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2.王国から来た獣人騎士
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「落ち着きましたか」
鼻をすすりながらも皿も綺麗に平らげたリオンに、クレイドが声をかけた。リオンは泣き濡れた顔を掌で拭って、ようやく顔を上げる。
「――ごちそうさまでした。いきなり泣いてしまってすみません。誰かに作ってもらった食事が久しぶりで感極まってしまいました」
初対面の人の前で子供のように泣いたこと、そして動物のようにスープを貪ったことを思い出すと、今さらながら恥ずかしくなった。小さく照れ笑いしたが、クレイドはリオンのことを痛ましそうに見るだけだった。
「……リオン様……アナ様のご逝去、まことに残念なことでございました」
『アナ』というのはリオンの母親の名前だ。リオンははっとした。
「あなたは母のことを知っているのですか?」
「ええ。リオン様の母上は昔、我が国の宮廷で女官として働いておられたのです。現在の王であらせられるオースティン陛下も、それから私も一時期お世話になっていました」
「えっ」
初めて聞く話だった。
確かに母親はたおやかで美しく、仕草にもさりげない品があった。知識も広く深く、学校に通うことが出来なかったリオンは母親からいろいろな知識を与えてもらった。自分の母親は他の村人とは違うことに気が付いていたが、まさか王宮に勤めていたとは。
「やはりご存じではなかったのですね。アナ様はリオン様を身ごもったのを機に王宮から下がりましたが、三か月ほど前、『自分が亡き後どうか息子の力になって欲しい』と王宮に手紙を寄こされたのです。……ご自分の命があとわずかなことを悟られたのでしょう」
「母さんが?」
「ええ、これがアナ様から届いた手紙です」
クレイドが手渡してくれた手紙をうけとり、リオンはさっと数行ほど目を通した。確かに亡き母親の筆跡だ。
「確かに母の字ですが……」
「この手紙を受け取った王は大変心を痛められまして、あなたを王宮に迎えて保護することを決めたのです。私と一緒に王宮へと参りましょう」
(一緒に、王宮に……?)
信じられず、リオンはクレイドの顔を見つめた。
そんなに都合の良い話があるのだろうか。
確かに母親が女官として王宮に勤めていたという話も、リオンの今後の身の振り方を心配して王宮に手紙を出していたことも事実なのだろう。
だけど――だからと言って、たかが女官の一人息子のためにはるばる王宮からの迎えをよこし、連れて帰って保護などするものだろうか?
「なぜそこまでしてくれるのですか? 王宮に連れて帰ってもらえるほどの価値が僕にあるとは思えない」
しかも自分は他人よりも劣るオメガだ。
じっとリオンの言葉を聞いていたクレイドは、「やはりアナ様のお子だ……」と小さく微笑んだ。
「疑問を持たれるのはもっともだと思います。私たちが……王があなたを王宮に連れてくるように命じたのは、あなたが貴重な『ブルーメ』だからです」
「ブルーメ?」
「ええ、我が国の古い言葉で、『花』という意味を持つ言葉です。リオン様の国ではブルーメのことをオメガと呼ぶそうですが」
――オメガ。
その言葉にリオンは身を固くした。
『汚らしいオメガが』と村の人に罵倒されたことや、二か月前の発情期にジルに襲われかけたこと、さっきジルたちに嗤われながら服を剥ぎ取られたこと。恥辱、恐怖、悲しみが一気に胸に流れてきて、リオンは毛布を握り締め、視線を下げた。
「そんなの……もっとわかりません。オメガであることなんてなんの価値もない。僕みたいな汚くて醜いオメガなんて連れて帰っても、面倒で邪魔なだけで……何もいいことなんてないじゃないですか」
「リオン様、それはこの国の価値観でしょう。我々の国では違う」
力強い否定の言葉に、リオンはおずおずと顔を上げた。
「我がノルツブルク王国では、ブルーメは国を繁栄に導く貴重な存在だ。特に王に仕えるブルーメは『花守』と呼ばれ、国民からも崇められ大事にされています」
