46 / 51
第七章 花火大会
7-6
しおりを挟む
しばらく見惚れていて、何発か続け様に上がる赤、緑、金色を見上げながら、ゆっくり立ち上がって窓に近づいた。
「梨紅ーっ」
小声だけど、花火の音に混じって耳に聞こえて来た声。すぐに、あたしは空から地上へと視線を下ろした。一葉くんが、手にキラキラ光る何かを持って笑顔で手を振っている。かと思えば、すぐにそっと建物の中に入って行って、少ししてから階段の軋む音が聞こえて来た。
「ごめん、梨紅。花火始まっちゃったな」
困ったように眉を下げて現れた一葉くんの手には、さっき見えたキラキラ。あたしは思わずじっとキラキラの正体を見つめる。
「梨紅、これ欲しかったんじゃないかなって思って。はい」
真っ直ぐに差し出されたのは、最後尾の屋台で見つけた、買えずに帰ってきたいちご飴。
「ありがとう……」
足も痛かったし、長い列になっていたからすぐに諦めちゃったのに。まさか、一葉くん、あたしの足が痛いことも、いちご飴を欲しそうにしていたことも、みんな気が付いてくれていたのかな。
そっと、差し出されたいちご飴を手にした瞬間、赤色が鮮やかな大輪の花火が夜空に大きく咲いた。
窓の外へ視線を向けると、「すっげぇ……」と一葉くんが呟いて、ドォンッと心臓までも貫くように響く花火の音に、胸元で受け取ったいちご飴の棒をギュッと握った。
「ありがとう、一葉くん」
隣を見上げてはっきり言葉にすると、一葉くんは微笑む。
「それ、梨紅の癖なの? また二回言ってる。嬉しいからいいけど」
花火の煌めきが、空を見上げ直した一葉くんの横顔を色とりどりに照らす。
一葉くんの優しさには、ほんの少しの寂しさが混じっている。あたしは、その寂しさごと、優しさを受け取ってあげたい。
きっと、一葉くんはお母さんのことも、お父さんのことも好きなはず。もしかしたら、お父さんとだって、本当は一緒にいたいって、思っているんじゃないのかな。
あたしは、一葉くんのそばにいたい。話を聞いてあげたい。あの頃会えた思い出を、この花火みたいに綺麗に輝かせていたい。
強さも弱さも持っている一葉くんは、今、ここに居て、光り輝いているんだよってことを、伝えたい。そして、どうか彼の心の中から、不安だけが落ちて、消えて欲しい。そう、願ってしまう。
並んで立つ距離に、触れそうなほど近い位置にある一葉くんの手。一瞬だけ躊躇ってから、そっと小指を摘んで小さく繋いだ。
そして、何度も上がる花火を、ただ静かに眺めていた。
ここに居て、思い出すことはたくさんあるんだと思う。一葉くんがこの場所で過ごした日々は、少なくも多くもなかったのかもしれない。けれど、それでもきっと、心の中ではまだ、幼い頃の自分と葛藤しているのかもしれない。
「……食べよっか」
頬を伝ってしまっていた一筋の涙に気が付いたのか、一葉くんはさりげなく頬を拭った。なんでもなかったように笑いかけてくれるから、あたしも、涙に気がつかないフリをして頷いた。
長椅子に座って、一葉くんは買って来た焼きそばのパックを開ける。あたしはたこ焼き。割り箸を割って、大玉のたこ焼きを一つ口にする。いつも海がソースを口の周りにくっ付けて、美味しそうに頬張る笑顔を思い出す。かわいい姿に、お祭りのたこ焼きはかかせなくなった。
やっぱり美味しい。思わず笑みがこぼれてしまって、隣からの視線を感じた。
「ソース、付いてるよ。梨紅はいつも美味しそうに食べるよね」
微笑む一葉くんに、なんだか恥ずかしくなって、口元をティッシュで拭いた。
「ごめんな、今日。梨紅のこと独り占めして」
空になった焼きそばのパックを袋にしまいながら、急に、一葉くんが謝る。
「仲良くなっても、引っ越せばもう友達じゃなくなるし、引っ越し先でまた仲良くなっても、また別れが来るなら、あまり深くは付き合わないで、上辺だけ友達を装っていようって、ずっとやって来てた」
窓の外、花火は休憩に入ったのか、今は静かで穏やかな風が吹き込んでくる。元々ついていた蚊取り線香の煙が、一筋立ち上りながらたまに風で揺らぐ。
