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5 12月25日
好き……
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「如月さん?」
「あ、あ、あ、あの、あたし、椿くんは推しで、好きは好きだけど推しの好きって言うか、いや、そもそも推してることも内緒で言うつもりもなかったのに、とにかく、遠くから見つめているだけで十分と言うか、うん、それが幸せなので、あの、だから」
もう何を言っているのか、何を言いたいのか分からなすぎる。
「それって、結局俺のこと好きってことだよね?」
「え!?」
いや、それはそうだけど、違くて。
否定したいけどそれも出来なくてあわてていると、椿くんがまた一歩近づいてきた。
「これからも、如月さんのこと推させてください」
また、吸い込まれそうなほど強い眼差しであたしを見るから、どうしようもなくなる。
そんな嬉しいこと言われたら、卒倒してしまう。クラリと眩暈が起こりそうな体をなんとか支えて、今度はあたしが持ってきたバックの中からツバくんぬいを取り出した。
「……え、これって」
あたしの手元を見て、椿くんがすぐに反応する。
「あたしも5月25日のあの日から、ずっと椿くんのこと推してました」
恥ずかしいから、隠すようにツバくんを顔の前に持つ。
すると、ツバくんぬいを椿くんがとってしまうから、あたしはあわてて顔を伏せた。
「うわ、すげぇ。まじで上手いじゃん」
感動するような声の椿くんに驚いて、顔を上げれば、嬉しそうに目を細めて笑う椿くん。尊い笑顔にキュンとしてしまって、ますます恥ずかしくなる。
「しかもこれ、クリスマスバージョン?」
「そ、そうです! 毎月ツバくんに似合う服を作ってあげるのがあたしの癒しで……」
つい、好きなことに興味を持ってくれたことが嬉しくて聞かれていないことまで口走ってしまった。ハッとしてから、椿くんから一歩距離をとる。
「じゃあさ、今日は25日で俺にとっても如月さんにとっても特別な日だし、推しぬいと一緒に楽しもうよ」
「……え」
「俺と2人きりだと緊張って言うか、まだ慣れないかもしれないけど、この2人がいれば心強くない? えっと、ツバぬいとこっちはニコぬい? で、いいかな?」
両手にツバくんぬいとあたしのぬいぐるみを持って笑うから、何度も頷いた。
「ニコぬい……」
かわいすぎる。って言うか、椿くんがぬいを2人持って笑ってるのがレアすぎて好き!あー、なんでこんなにかっこいいんだろう。もう、ほんと……
「好き……」
うん、大好きだ。ツバくんとしても、椿くんとしても。あたしは、どっちも大好き。
納得するみたいに心の中で結論付ける。なんだか、ようやくすっきりしたような気もする。ずっと陰からこっそり見つめる日々。それだって幸せだったけど、あたし、今が一番幸せだ。いや、幸せすぎて少し怖いくらいだけど。
ふと、我に帰って目の前の椿くんのことを見上げれば、なぜか真っ赤な顔をして口元を手で抑えている。
あれ? なんで?
考えるまもなく、ふわりと温もりに全身が包まれていた。
ぎゆっと抱きしめられていることに、あたしは驚きすぎて声も出ない。冷たかったコートは、すぐに互いの体温で温まっていく。冷えた鼻先から、ふんわりココアみたいな甘い匂いを感じた。
「ニコちゃん、って呼んでもいい?」
頭の後ろから椿くんの声が聞こえる。
感じたことのない距離にドキドキしながら、あたしは小さく頷いた。椿くんの肩越しに空が見える。晴れた空に薄い雲がかかっている。
「……あ、雪?」
吐き出した言葉と白い息。
空に昇っていく代わりに、白い粒が落ちてきて、鼻先に触れた。
「あ、ほんとだ! すげぇ、ホワイトクリスマス!」
あたしを抱きしめたまま、椿くんも空を見上げてはしゃいでいる。
そして、そっと離れるとあたしの手を取った。手を繋ぐのは、これで2回目。
「あったかいもの食べに行こっか」
「……うん」
繋いだ手が優しいのは、想いが伝わったからかな。
あれ? もしかしてあたし、さっき想いが溢れすぎて「好き」って言葉に出てた? だから、椿くんは顔を赤くしてたの? やだ、今更になってすごく恥ずかしいんだけど!
