上からトンプソンを乱射しても、あいつには傷一つない !ありゃあ正真正銘の化け物だよ !」
「ソニック……ファミリーのメンバーは何人やられたのか、教えてくれないか?」
ソニックは即答した。
「十五人はやられましたよ、残りは八人くらいッス……」
ソニックが悔しそうに拳を握っている様子から、その言葉には嘘はないのだと判断した。
「そうか、苦労をかけた……増員もいるからな、それにミラノリアの奴らを壊滅させた時と同様に剣もあるんだ……お前がもう気にする事はないさ」
ソニックはその言葉に息を飲んでいた。
「ありがとうございます……ルカの奴を倒した時みてえに、あのクソッタレのドラゴンをぶっ殺してくれると期待してますよ !」
そう叫んだ時だった。周りを中世の鎧に身を固めた兵士に囲まれる。
「なっ、なんだと !」
ソニックは兵士を見た瞬間に顔を青ざめる。恐らく彼も計算外だったのだろう。
「テメェ!何で周りを囲ってる奴らの事に気付かないんだよ !」
マイケルがソニックを凶弾する。
「しっ、知らなかったんだ……アイツらがつけてきているなんて……」
だが、ヴィトは動じる様子を見せずに冷静に部下に指示を与える。
「全員 !戦闘準備だ !銃を構えろ !」
その言葉にパットが異議を唱える。
「無茶だ……まだ武器はニューホーランドから届いていないんだぜッ!オレらが持っているのは拳銃くらいで……」
「拳銃でも戦えるくらいは戦えるさ……全員で固まって、防御態勢を取れッ!オレとプイスで奴らを蹴散らすッ!」
ヴィトは伝説の剣を取り出し、鞘から引き抜き、剣の先を異世界の兵士たちに見せつける。
「フランソワ王国に伝わる伝説の剣だ。それでもオレらとやるかい?」
その言葉に全員が少したじろぐのを見たが、その中心にいた隊長格と思われる頭に被っている鎧に飾りを付けた男が全員に指示を与える。
「いいか、あんなものはハッタリだッ!我々の方に分があるのは確かだッ!それに奴らさえ破れば、マリア・ド・フランソワを手に入れ、エドワード陛下の怒りを解くことができるぞッ!」
隊長格の男の激昂に兵士たちは持っていた槍やら、剣を上に掲げた。
「その通りだ !」
「我々にはフランソワ王国の兵士だッ!我々にはギシュタルリア帝国が味方についているんだッ!怖いものなど何も……」
その瞬間だった。叫んでいた男の心臓の部分に小さな穴が開いた。
「ごちゃごちゃうるせえぞ !テメェら誰にもの言ってんだ !オレ達はニューホーランドシティー最強のマフィア……カヴァリエーレ・ファミリーだぞ !FBIも手出しができんと有名なんだ !」
声の主はマイケルだった。根拠は彼の拳銃の銃口から出ている白い煙だった。
「なっ、アイツやりやがった !」
取り囲んでいた兵士たちの間に動揺が走る。兵士たちは臨戦態勢に臨む。
「やるのなら、やってみろ……オレはお前らに負けはしない」
ヴィトは剣の矛先を囲んでいた兵士たちに向ける。それから、兵士たちの一群に突っ込む、次々と斬り刻んでいく。
「ちくしょう !あの野郎めッ!全員で食い止めろッ!」
そう隊長は命令したが、今のヴィトを止めろというのは、小説『宇宙戦争』でウィルス無しで火星人の侵攻を止めろ言っているのと同じようなものだ。兵士たちは身震いし、動けなくなっていた。
「くっ、ならば、あの男以外の奴らに魔法を仕掛けろッ!」
隊長はそう叫び、兵士たちに剣を防御体制に入っている奴らに向けろと命令する。
「させるかよ……」
ヴィトは剣を左手に持ち替え、その手で隊長の右の側に居た人間を撃ち抜く。
「なっ、何ィィィィ~!!」
「おれから目を離すなよ、でないと今度はお前の頭を撃ち抜くぞ」
ヴィトの言葉は脅しではないと震えた。
「隊長 !指示を……」
その言葉に隊長は狼狽えながらも、指示を与えようとしたが、同時に固まっていた連中からの一斉発砲を受け、何人かが倒れた。そして……。
「勝負は逆転だな」
いつの間にかヴィトが自分の前に剣の矛先を向けていた。
「いいな、一秒でも遅れてみろよ……今後はお前らのところに頼まんし、贔屓にもせん……分かったなッ!」
ヴィトは宅配業者に脅すように言い、その後は青色の背広を着、同じく青色のコートを羽織り、懐に拳銃と剣を仕舞い、ルーシーとマリアとプイスと他の構成員30人程を連れ、サウス・スターアイランドへの切符を取る。
四人がサウス・スターアイランドシティーに着くと、そこはまさに異世界という言葉が似合うくらいに荒れていた。中心部のビルにはドラゴンが居座り、通りは魔法やら何やらの攻撃でボロボロであった。
「酷いな、これは……」
ヴィトは正直な感想を呟く。本当に酷いという言葉以外はヴィトの口からは出てこない。
「トーマスの統治が酷かったのもあるけど……恐らくこれが、ギシュタルリアとやらのやり方なんだわ」
ルーシーは冷静に分析していた。
「これが街なの?」
マリアは唖然としており、目は絶望の目であった。かつての自分の国を思い返しているのだろう。
