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1章後半 デビルサイド編
52.始まりの朝
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翌朝、ベッドの上で目を覚ましたマーコは自分に恐怖心が戻っていることに気づいたのか、ベッドの横で倒れかかっているおにぎりボディを見てびっくりしていた。
「おはよ」
椅子に座ったまま欠伸をする僕を見て精々罪悪感に駆られて欲しい。ベッドを奪われた上に、朝一で皮娘に魔物の除去を頼んだんだ。
これ以上は何もする気にはなれなかった。
「セシリー……じゃなくて、この部屋ではおにぎり小僧で良いんだっけ」
「元気になった? 私の顔を見ても平気? 」
「大丈夫だけど…あっちのボディの方はまだちょっと怖いかも」
「なんでよ。私の体よ? めっちゃ可愛くない? 」
「うぅ…回答は控えさせて」
「まぁいいけどさ。これからどうするの? 」
「これから? 」
マーコが不思議そうな顔で聞いてくる。なんて馬鹿なことを聞いてくるんだろう。
「約束だったでしょ。貴女の案が採用されたら開放してあげるって。だから、約束通り開放してあげたの。本当はする気なかったんだけどね」
「……! 」
「なぁにその驚いた顔。私はちゃんとお仕事をした人にはちゃんと報酬は支払いますからね? まあ、今日で辞めるって言うなら二日分の給料しか出さないけど」
「……そっか、アタシもう自由なんだ」
彼女は長い夢から覚めたかのように、外の景色を眺めている。そんな時に申し訳ないが、現実に戻って来て貰う必要があった。
「と言ってみたはいいものの、実はマーコに選択肢とかはあまりなくて」
「ないの!? 」
「えぇ。取れる選択肢は二つある。一つはこのまま私の下で働くか。二つはこの町の領主代行として働くか。さぁ、どっち」
「選べるかー! 」
マーコは布団を蹴って抗議の意を示したが、魔族としては話の通じる相手をなるべく領主代行に据えたいと考えている以上、セシリーかマーコが行うしかないのだ。
そしてセシリーは僕である以上この場にとどまることは出来ない。となると、消去法でマーコしかいないのだった。
「え? うそ、実質一択クイズのつもりだったんだけれど。マーコちゃん、大人しく領主になろうねぇ~」
「普通に嫌ですけどぉ!? 」
「安定してるよぉ~? 皆から崇め奉られちゃうかもよ~? 」
「ムリムリムリ。絶対無理。アタシそんなに出来た人間じゃないし! もっといい人いるって! 」
「じゃあ私の部下続ける? 」
「それもなぁ~…道具扱いだし……」
そう言ってコチラをチラチラと見てくる。待遇が不満なのか? というより、待遇以外に不満はないらしい。だったら決定だ。
「そっかそっか。じゃあ決定だ。これからもマーコは私の部下ね。決定。旅支度始めるよ」
「なんだかセシリーっぽくなくなってない? 若干おにぎり小僧が混ざってるみたいな」
「睡眠不足で能力が下がってるのよ。ベストコンディションじゃないから、僕と私の境界線が曖昧になってる」
「そう言うのも、おにぎり小僧の能力なんだね」
「そだよ。疲れてると声とかもたまに可笑しくなっちゃう」
そういって肩をすくませる。そうするとマーコはクスクス笑った。
「でもちゃんと女の子だね」
「姿形が女ならどんな声が聞こえても、女声に聞こえるんだよ。不思議でしょ」
「でも、やっぱり考え方はおにぎり小僧だから、そこはやっぱり男の子なんだね」
「ふうん? そなんだ? ……私の変身が完璧じゃないって言われるのはちょっと思うところあるけど。まいっか。とりあえずベッドどいてよ」
「どうかしたの? 」
マーコが不思議がりながら、ベッドから立ち上がるのを見ると僕はすぐに、おにぎりボディ戻りにベッドに入り込んだ。
「ひぃ!? 」
絶句しているマーコを置いて僕はすぐに頭の半分を眠らせてから会話を始めた。
「僕のこの状態にも慣れて貰わなければ困ります。おにぎり小僧/プリティフォームです」
「ようは普通のおにぎり小僧でしょ? 」
「名称は何でも結構です。僕は今とても瞼が重い状態にあります。きっと貴女がどんな下手くそな子守歌を歌っても眠れる自信がある。ですが、あなたにはやって貰いたいことがいくつかあります。その一つが……」
「ねーんねんころりーよー、ころりーよー」
