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第三部 トゥー・ワールド・ウォーズ
就任式と殺し
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カリーナ・ルーシー・カヴァリエーレとコミッションの会合が行われる日にちは、12月の30日と決まった。
コミッションの三大マフィアがカヴァリエーレ・ファミリーに会合を求めた理由はたった一つ。
それは、ニューホーランドはもとより、サウス・スターアイランドに三龍会を支配下に置き、各地の中華街と中国においてのビジネス拠点を確保して調子付くカヴァリエーレ・ファミリーとそのボスであるドン・ルーシー・カヴァリエーレを警戒したためであった。
「と、なっているけど、コミッションの連中はわたしを殺すでしょうね」
「表向きは会合だがな……」
ちょうどコミッションの会合が行われる日と同じ日に戦争で死亡したプイスに代わり、フランソワ王国の宰相として即位する事が決まっているヴィトは腕を組みながら、コミッションへの対抗法を練っていた。
「ならば、アイツらには、少しだけ待ってもらうように伝えてもらえないか?電話でも手紙でもいいから……」
「どうして?」
ルーシーは燭台と小さなテーブルと椅子だけの小さな部屋の中で、テーブルに挟まれた椅子の左の方にもたれながら尋ねる。
「奴らには大事な用があるから、その後に会合を開くと言っておけばいい、だけれど……おれ達は会合には参加しない、全て殺してやるんだ。コルプトもパデルフスキもトカレフも……コミッションのメンバーを全て粛清するんだ。そして今後はカヴァリエーレ・ファミリーがアメリカの裏社会を牛耳る事を教えてやるんだ」
ヴィトの言葉にルーシーは改めてヴィトの方に向き直る 。
「いいのね、メンバーを粛清したら、もう戻れないわよ」
「覚悟の上さ、おれ達が大きくなるのの、何が悪いんだ?それだけじゃあない、ギシュタルリアに情報を売り渡したシャルルも殺す……アイツだけは許せんからな」
ヴィトの言葉には確かな怒りが込められていた。
「証拠はあるの?あなたの感情論だけで粛清するわけには……」
「アイツはこの国の大公閣下だぜ、つまり、簡単にエドワードと接触できるさ、何らかの口実を使えば会える筈だぜ、この国での和平条約を結ぶためとか何とか理由をつけて、奴の城に赴く事も可能なはずだ」
「憶測に過ぎないわ、少し乱暴じゃなくて?」
ルーシーの問いかけにヴィトは首を横に振る。
「確かにここまではおれの憶測に過ぎないんだが……ギシュタルリアとの戦いの後にアイツの屋敷をこっそり部下に調べさせたんだが……」
ヴィトはハッキリと聞こえるような声で言い放つ。
「エドワードと内通していたという手紙を持っていた。マリアを売ったのはアイツに間違いはない……」
「本当ね?」
ルーシーは落ち着いた口調で尋ねる。
「間違いはねえ、調べたのはマイケルとパットの二人だ……アイツらは魔法を使ってシャルルの屋敷に潜入し、エドワードとの文書を盗み出した……」
ヴィトは着ていた背広の内ポケットから、一枚の紙を取り出す。
「拝見するわ……」
ルーシーは手紙を見て、一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに冷静なボスの顔を取り戻す。
「許可するわ、シャルルは誰に……」
「マルロが相応しいな、パデルフスキはマイケルに、コルプトはパットに、そしてトカレフはハリーに直に殺させる」
「どうしてなの?彼は支部長よ !」
「彼の忠誠心を試すためさ」
ヴィトは素っ気なく言ってみせる。
「分かったわ、全ての計画は30日ね……後の処理はジョーに任せるという事で……」
「決まりさ」
ヴィトはルーシーの言葉を遮るように言った。
翌日にランスロット大司教の元に、ヴィト・プロテッツオーネの王国宰相就任式が行われた。
「では、ヴィト・プロテッツオーネ。あなたはここにフランソワ王家に生涯その身を捧げる事を誓いますか?」
ランスロットの言葉にヴィトは「誓います」と事務的に言った。