「梨紅が現れてから、過去のことを思い出すうちに、悲しいんだけど、もっと自分のことも、梨紅のことも、知りたいって、思うようになってた」
休憩が終わって、再び花火が上がり始める。座った位置からは見えないけれど、窓の外が何度も色を変えては、明るくなる。
「俺、梨紅のこと好きだよ」
真っ直ぐに見つめてくる瞳からは目がそらせなくて、あたしは一葉くんの真剣な言葉が嬉しすぎて、声が出てこない。フッと、緊張の糸が緩むように一葉くんが微笑んだ。
「ってわけだから、これからもよろしくね」
ぽんっと、頭を撫でられて、一葉くんの照れた顔が前を向いた。
「お、もうラストスパートじゃない? めちゃくちゃ上がってる!」
立ち上がって窓辺に近づくと、身を乗り出すように外を見上げる一葉くんに、あたしも隣に行こうとして立ちあがった。その時──
「ちょっと、桐先輩! そこは抱きしめてチューの一つでもしたら良いでしょーにっ!」
バターンッと奥の襖が開いたかと思えば、日向子ちゃんが現れる。あたしは心臓が飛び跳ねるくらいに驚いた。それは、隣にいた一葉くんも同じだったようで、驚きすぎて、お互いなかなか言葉が出てこない。
「やっぱり詰めが甘いんですよぉ~。ねぇ、ユーセー」
こちらに近づいてくる日向子ちゃんの後ろから、優成くんも現れた。
もしかして、二人ともすぐ隣の部屋に、しかも襖一枚隔てただけのすぐ隣に居たってことなの?
あたしは、さっきまで一葉くんと二人きりしか居ないと思ってドキドキしていたことを思い出して、急激に恥ずかしくなってきた。
「詰めが甘いってなんだよそれ。俺はお前みたいに手が早くないんだよ」
ようやく一葉くんが日向子ちゃんに向かって喋り出す。
「は? あたし別に手早くないですけど! ってか、女子に手が早いとか言うって、どういうこと⁉︎」
「なんもされてないか? ユーセー?」
日向子ちゃんの後ろに身を潜めている優成くんに、一葉くんが揶揄うように聞くと、「いや! 全然、なにも……」と、明らかに挙動不審な動きをする。
「ちょっ、と! そんなに狼狽えてたら怪しいでしょ! してないし……なにも!」
日向子ちゃんまで焦り始めるから、絶対に何かはあったんじゃないかと疑ってしまう。
「別にそっちはそっちで良かったじゃん。花火も見れたし、今年の夏は大満足。いい夏休みだった」
場をまとめようとしているのか、一葉くんは花火が終わって見物客が帰るざわめきを遮るように窓を閉めた。
「俺さ、一旦東京帰るから」
「……え?」
いきなりの発言に、あたしは目を見開く。
「えぇ‼︎」
そして、日向子ちゃんも大きな声で叫んだ。
「梨紅ーっ」
小声だけど、花火の音に混じって耳に聞こえて来た声。すぐに、あたしは空から地上へと視線を下ろした。一葉くんが、手にキラキラ光る何かを持って笑顔で手を振っている。かと思えば、すぐにそっと建物の中に入って行って、少ししてから階段の軋む音が聞こえて来た。
「ごめん、梨紅。花火始まっちゃったな」
困ったように眉を下げて現れた一葉くんの手には、さっき見えたキラキラ。あたしは思わずじっとキラキラの正体を見つめる。
「梨紅、これ欲しかったんじゃないかなって思って。はい」
真っ直ぐに差し出されたのは、最後尾の屋台で見つけた、買えずに帰ってきたいちご飴。
「ありがとう……」
足も痛かったし、長い列になっていたからすぐに諦めちゃったのに。まさか、一葉くん、あたしの足が痛いことも、いちご飴を欲しそうにしていたことも、みんな気が付いてくれていたのかな。
そっと、差し出されたいちご飴を手にした瞬間、赤色が鮮やかな大輪の花火が夜空に大きく咲いた。
窓の外へ視線を向けると、「すっげぇ……」と一葉くんが呟いて、ドォンッと心臓までも貫くように響く花火の音に、胸元で受け取ったいちご飴の棒をギュッと握った。
「ありがとう、一葉くん」
隣を見上げてはっきり言葉にすると、一葉くんは微笑む。