しまっ……羊の大群が柵越えしていく! やめろっ、僕はまだ眠るワケには! こ、この策士………。
「うわぁ…、白目開けて気絶してる」
「おはよ」
椅子に座ったまま欠伸をする僕を見て精々罪悪感に駆られて欲しい。ベッドを奪われた上に、朝一で皮娘に魔物の除去を頼んだんだ。
これ以上は何もする気にはなれなかった。
「セシリー……じゃなくて、この部屋ではおにぎり小僧で良いんだっけ」
「元気になった? 私の顔を見ても平気? 」
「大丈夫だけど…あっちのボディの方はまだちょっと怖いかも」
「なんでよ。私の体よ? めっちゃ可愛くない? 」
「うぅ…回答は控えさせて」
「まぁいいけどさ。これからどうするの? 」
「これから? 」
マーコが不思議そうな顔で聞いてくる。なんて馬鹿なことを聞いてくるんだろう。
「約束だったでしょ。貴女の案が採用されたら開放してあげるって。だから、約束通り開放してあげたの。本当はする気なかったんだけどね」
「……! 」
「なぁにその驚いた顔。私はちゃんとお仕事をした人にはちゃんと報酬は支払いますからね? まあ、今日で辞めるって言うなら二日分の給料しか出さないけど」
「……そっか、アタシもう自由なんだ」
彼女は長い夢から覚めたかのように、外の景色を眺めている。そんな時に申し訳ないが、現実に戻って来て貰う必要があった。
「と言ってみたはいいものの、実はマーコに選択肢とかはあまりなくて」
「ないの!? 」
「えぇ。取れる選択肢は二つある。一つはこのまま私の下で働くか。二つはこの町の領主代行として働くか。さぁ、どっち」
「選べるかー! 」
マーコは布団を蹴って抗議の意を示したが、魔族としては話の通じる相手をなるべく領主代行に据えたいと考えている以上、セシリーかマーコが行うしかないのだ。
そしてセシリーは僕である以上この場にとどまることは出来ない。となると、消去法でマーコしかいないのだった。
「え? うそ、実質一択クイズのつもりだったんだけれど。マーコちゃん、大人しく領主になろうねぇ~」
「普通に嫌ですけどぉ!? 」
「安定してるよぉ~? 皆から崇め奉られちゃうかもよ~? 」
「ムリムリムリ。絶対無理。アタシそんなに出来た人間じゃないし! もっといい人いるって! 」
「じゃあ私の部下続ける? 」
「それもなぁ~…道具扱いだし……」
そう言ってコチラをチラチラと見てくる。待遇が不満なのか? というより、待遇以外に不満はないらしい。だったら決定だ。
「そっかそっか。じゃあ決定だ。これからもマーコは私の部下ね。決定。旅支度始めるよ」
「なんだかセシリーっぽくなくなってない? 若干おにぎり小僧が混ざってるみたいな」
「睡眠不足で能力が下がってるのよ。ベストコンディションじゃないから、僕と私の境界線が曖昧になってる」
「そう言うのも、おにぎり小僧の能力なんだね」
「そだよ。疲れてると声とかもたまに可笑しくなっちゃう」
そういって肩をすくませる。そうするとマーコはクスクス笑った。
「でもちゃんと女の子だね」
「姿形が女ならどんな声が聞こえても、女声に聞こえるんだよ。不思議でしょ」
「でも、やっぱり考え方はおにぎり小僧だから、そこはやっぱり男の子なんだね」
「ふうん? そなんだ? ……私の変身が完璧じゃないって言われるのはちょっと思うところあるけど。まいっか。とりあえずベッドどいてよ」
「どうかしたの? 」
マーコが不思議がりながら、ベッドから立ち上がるのを見ると僕はすぐに、おにぎりボディ戻りにベッドに入り込んだ。
「ひぃ!? 」
絶句しているマーコを置いて僕はすぐに頭の半分を眠らせてから会話を始めた。
「僕のこの状態にも慣れて貰わなければ困ります。おにぎり小僧/プリティフォームです」
「ようは普通のおにぎり小僧でしょ? 」
「名称は何でも結構です。僕は今とても瞼が重い状態にあります。きっと貴女がどんな下手くそな子守歌を歌っても眠れる自信がある。ですが、あなたにはやって貰いたいことがいくつかあります。その一つが……」
「ねーんねんころりーよー、ころりーよー」
しまっ……羊の大群が柵越えしていく! やめろっ、僕はまだ眠るワケには! こ、この策士………。
「うわぁ…、白目開けて気絶してる」
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