現実世界では、箱に隠したショットガンを持ち、中折れ帽を深く被り顔を隠したマイケルに、懐に拳銃を隠したパット。それから、トンプソン機関銃を隠し持ったハリーと他三人の部下が、トカレフの粛清に向かう。
大司教の言葉がヴィトの耳に響く。
「ヴィト・プロテッツオーネ。あなたは王国と王家のために、立ちはだかる敵から、陛下をお守りする事を誓いますか?」
「誓います」
マイケルのショットガンがイタリアンレストランで食事を摂っていたパデルフスキを襲った。
パデルフスキは突然のことに何もできずに、目を丸くし、口を大きく開けたままマイケルのショットガンの餌食となった。
次の誓いの言葉がヴィトの耳に響く。
「ヴィト・プロテッツオーネ。あなたは邪教の誘惑に負けず、悪魔の軍勢から我が国の民と王家をお守りする事を誓いますか?」
「誓います」
パットの拳銃がホテルの回転扉から外に出ようとしたコルプトを襲った。
リヒャルト・コルプトは整った顔を最大限に歪め、人前というのも忘れ、泣き喚き助けを求めたが、それも意味もない。
コルプトはパットの拳銃に身体の急所を襲う。
パットがホテルの裏口から逃げ出した際には、コミッションの中で最大の勢力を誇っていたリヒャルト・コルプトは回転扉の中にうずくまり、物言わぬ死体となっていた。
誓いの言葉も最後となった。
「ヴィト・プロテッツオーネ。あなたはフランソワ王家に従い、王国を繁栄に導く事を誓いますか?」
「誓います」
ヴィトが忠誠を込めた言葉を言うのと同時に、ニューホーランドのホテル内にある喫茶店の中で複数人の正体不明の男たちがトカレフ夫妻を襲った。
トンプソンを乱射し、周りの客の悲鳴に耳を貸すこともなく二人が息絶えるまでは、何も言わずに撃ち続けていた。
「では、ヴィト・プロテッツオーネ。あなたをフランソワ王国の王国宰相に任命致しましょう。あなたにはこの国の中枢を担う権利がある」
大司教はいつもの近代的な青色のスーツではなく、伝統の貴族の服装である茶色で統一されたコートにベストに、黒のキュロットズボンという姿のヴィトの胸に帝国宰相の印を括り付ける。
「おめでとう。あなたはこれでフランソワ王国の宰相として任命された」
ヴィトはそのまま正装のマリアの元に向かい、その美しい手に忠誠の口づけを交わす。
コミッションの三大マフィアがカヴァリエーレ・ファミリーに会合を求めた理由はたった一つ。
それは、ニューホーランドはもとより、サウス・スターアイランドに三龍会を支配下に置き、各地の中華街と中国においてのビジネス拠点を確保して調子付くカヴァリエーレ・ファミリーとそのボスであるドン・ルーシー・カヴァリエーレを警戒したためであった。
「と、なっているけど、コミッションの連中はわたしを殺すでしょうね」
「表向きは会合だがな……」
ちょうどコミッションの会合が行われる日と同じ日に戦争で死亡したプイスに代わり、フランソワ王国の宰相として即位する事が決まっているヴィトは腕を組みながら、コミッションへの対抗法を練っていた。
「ならば、アイツらには、少しだけ待ってもらうように伝えてもらえないか?電話でも手紙でもいいから……」
「どうして?」
ルーシーは燭台と小さなテーブルと椅子だけの小さな部屋の中で、テーブルに挟まれた椅子の左の方にもたれながら尋ねる。
「奴らには大事な用があるから、その後に会合を開くと言っておけばいい、だけれど……おれ達は会合には参加しない、全て殺してやるんだ。コルプトもパデルフスキもトカレフも……コミッションのメンバーを全て粛清するんだ。そして今後はカヴァリエーレ・ファミリーがアメリカの裏社会を牛耳る事を教えてやるんだ」
ヴィトの言葉にルーシーは改めてヴィトの方に向き直る 。
「いいのね、メンバーを粛清したら、もう戻れないわよ」
「覚悟の上さ、おれ達が大きくなるのの、何が悪いんだ?それだけじゃあない、ギシュタルリアに情報を売り渡したシャルルも殺す……アイツだけは許せんからな」
ヴィトの言葉には確かな怒りが込められていた。
「証拠はあるの?あなたの感情論だけで粛清するわけには……」