「うう、ギシュタルリアのゲスどもめッ!ワシが奴らを地獄に落としてやるわ !」
この中で唯一プイスだけは怒りに震えていたのか、全身をプルプルと震わせていた。
「同感だな……」
ヴィトが駅から崩壊した街を見ていると、前方から足音が聞こえた。
「誰だッ!?」
ヴィトが足音がした方向に拳銃を向けると、足音が止まる音がした。
「……その声は相談役?」
ヴィトはその声を聞き、誰なのかを判断した。その声の主はハリーと一緒にニューホーランドから旅立ったソニック・マントークだった。
「ソニック!?どうしてキミが!?」
「オレはこの場でマーニーの奴らか、或いは得体の知れない奴らが来ないかを警戒しているんスよ……」
ソニックの言葉には重みがあった。だが、街がたったの一日でここまで落ちぶれるものだろうか。ヴィトは何故こうなったのかを尋ねる。
「そうっスね、あのドラゴンの仕業っスね、あいつは強い……いくら狙撃銃で頭を撃っても、屋上からトンプソンを乱射しても、あいつには傷一つない !ありゃあ正真正銘の化け物だよ !」
「ソニック……ファミリーのメンバーは何人やられたのか、教えてくれないか?」
ソニックは即答した。
「十五人はやられましたよ、残りは八人くらいッス……」
ソニックが悔しそうに拳を握っている様子から、その言葉には嘘はないのだと判断した。
「そうか、苦労をかけた……増員もいるからな、それにミラノリアの奴らを壊滅させた時と同様に剣もあるんだ……お前がもう気にする事はないさ」
ソニックはその言葉に息を飲んでいた。
「ありがとうございます……ルカの奴を倒した時みてえに、あのクソッタレのドラゴンをぶっ殺してくれると期待してますよ !」
そう叫んだ時だった。周りを中世の鎧に身を固めた兵士に囲まれる。
「なっ、なんだと !」
ソニックは兵士を見た瞬間に顔を青ざめる。恐らく彼も計算外だったのだろう。
「テメェ!何で周りを囲ってる奴らの事に気付かないんだよ !」
マイケルがソニックを凶弾する。
「しっ、知らなかったんだ……アイツらがつけてきているなんて……」
だが、ヴィトは動じる様子を見せずに冷静に部下に指示を与える。
「全員 !戦闘準備だ !銃を構えろ !」
その言葉にパットが異議を唱える。
「無茶だ……まだ武器はニューホーランドから届いていないんだぜッ!オレらが持っているのは拳銃くらいで……」
「拳銃でも戦えるくらいは戦えるさ……全員で固まって、防御態勢を取れッ!オレとプイスで奴らを蹴散らすッ!」
ヴィトは伝説の剣を取り出し、鞘から引き抜き、剣の先を異世界の兵士たちに見せつける。
「フランソワ王国に伝わる伝説の剣だ。それでもオレらとやるかい?」
その言葉に全員が少したじろぐのを見たが、その中心にいた隊長格と思われる頭に被っている鎧に飾りを付けた男が全員に指示を与える。
「いいか、あんなものはハッタリだッ!我々の方に分があるのは確かだッ!それに奴らさえ破れば、マリア・ド・フランソワを手に入れ、エドワード陛下の怒りを解くことができるぞッ!」
隊長格の男の激昂に兵士たちは持っていた槍やら、剣を上に掲げた。
「その通りだ !」
「我々にはフランソワ王国の兵士だッ!我々にはギシュタルリア帝国が味方についているんだッ!怖いものなど何も……」
その瞬間だった。叫んでいた男の心臓の部分に小さな穴が開いた。
「ごちゃごちゃうるせえぞ !テメェら誰にもの言ってんだ !オレ達はニューホーランドシティー最強のマフィア……カヴァリエーレ・ファミリーだぞ !FBIも手出しができんと有名なんだ !」
声の主はマイケルだった。根拠は彼の拳銃の銃口から出ている白い煙だった。
「なっ、アイツやりやがった !」
取り囲んでいた兵士たちの間に動揺が走る。兵士たちは臨戦態勢に臨む。
「やるのなら、やってみろ……オレはお前らに負けはしない」
ヴィトは剣の矛先を囲んでいた兵士たちに向ける。それから、兵士たちの一群に突っ込む、次々と斬り刻んでいく。
「ちくしょう !あの野郎めッ!全員で食い止めろッ!」
そう隊長は命令したが、今のヴィトを止めろというのは、小説『宇宙戦争』でウィルス無しで火星人の侵攻を止めろ言っているのと同じようなものだ。兵士たちは身震いし、動けなくなっていた。
「くっ、ならば、あの男以外の奴らに魔法を仕掛けろッ!」
隊長はそう叫び、兵士たちに剣を防御体制に入っている奴らに向けろと命令する。
「させるかよ……」
ヴィトは剣を左手に持ち替え、その手で隊長の右の側に居た人間を撃ち抜く。
「なっ、何ィィィィ~!!」
「おれから目を離すなよ、でないと今度はお前の頭を撃ち抜くぞ」
ヴィトの言葉は脅しではないと震えた。
「隊長 !指示を……」
その言葉に隊長は狼狽えながらも、指示を与えようとしたが、同時に固まっていた連中からの一斉発砲を受け、何人かが倒れた。そして……。
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