「でも、そんなことが……」
信じられず、首を振るリオンに、なおもクレイドは言い募る。
「今のあなたには信じられないかもしれません。だけどあなたが見ている世界がすべてではないのです。世界はもっと広く、深く、そして美しい。あなたにはそれを知る権利がある。一緒に王宮に来てもらえませんか?」
「僕は――」
行きたい、と思った。
今見ている世界がすべてでないのなら、自分は新しい世界を知りたい。
でもいいのだろうか。この村を捨てて、母との思い出の残る家や薬草園を捨てて、ここを出て行くなんて――。
躊躇するリオンに、クレイドが身を乗り出してきた。
「リオン様、あなたは劣った人間じゃない。みっともなくも醜くも汚くも穢れてもいない。あなたは傷つけられていいような存在ではないのです。あなたにはせめてそのことだけでも知って欲しいのです」
はっと胸を突かれ、リオンはクレイドの瞳を見た。クレイドも目を逸らさずにまっすぐ見返してくる。
彼の灰色の瞳は、底まで透き通るようだった。視線の真剣さには、真摯さと労りが感じられた。
「……――はい」
気が付くとリオンは頷いていた。
クレイドの言葉をそのまま受け取ったわけじゃない。真剣に訴えかけられて条件反射的にしてしまった承諾に近かった。
だけどよくよく考えていみれば、村長の息子のジルと二度目のトラブルを起こしてしまった自分は、この村で生きていくことはさらに難しくなっただろう。生きていくためにも、この提案に頷く以外の選択肢はない。
そう思い至ると気持ちが定まった。リオンはベッドの上で背筋を伸ばし、深く頭を下げた。
「お願いします。僕を王宮に連れて行ってください」
クレイドが、深く被ったフードの下でほっと目元を緩めたのがわかった。
「わかりました。必ずや王宮までお連れします」
(――僕、この人のことは怖くないかもしれない)
彼の穏やかな声を聞いていると、自然とそう思えた。
母親以外の人間と親しく付き合ったことのないリオンにとって、他人は自分をいじめる怖い存在だった。だけどクレイドはそうじゃない。こんな自分でも彼とはうまくやっていけそうな気がする。
リオンは勇気を出して言ってみることにした。
鼻をすすりながらも皿も綺麗に平らげたリオンに、クレイドが声をかけた。リオンは泣き濡れた顔を掌で拭って、ようやく顔を上げる。
「――ごちそうさまでした。いきなり泣いてしまってすみません。誰かに作ってもらった食事が久しぶりで感極まってしまいました」
初対面の人の前で子供のように泣いたこと、そして動物のようにスープを貪ったことを思い出すと、今さらながら恥ずかしくなった。小さく照れ笑いしたが、クレイドはリオンのことを痛ましそうに見るだけだった。
「……リオン様……アナ様のご逝去、まことに残念なことでございました」
『アナ』というのはリオンの母親の名前だ。リオンははっとした。
「あなたは母のことを知っているのですか?」
「ええ。リオン様の母上は昔、我が国の宮廷で女官として働いておられたのです。現在の王であらせられるオースティン陛下も、それから私も一時期お世話になっていました」
「えっ」
初めて聞く話だった。
確かに母親はたおやかで美しく、仕草にもさりげない品があった。知識も広く深く、学校に通うことが出来なかったリオンは母親からいろいろな知識を与えてもらった。自分の母親は他の村人とは違うことに気が付いていたが、まさか王宮に勤めていたとは。
「やはりご存じではなかったのですね。アナ様はリオン様を身ごもったのを機に王宮から下がりましたが、三か月ほど前、『自分が亡き後どうか息子の力になって欲しい』と王宮に手紙を寄こされたのです。……ご自分の命があとわずかなことを悟られたのでしょう」
「母さんが?」
「ええ、これがアナ様から届いた手紙です」
クレイドが手渡してくれた手紙をうけとり、リオンはさっと数行ほど目を通した。確かに亡き母親の筆跡だ。
「確かに母の字ですが……」
「この手紙を受け取った王は大変心を痛められまして、あなたを王宮に迎えて保護することを決めたのです。私と一緒に王宮へと参りましょう」
(一緒に、王宮に……?)
