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第一章 日常の終わりと崩壊の始まり
4話 思い出とサヨナラした日常
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翌日の夜明け。午前五時を回ったところで、俺は校区の最寄り駅でせんせ……あ、いや、もう違うんだっけか。夕華梨さんを待っていた。
「おっせぇなあの乳デカ女、まだ来ないのかよ。約束の時間とっくに過ぎてるぞ」
すると、その呟きをまさかの反応速度で俺の後ろから彼女が現れた。
「誰が乳デカ女だ馬鹿野郎」
「うわ!あんた、居たのかよ。来てたなら来てるぞくらい言えっての」
まじで今どこから出てきた?本当に周り見渡しても居なかったぞ?
「いや、今さっき着いたばかりだ。お前は準備はできたのか?」
「ああ、できてるよ。なら、さっさと行こうぜ」
「まあ待て、そう慌てるな」
「先生がこの時間に呼んだんじゃねえか。時間ねえんだろ?行こうぜ、あと、その荷物なんだよ。着替えとかいらねえって言ったのせんせ……夕華梨さんだろ」
「私は故郷に戻るんでな。纏めてきたんだよ」
「ふーん、そうか。んで?まだなんか用があるのか?」
すると、徐に彼女は膝を地面につけると、両手の人差し指で円を描いた。
「何してんだ?」
「……見てろ」
静かに宙に浮き出る紋章。どこぞのアニメでしか見た事のないムラサキ色にそれは光る。
「ん?——わ、なんだこれ!いきなり厨二病クサい事しだしたと思ったらまじで魔法みたいなんが出てきやがった……」
「みたいな、じゃなくてこれが【まほう】だ。厳密に言うと【契約魔術】って言うんだ」
うわぁ、頭がこんがらがってきた。
頭を描きながら一度だけバカな質問をしてみる。
「げ、現実なのか?」
「紛れもなくな」
なんでそんな淡々と応えてるんだよこの人。
「んで、一体あんたは何してるんだ?」
「この町に厄介者が誰も来ない様に結界紋を貼ったんだ」
「もうあんたもここから居なくなるのにか?」
「だからこそだ。私が居なくなるこの先、この町にある私の残り香を嗅ぎつけて、ヤツらはいずれここを潰しに来る」
……頭を掻くしかない。わけがわからん。
「んまぁ、いいか。とりあえずそれも含めて全部後で話してくれるんだろうな?」
「心配せずともちゃんと伝える。あと——」
「あと何だよ?」
結界を貼り終えた?彼女は膝についた埃を軽くはたきながら俺の目を見つめながら言った。
「そこに着いた時に、少しこれからの現実を見せつける事になるから、色々と覚悟しておいて欲しい」
「……色々ってなんだよ」
「樹は……そこに居る」
「……嘘じゃねえだろうな」
こんな際に嘘なんかつける筈もない事はわかっては居たが、この人の素性が益々分からなくなって自分でも焦りに焦っているのが分かる。ただ、樹のことになったらスッと興奮がおさまった気がした。
「ああ。ただ、ニュースで伝えてあった通り、もうこの世界では生きてはない」
「そうなんだな、わかった。ありがとう」
「もう、怖くないのか?」
「んー、怖くないのかと聞かれりゃ、怖い、が勝ってるかもな。もちろん樹の姿を見ればどうにかなっちまうかもしれねえ。でも、アイツをひと目だけでも見ておかねえとさ、そっちの方がおかしくなっちまいそうなんだよ。でも、もう覚悟はとっくにできてる。あんたのわけのわからない【まほう】も気になるしはっきり言ってそれどころじゃねえ。知りたい事は山程ある。だから……俺も先に進みたい」
そんな事を言っていたら、彼女に思いっきり笑われた。
「……ははは!やっぱりお前は面白いな。大丈夫だ、颯。お前ならちゃんと先に進めるさ」
「んだよ、バカにしてんなよ。さっさと行くぞ」
「はいはい」
そうやって俺達は午前五時半過ぎの始発の電車に乗って、夕華梨さんの地元に向かった。因みに席の並びは、田舎ではよくある真ん中に通路がある縦四列型の席だ。始発で電車内も空いていたので、俺達は同じ列の両サイドの窓側にお互い座った。
「それでは、出発いたします。出発時、少し車内が揺れますので、お立ちになっている乗車中のお客様はご注意下さい——」
アナウンスが流れるとドアが閉まり、いよいよ夕華梨さんの地元に電車が動く。すると、何故か身体が意味もわからずソワソワし始めた。
そういえば、電車に乗ったの人生で多分二回目だった気がする。すんなり乗ったけど……大丈夫だろうか。
「あ、のさ、夕華梨さん」
