蕾が開花する為に

ゆっくり白霊

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いじめ依頼解決後

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俺は理事長との話を終えて教室に向かう。
もちろん授業中だ。
理事長との会話が思わず弾んでしまい、一時間潰してしまったな。
まぁ、授業に使うよりかは有意義だが。
そして俺は教室に入る。
すると周りがこちら向く、そこには西園寺や遠坂の姿もある。
帰ってきてたのか、そしてこちらへ向く視線の殆どが恐れているしせんであった。
俺に対して恐怖をしているのであろう。
まぁそうでしょうね、助ける為とはいえあれが良かったと満場一致で肯定できるものではない。
しかし俺にとってはあれが一番の最善手だと思う。
そして俺は静かに席に座る。
………あ…あぁもう視線がむず痒い。
そして俺はなんとか放課後まで乗り切った。
「あーあ疲れた。」
普段使わないエネルギーも使ったのでより疲れた。
「……部活サボって帰ろうかな?」
そして俺は帰る支度をする。
そして教室を出て帰路についた途端、
「部室は反対方向だぞ。」
そう隣から言われる。
担任の今村だ。
「じゃあ言っといてくださいよ、俺は疲れたから休むって。」
「そうもいかんのだよ。二人から話があるそうだ。」
「……話?」
なんだか面倒くさそうだが仕方ない。
そして俺は部室に向かう。
部室の扉を開けると二人がいた。
「……話ってなんだよ?」
「それじゃあまずは私から。」
という遠坂。
「お二人共、私なんかの為に助けていただきありがとうございました。」
そう言って深々と頭を下げる。
「顔を上げて遠坂さん、私達は頼まれたからやっていることだから。…それに初めから気付けていればこんな事にはならなかったのに、こちらの方こそごめんなさい、気づいてあげられなくて。」
と言い西園寺も頭を下げる。
「そんな…西園寺さんが頭を下げる必要なんてないのに。」
「でも気付いてあげられなかった、私にも責任があるから。それに…結局私は何もできなかったのだから。」
そして俺の方を向く。
「如月くんもありがとう。」
「…いいよ別に頼まれたことだから。」
「でも、そのせいで如月くんは…」
「お前が気にすることじゃねえよ。昔と同じだ、偽善の為にこういう手段を取る。」
そして俺は窓の方を見る、そこには曇りのない空が浮かんでいた。
まるで俺の心とら正反対だ。
「……でも私はそのやり方は納得はできないわ。」
そう口にする西園寺。
それもそうだろうな、まぁ俺は読んでた小説を参考にしたのだが。
「そうか?俺的には結構いいと思うんだが。」
「良くはないわ、どうしてあんな恐怖を植え付けるようなやり方なのもっといい方法が…貴方が傷つかなくて済む方法があったはずなのに。」
「……西園寺、逆に聞く、お前はどうしようとしてたんだ?
俺の予想だといじめのターゲットを自分にさせようとしてたと思うんだが。」
「………」
「図星か…西園寺、お前のやり方では誰も救えないぞ。」
「いや、依頼者が救え…」
「救えはしないよ、特に遠坂のような人に優しい人間が自分の為に誰かが犠牲なって救われて嬉しいと思うか、結局はそのやり方だと相手も自分も傷つけてる事になるんだよ。それにお前には大切な人とかがいるはずだ、その大切な人が悲しむぞ。」
「……だったらあなたにも大切な人が…」
「…いないよ。」
「「?」」
「もう…俺が何をしようが悲しんでくれる人なんて何処にも存在なんかしない。」
そう寂しげに俺は告げたのだった。






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