首元が熱い。マフラーのせいにして、あたしはそっと顔を沈める。
小さな雪の粒は、あたしたちの想いが通じたことを祝福するみたいに降り注ぐ。
「あ、あ、あ、あの、あたし、椿くんは推しで、好きは好きだけど推しの好きって言うか、いや、そもそも推してることも内緒で言うつもりもなかったのに、とにかく、遠くから見つめているだけで十分と言うか、うん、それが幸せなので、あの、だから」
もう何を言っているのか、何を言いたいのか分からなすぎる。
「それって、結局俺のこと好きってことだよね?」
「え!?」
いや、それはそうだけど、違くて。
否定したいけどそれも出来なくてあわてていると、椿くんがまた一歩近づいてきた。
「これからも、如月さんのこと推させてください」
また、吸い込まれそうなほど強い眼差しであたしを見るから、どうしようもなくなる。
そんな嬉しいこと言われたら、卒倒してしまう。クラリと眩暈が起こりそうな体をなんとか支えて、今度はあたしが持ってきたバックの中からツバくんぬいを取り出した。
「……え、これって」
あたしの手元を見て、椿くんがすぐに反応する。
「あたしも5月25日のあの日から、ずっと椿くんのこと推してました」
恥ずかしいから、隠すようにツバくんを顔の前に持つ。
すると、ツバくんぬいを椿くんがとってしまうから、あたしはあわてて顔を伏せた。
「うわ、すげぇ。まじで上手いじゃん」
感動するような声の椿くんに驚いて、顔を上げれば、嬉しそうに目を細めて笑う椿くん。尊い笑顔にキュンとしてしまって、ますます恥ずかしくなる。
「しかもこれ、クリスマスバージョン?」
「そ、そうです! 毎月ツバくんに似合う服を作ってあげるのがあたしの癒しで……」
つい、好きなことに興味を持ってくれたことが嬉しくて聞かれていないことまで口走ってしまった。ハッとしてから、椿くんから一歩距離をとる。
「じゃあさ、今日は25日で俺にとっても如月さんにとっても特別な日だし、推しぬいと一緒に楽しもうよ」
「……え」
「俺と2人きりだと緊張って言うか、まだ慣れないかもしれないけど、この2人がいれば心強くない? えっと、ツバぬいとこっちはニコぬい? で、いいかな?」
両手にツバくんぬいとあたしのぬいぐるみを持って笑うから、何度も頷いた。
「ニコぬい……」
かわいすぎる。って言うか、椿くんがぬいを2人持って笑ってるのがレアすぎて好き!あー、なんでこんなにかっこいいんだろう。もう、ほんと……
「好き……」
うん、大好きだ。ツバくんとしても、椿くんとしても。あたしは、どっちも大好き。
納得するみたいに心の中で結論付ける。なんだか、ようやくすっきりしたような気もする。ずっと陰からこっそり見つめる日々。それだって幸せだったけど、あたし、今が一番幸せだ。いや、幸せすぎて少し怖いくらいだけど。
ふと、我に帰って目の前の椿くんのことを見上げれば、なぜか真っ赤な顔をして口元を手で抑えている。
あれ? なんで?
考えるまもなく、ふわりと温もりに全身が包まれていた。
ぎゆっと抱きしめられていることに、あたしは驚きすぎて声も出ない。冷たかったコートは、すぐに互いの体温で温まっていく。冷えた鼻先から、ふんわりココアみたいな甘い匂いを感じた。
「ニコちゃん、って呼んでもいい?」
頭の後ろから椿くんの声が聞こえる。
感じたことのない距離にドキドキしながら、あたしは小さく頷いた。椿くんの肩越しに空が見える。晴れた空に薄い雲がかかっている。
「……あ、雪?」
吐き出した言葉と白い息。
空に昇っていく代わりに、白い粒が落ちてきて、鼻先に触れた。
「あ、ほんとだ! すげぇ、ホワイトクリスマス!」
あたしを抱きしめたまま、椿くんも空を見上げてはしゃいでいる。
そして、そっと離れるとあたしの手を取った。手を繋ぐのは、これで2回目。
「あったかいもの食べに行こっか」
「……うん」
繋いだ手が優しいのは、想いが伝わったからかな。
あれ? もしかしてあたし、さっき想いが溢れすぎて「好き」って言葉に出てた? だから、椿くんは顔を赤くしてたの? やだ、今更になってすごく恥ずかしいんだけど!
首元が熱い。マフラーのせいにして、あたしはそっと顔を沈める。
小さな雪の粒は、あたしたちの想いが通じたことを祝福するみたいに降り注ぐ。
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