「なんだ?」
「袋……持ってない?」
「は?」
「俺、前に一回だけ電車に乗ったことあるんだよ」
「そうか……で?」
「多分もう、ウッ」
「袋ならエチケット用が確か……颯!ちょ、ま——」
あの距離から投げ出された袋は、咄嗟に出したとして届く筈も無く……吐いてしまった。
「はやてえぇぇ!」
----------
——一年前の春休み
「電車?んなもん、乗った事ないけど」
「嘘だろ?颯、遊ぶ時どこに行くんだよいつも」
「え?どっかそこら辺の山でキャンプ」
「何だよ、おっさんみたいな事好きなのか颯?なんならちょっと都心部に行こうぜ、な?」
「キャンプすんのはおっさんじゃねえだろ!ちゃんとソロで楽しんでらあ!てか、樹は乗った事あるのかよ?」
「二年前、両親が死ぬまではよく連れていってもらってたよ」
「うわー。いいなあ。あー、でも樹のばあちゃんも結構歳だから、なかなか都心部だと体力的にキツいみたいなのもあるから行けなかったのか」
「そうなんだよな。それで、久しぶりに行きたいんだけど、どうせ行くなら颯と行きたいじゃん。だからさ、颯も初めての電車だしせっかくなら今から行こうぜ!」
「言ってくれるじゃねえか。よし、行くかぁ!」
そして俺達は、都心部へ向けて張り切って電車に乗った。
しかし、そう簡単に問屋は喜楽を下ろしてはくれなかった。
「なあ、大丈夫か?いつ動くんだ?このくるま」
「電車をくるまって言うやつ初めて聞いたぞ。時刻通りに発射するからもうちょっと待ってなよ」
「早く出発しろぉ!ソワソワすんだよ」
すると、車内からもごもごした声でしゃしょーとかいう人がアナウンスをする。
「えぇ、しゃしょーの※◎▲ダです。それではぁ、しゅ、出発いだしますぅ」
「は?なんだよ、しゃしょーさん!はっきり喋れよ!」
唐突に樹が俺に聞いた。
「なあ?発音おかしくないか?」
「え?しゃしょーさんだろ?運転してくれんの」
「いやそういう意味じゃなくて、お前もしかして苗字だと思ってないか?」
「ち……違うのか?」
「車掌さんは運転する人の呼び名みたいなもんで、名前はハマダさんな。言ってたろさっき」
「な!まじかよ。ちゃんと喋れよなしゃしょーさん!」
「ハハハ、こりゃもうダメだな。ほら、もう出るぞ」
「よし!しゅっぱーつ!しん——」
樹の、持ち前の強肩で俺の指差す方向を瞬時に振り落とした。
「もう黙れ!」
「おっせぇなあの乳デカ女、まだ来ないのかよ。約束の時間とっくに過ぎてるぞ」
すると、その呟きをまさかの反応速度で俺の後ろから彼女が現れた。
「誰が乳デカ女だ馬鹿野郎」
「うわ!あんた、居たのかよ。来てたなら来てるぞくらい言えっての」
まじで今どこから出てきた?本当に周り見渡しても居なかったぞ?
「いや、今さっき着いたばかりだ。お前は準備はできたのか?」
「ああ、できてるよ。なら、さっさと行こうぜ」
「まあ待て、そう慌てるな」
「先生がこの時間に呼んだんじゃねえか。時間ねえんだろ?行こうぜ、あと、その荷物なんだよ。着替えとかいらねえって言ったのせんせ……夕華梨さんだろ」
「私は故郷に戻るんでな。纏めてきたんだよ」
「ふーん、そうか。んで?まだなんか用があるのか?」
すると、徐に彼女は膝を地面につけると、両手の人差し指で円を描いた。
「何してんだ?」
「……見てろ」
静かに宙に浮き出る紋章。どこぞのアニメでしか見た事のないムラサキ色にそれは光る。
「ん?——わ、なんだこれ!いきなり厨二病クサい事しだしたと思ったらまじで魔法みたいなんが出てきやがった……」
「みたいな、じゃなくてこれが【まほう】だ。厳密に言うと【契約魔術】って言うんだ」
うわぁ、頭がこんがらがってきた。
頭を描きながら一度だけバカな質問をしてみる。
「げ、現実なのか?」
「紛れもなくな」
なんでそんな淡々と応えてるんだよこの人。
「んで、一体あんたは何してるんだ?」
「この町に厄介者が誰も来ない様に結界紋を貼ったんだ」
「もうあんたもここから居なくなるのにか?」
「だからこそだ。私が居なくなるこの先、この町にある私の残り香を嗅ぎつけて、ヤツらはいずれここを潰しに来る」
……頭を掻くしかない。わけがわからん。
「んまぁ、いいか。とりあえずそれも含めて全部後で話してくれるんだろうな?」
「心配せずともちゃんと伝える。あと——」
「あと何だよ?」
結界を貼り終えた?彼女は膝についた埃を軽くはたきながら俺の目を見つめながら言った。