信じられず、リオンはクレイドの顔を見つめた。
そんなに都合の良い話があるのだろうか。
確かに母親が女官として王宮に勤めていたという話も、リオンの今後の身の振り方を心配して王宮に手紙を出していたことも事実なのだろう。
だけど――だからと言って、たかが女官の一人息子のためにはるばる王宮からの迎えをよこし、連れて帰って保護などするものだろうか?
「なぜそこまでしてくれるのですか? 王宮に連れて帰ってもらえるほどの価値が僕にあるとは思えない」
しかも自分は他人よりも劣るオメガだ。
じっとリオンの言葉を聞いていたクレイドは、「やはりアナ様のお子だ……」と小さく微笑んだ。
「疑問を持たれるのはもっともだと思います。私たちが……王があなたを王宮に連れてくるように命じたのは、あなたが貴重な『ブルーメ』だからです」
「ブルーメ?」
「ええ、我が国の古い言葉で、『花』という意味を持つ言葉です。リオン様の国ではブルーメのことをオメガと呼ぶそうですが」
――オメガ。
その言葉にリオンは身を固くした。
『汚らしいオメガが』と村の人に罵倒されたことや、二か月前の発情期にジルに襲われかけたこと、さっきジルたちに嗤われながら服を剥ぎ取られたこと。恥辱、恐怖、悲しみが一気に胸に流れてきて、リオンは毛布を握り締め、視線を下げた。
「そんなの……もっとわかりません。オメガであることなんてなんの価値もない。僕みたいな汚くて醜いオメガなんて連れて帰っても、面倒で邪魔なだけで……何もいいことなんてないじゃないですか」
「リオン様、それはこの国の価値観でしょう。我々の国では違う」
力強い否定の言葉に、リオンはおずおずと顔を上げた。
「我がノルツブルク王国では、ブルーメは国を繁栄に導く貴重な存在だ。特に王に仕えるブルーメは『花守』と呼ばれ、国民からも崇められ大事にされています」
「でも、そんなことが……」
信じられず、首を振るリオンに、なおもクレイドは言い募る。
「今のあなたには信じられないかもしれません。だけどあなたが見ている世界がすべてではないのです。世界はもっと広く、深く、そして美しい。あなたにはそれを知る権利がある。一緒に王宮に来てもらえませんか?」
「僕は――」
行きたい、と思った。
今見ている世界がすべてでないのなら、自分は新しい世界を知りたい。
でもいいのだろうか。この村を捨てて、母との思い出の残る家や薬草園を捨てて、ここを出て行くなんて――。
躊躇するリオンに、クレイドが身を乗り出してきた。
「リオン様、あなたは劣った人間じゃない。みっともなくも醜くも汚くも穢れてもいない。あなたは傷つけられていいような存在ではないのです。あなたにはせめてそのことだけでも知って欲しいのです」
はっと胸を突かれ、リオンはクレイドの瞳を見た。クレイドも目を逸らさずにまっすぐ見返してくる。
彼の灰色の瞳は、底まで透き通るようだった。視線の真剣さには、真摯さと労りが感じられた。
「……――はい」
気が付くとリオンは頷いていた。
クレイドの言葉をそのまま受け取ったわけじゃない。真剣に訴えかけられて条件反射的にしてしまった承諾に近かった。
だけどよくよく考えていみれば、村長の息子のジルと二度目のトラブルを起こしてしまった自分は、この村で生きていくことはさらに難しくなっただろう。生きていくためにも、この提案に頷く以外の選択肢はない。
そう思い至ると気持ちが定まった。リオンはベッドの上で背筋を伸ばし、深く頭を下げた。
「お願いします。僕を王宮に連れて行ってください」
クレイドが、深く被ったフードの下でほっと目元を緩めたのがわかった。
「わかりました。必ずや王宮までお連れします」
(――僕、この人のことは怖くないかもしれない)
彼の穏やかな声を聞いていると、自然とそう思えた。
母親以外の人間と親しく付き合ったことのないリオンにとって、他人は自分をいじめる怖い存在だった。だけどクレイドはそうじゃない。こんな自分でも彼とはうまくやっていけそうな気がする。
リオンは勇気を出して言ってみることにした。
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