「それ、梨紅の癖なの? また二回言ってる。嬉しいからいいけど」
花火の煌めきが、空を見上げ直した一葉くんの横顔を色とりどりに照らす。
一葉くんの優しさには、ほんの少しの寂しさが混じっている。あたしは、その寂しさごと、優しさを受け取ってあげたい。
きっと、一葉くんはお母さんのことも、お父さんのことも好きなはず。もしかしたら、お父さんとだって、本当は一緒にいたいって、思っているんじゃないのかな。
あたしは、一葉くんのそばにいたい。話を聞いてあげたい。あの頃会えた思い出を、この花火みたいに綺麗に輝かせていたい。
強さも弱さも持っている一葉くんは、今、ここに居て、光り輝いているんだよってことを、伝えたい。そして、どうか彼の心の中から、不安だけが落ちて、消えて欲しい。そう、願ってしまう。
並んで立つ距離に、触れそうなほど近い位置にある一葉くんの手。一瞬だけ躊躇ってから、そっと小指を摘んで小さく繋いだ。
そして、何度も上がる花火を、ただ静かに眺めていた。
ここに居て、思い出すことはたくさんあるんだと思う。一葉くんがこの場所で過ごした日々は、少なくも多くもなかったのかもしれない。けれど、それでもきっと、心の中ではまだ、幼い頃の自分と葛藤しているのかもしれない。
「……食べよっか」
頬を伝ってしまっていた一筋の涙に気が付いたのか、一葉くんはさりげなく頬を拭った。なんでもなかったように笑いかけてくれるから、あたしも、涙に気がつかないフリをして頷いた。
長椅子に座って、一葉くんは買って来た焼きそばのパックを開ける。あたしはたこ焼き。割り箸を割って、大玉のたこ焼きを一つ口にする。いつも海がソースを口の周りにくっ付けて、美味しそうに頬張る笑顔を思い出す。かわいい姿に、お祭りのたこ焼きはかかせなくなった。
やっぱり美味しい。思わず笑みがこぼれてしまって、隣からの視線を感じた。
「ソース、付いてるよ。梨紅はいつも美味しそうに食べるよね」
微笑む一葉くんに、なんだか恥ずかしくなって、口元をティッシュで拭いた。
「ごめんな、今日。梨紅のこと独り占めして」
空になった焼きそばのパックを袋にしまいながら、急に、一葉くんが謝る。
「仲良くなっても、引っ越せばもう友達じゃなくなるし、引っ越し先でまた仲良くなっても、また別れが来るなら、あまり深くは付き合わないで、上辺だけ友達を装っていようって、ずっとやって来てた」
窓の外、花火は休憩に入ったのか、今は静かで穏やかな風が吹き込んでくる。元々ついていた蚊取り線香の煙が、一筋立ち上りながらたまに風で揺らぐ。
「梨紅が現れてから、過去のことを思い出すうちに、悲しいんだけど、もっと自分のことも、梨紅のことも、知りたいって、思うようになってた」
休憩が終わって、再び花火が上がり始める。座った位置からは見えないけれど、窓の外が何度も色を変えては、明るくなる。
「俺、梨紅のこと好きだよ」
真っ直ぐに見つめてくる瞳からは目がそらせなくて、あたしは一葉くんの真剣な言葉が嬉しすぎて、声が出てこない。フッと、緊張の糸が緩むように一葉くんが微笑んだ。
「ってわけだから、これからもよろしくね」
ぽんっと、頭を撫でられて、一葉くんの照れた顔が前を向いた。
「お、もうラストスパートじゃない? めちゃくちゃ上がってる!」
立ち上がって窓辺に近づくと、身を乗り出すように外を見上げる一葉くんに、あたしも隣に行こうとして立ちあがった。その時──
「ちょっと、桐先輩! そこは抱きしめてチューの一つでもしたら良いでしょーにっ!」
バターンッと奥の襖が開いたかと思えば、日向子ちゃんが現れる。あたしは心臓が飛び跳ねるくらいに驚いた。それは、隣にいた一葉くんも同じだったようで、驚きすぎて、お互いなかなか言葉が出てこない。
「やっぱり詰めが甘いんですよぉ~。ねぇ、ユーセー」
こちらに近づいてくる日向子ちゃんの後ろから、優成くんも現れた。
もしかして、二人ともすぐ隣の部屋に、しかも襖一枚隔てただけのすぐ隣に居たってことなの?