「そこに着いた時に、少しこれからの現実を見せつける事になるから、色々と覚悟しておいて欲しい」
「……色々ってなんだよ」
「樹は……そこに居る」
「……嘘じゃねえだろうな」
こんな際に嘘なんかつける筈もない事はわかっては居たが、この人の素性が益々分からなくなって自分でも焦りに焦っているのが分かる。ただ、樹のことになったらスッと興奮がおさまった気がした。
「ああ。ただ、ニュースで伝えてあった通り、もうこの世界では生きてはない」
「そうなんだな、わかった。ありがとう」
「もう、怖くないのか?」
「んー、怖くないのかと聞かれりゃ、怖い、が勝ってるかもな。もちろん樹の姿を見ればどうにかなっちまうかもしれねえ。でも、アイツをひと目だけでも見ておかねえとさ、そっちの方がおかしくなっちまいそうなんだよ。でも、もう覚悟はとっくにできてる。あんたのわけのわからない【まほう】も気になるしはっきり言ってそれどころじゃねえ。知りたい事は山程ある。だから……俺も先に進みたい」
そんな事を言っていたら、彼女に思いっきり笑われた。
「……ははは!やっぱりお前は面白いな。大丈夫だ、颯。お前ならちゃんと先に進めるさ」
「んだよ、バカにしてんなよ。さっさと行くぞ」
「はいはい」
そうやって俺達は午前五時半過ぎの始発の電車に乗って、夕華梨さんの地元に向かった。因みに席の並びは、田舎ではよくある真ん中に通路がある縦四列型の席だ。始発で電車内も空いていたので、俺達は同じ列の両サイドの窓側にお互い座った。
「それでは、出発いたします。出発時、少し車内が揺れますので、お立ちになっている乗車中のお客様はご注意下さい——」
アナウンスが流れるとドアが閉まり、いよいよ夕華梨さんの地元に電車が動く。すると、何故か身体が意味もわからずソワソワし始めた。
そういえば、電車に乗ったの人生で多分二回目だった気がする。すんなり乗ったけど……大丈夫だろうか。
「あ、のさ、夕華梨さん」
「なんだ?」
「袋……持ってない?」
「は?」
「俺、前に一回だけ電車に乗ったことあるんだよ」
「そうか……で?」
「多分もう、ウッ」
「袋ならエチケット用が確か……颯!ちょ、ま——」
あの距離から投げ出された袋は、咄嗟に出したとして届く筈も無く……吐いてしまった。
「はやてえぇぇ!」
----------
——一年前の春休み
「電車?んなもん、乗った事ないけど」
「嘘だろ?颯、遊ぶ時どこに行くんだよいつも」
「え?どっかそこら辺の山でキャンプ」
「何だよ、おっさんみたいな事好きなのか颯?なんならちょっと都心部に行こうぜ、な?」
「キャンプすんのはおっさんじゃねえだろ!ちゃんとソロで楽しんでらあ!てか、樹は乗った事あるのかよ?」
「二年前、両親が死ぬまではよく連れていってもらってたよ」
「うわー。いいなあ。あー、でも樹のばあちゃんも結構歳だから、なかなか都心部だと体力的にキツいみたいなのもあるから行けなかったのか」
「そうなんだよな。それで、久しぶりに行きたいんだけど、どうせ行くなら颯と行きたいじゃん。だからさ、颯も初めての電車だしせっかくなら今から行こうぜ!」
「言ってくれるじゃねえか。よし、行くかぁ!」
そして俺達は、都心部へ向けて張り切って電車に乗った。
しかし、そう簡単に問屋は喜楽を下ろしてはくれなかった。
「なあ、大丈夫か?いつ動くんだ?このくるま」
「電車をくるまって言うやつ初めて聞いたぞ。時刻通りに発射するからもうちょっと待ってなよ」
「早く出発しろぉ!ソワソワすんだよ」
すると、車内からもごもごした声でしゃしょーとかいう人がアナウンスをする。
「えぇ、しゃしょーの※◎▲ダです。それではぁ、しゅ、出発いだしますぅ」
「は?なんだよ、しゃしょーさん!はっきり喋れよ!」
唐突に樹が俺に聞いた。
「なあ?発音おかしくないか?」
「え?しゃしょーさんだろ?運転してくれんの」
「いやそういう意味じゃなくて、お前もしかして苗字だと思ってないか?」
「ち……違うのか?」
「車掌さんは運転する人の呼び名みたいなもんで、名前はハマダさんな。言ってたろさっき」
「な!まじかよ。ちゃんと喋れよなしゃしょーさん!」
「ハハハ、こりゃもうダメだな。ほら、もう出るぞ」
「よし!しゅっぱーつ!しん——」
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「もう黙れ!」
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