「アイツはこの国の大公閣下だぜ、つまり、簡単にエドワードと接触できるさ、何らかの口実を使えば会える筈だぜ、この国での和平条約を結ぶためとか何とか理由をつけて、奴の城に赴く事も可能なはずだ」
「憶測に過ぎないわ、少し乱暴じゃなくて?」
ルーシーの問いかけにヴィトは首を横に振る。
「確かにここまではおれの憶測に過ぎないんだが……ギシュタルリアとの戦いの後にアイツの屋敷をこっそり部下に調べさせたんだが……」
ヴィトはハッキリと聞こえるような声で言い放つ。
「エドワードと内通していたという手紙を持っていた。マリアを売ったのはアイツに間違いはない……」
「本当ね?」
ルーシーは落ち着いた口調で尋ねる。
「間違いはねえ、調べたのはマイケルとパットの二人だ……アイツらは魔法を使ってシャルルの屋敷に潜入し、エドワードとの文書を盗み出した……」
ヴィトは着ていた背広の内ポケットから、一枚の紙を取り出す。
「拝見するわ……」
ルーシーは手紙を見て、一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに冷静なボスの顔を取り戻す。
「許可するわ、シャルルは誰に……」
「マルロが相応しいな、パデルフスキはマイケルに、コルプトはパットに、そしてトカレフはハリーに直に殺させる」
「どうしてなの?彼は支部長よ !」
「彼の忠誠心を試すためさ」
ヴィトは素っ気なく言ってみせる。
「分かったわ、全ての計画は30日ね……後の処理はジョーに任せるという事で……」
「決まりさ」
ヴィトはルーシーの言葉を遮るように言った。
翌日にランスロット大司教の元に、ヴィト・プロテッツオーネの王国宰相就任式が行われた。
「では、ヴィト・プロテッツオーネ。あなたはここにフランソワ王家に生涯その身を捧げる事を誓いますか?」
ランスロットの言葉にヴィトは「誓います」と事務的に言った。
現実世界では、箱に隠したショットガンを持ち、中折れ帽を深く被り顔を隠したマイケルに、懐に拳銃を隠したパット。それから、トンプソン機関銃を隠し持ったハリーと他三人の部下が、トカレフの粛清に向かう。
大司教の言葉がヴィトの耳に響く。
「ヴィト・プロテッツオーネ。あなたは王国と王家のために、立ちはだかる敵から、陛下をお守りする事を誓いますか?」
「誓います」
マイケルのショットガンがイタリアンレストランで食事を摂っていたパデルフスキを襲った。
パデルフスキは突然のことに何もできずに、目を丸くし、口を大きく開けたままマイケルのショットガンの餌食となった。
次の誓いの言葉がヴィトの耳に響く。
「ヴィト・プロテッツオーネ。あなたは邪教の誘惑に負けず、悪魔の軍勢から我が国の民と王家をお守りする事を誓いますか?」
「誓います」
パットの拳銃がホテルの回転扉から外に出ようとしたコルプトを襲った。
リヒャルト・コルプトは整った顔を最大限に歪め、人前というのも忘れ、泣き喚き助けを求めたが、それも意味もない。
コルプトはパットの拳銃に身体の急所を襲う。
パットがホテルの裏口から逃げ出した際には、コミッションの中で最大の勢力を誇っていたリヒャルト・コルプトは回転扉の中にうずくまり、物言わぬ死体となっていた。
誓いの言葉も最後となった。
「ヴィト・プロテッツオーネ。あなたはフランソワ王家に従い、王国を繁栄に導く事を誓いますか?」
「誓います」
ヴィトが忠誠を込めた言葉を言うのと同時に、ニューホーランドのホテル内にある喫茶店の中で複数人の正体不明の男たちがトカレフ夫妻を襲った。
トンプソンを乱射し、周りの客の悲鳴に耳を貸すこともなく二人が息絶えるまでは、何も言わずに撃ち続けていた。
「では、ヴィト・プロテッツオーネ。あなたをフランソワ王国の王国宰相に任命致しましょう。あなたにはこの国の中枢を担う権利がある」
大司教はいつもの近代的な青色のスーツではなく、伝統の貴族の服装である茶色で統一されたコートにベストに、黒のキュロットズボンという姿のヴィトの胸に帝国宰相の印を括り付ける。
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