あたしは、さっきまで一葉くんと二人きりしか居ないと思ってドキドキしていたことを思い出して、急激に恥ずかしくなってきた。
「詰めが甘いってなんだよそれ。俺はお前みたいに手が早くないんだよ」
ようやく一葉くんが日向子ちゃんに向かって喋り出す。
「は? あたし別に手早くないですけど! ってか、女子に手が早いとか言うって、どういうこと⁉︎」
「なんもされてないか? ユーセー?」
日向子ちゃんの後ろに身を潜めている優成くんに、一葉くんが揶揄うように聞くと、「いや! 全然、なにも……」と、明らかに挙動不審な動きをする。
「ちょっ、と! そんなに狼狽えてたら怪しいでしょ! してないし……なにも!」
日向子ちゃんまで焦り始めるから、絶対に何かはあったんじゃないかと疑ってしまう。
「別にそっちはそっちで良かったじゃん。花火も見れたし、今年の夏は大満足。いい夏休みだった」
場をまとめようとしているのか、一葉くんは花火が終わって見物客が帰るざわめきを遮るように窓を閉めた。
「俺さ、一旦東京帰るから」
「……え?」
いきなりの発言に、あたしは目を見開く。
「えぇ‼︎」
そして、日向子ちゃんも大きな声で叫んだ。
13
あなたにおすすめの小説
12年目の恋物語
真矢すみれ
恋愛
生まれつき心臓の悪い少女陽菜(はるな)と、12年間同じクラス、隣の家に住む幼なじみの男の子叶太(かなた)は学校公認カップルと呼ばれるほどに仲が良く、同じ時間を過ごしていた。
だけど、陽菜はある日、叶太が自分の身体に責任を感じて、ずっと一緒にいてくれるのだと知り、叶太から離れることを決意をする。
すれ違う想い。陽菜を好きな先輩の出現。二人を見守り、何とか想いが通じるようにと奔走する友人たち。
2人が結ばれるまでの物語。
第一部「12年目の恋物語」完結
第二部「13年目のやさしい願い」完結
第三部「14年目の永遠の誓い」←順次公開中
※ベリーズカフェと小説家になろうにも公開しています。
神楽囃子の夜
紫音みけ🐾新刊2月中旬発売!
ライト文芸
※第6回ライト文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
地元の夏祭りを訪れていた少年・狭野笙悟(さのしょうご)は、そこで見かけた幽霊の少女に一目惚れしてしまう。彼女が現れるのは年に一度、祭りの夜だけであり、その姿を見ることができるのは狭野ただ一人だけだった。
年を重ねるごとに想いを募らせていく狭野は、やがて彼女に秘められた意外な真実にたどり着く……。
四人の男女の半生を描く、時を越えた現代ファンタジー。
紙の上の空
中谷ととこ
ライト文芸
小学六年生の夏、父が突然、兄を連れてきた。
容姿に恵まれて才色兼備、誰もが憧れてしまう女性でありながら、裏表のない竹を割ったような性格の八重嶋碧(31)は、幼い頃からどこにいても注目され、男女問わず人気がある。
欲しいものは何でも手に入りそうな彼女だが、本当に欲しいものは自分のものにはならない。欲しいすら言えない。長い長い片想いは成就する見込みはなく半分腐りかけているのだが、なかなか捨てることができずにいた。
血の繋がりはない、兄の八重嶋公亮(33)は、未婚だがとっくに独立し家を出ている。
公亮の親友で、碧とは幼い頃からの顔見知りでもある、斎木丈太郎(33)は、碧の会社の近くのフレンチ店で料理人をしている。お互いに好き勝手言える気心の知れた仲だが、こちらはこちらで本心は隠したまま碧の動向を見守っていた。
僕《わたし》は誰でしょう
紫音みけ🐾新刊2月中旬発売!
青春
※第7回ライト文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
交通事故の後遺症で記憶喪失になってしまった女子高生・比良坂すずは、自分が女であることに違和感を抱く。
「自分はもともと男ではなかったか?」
事故後から男性寄りの思考になり、周囲とのギャップに悩む彼女は、次第に身に覚えのないはずの記憶を思い出し始める。まるで別人のものとしか思えないその記憶は、一体どこから来たのだろうか。
見知らぬ思い出をめぐる青春SF。
※表紙イラスト=ミカスケ様
☘ 注意する都度何もない考え過ぎだと言い張る夫、なのに結局薬局疚しさ満杯だったじゃんか~ Bakayarou-
設楽理沙
ライト文芸
☘ 2025.12.18 文字数 70,089 累計ポイント 677,945 pt
夫が同じ社内の女性と度々仕事絡みで一緒に外回りや
出張に行くようになって……あまりいい気はしないから
やめてほしいってお願いしたのに、何度も……。❀
気にし過ぎだと一笑に伏された。
それなのに蓋を開けてみれば、何のことはない
言わんこっちゃないという結果になっていて
私は逃走したよ……。
あぁ~あたし、どうなっちゃうのかしらン?
ぜんぜん明るい未来が見えないよ。。・゜・(ノε`)・゜・。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
初回公開日時 2019.01.25 22:29
初回完結日時 2019.08.16 21:21
再連載 2024.6.26~2024.7.31 完結
❦イラストは有償画像になります。
2024.7 加筆修正(eb)したものを再掲載
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる