悪役令息なのでBLはしたくないんですけど！？

3

「覚えていない，のですか？！一ミリもですか？」

「あぁ，一ミリもだ」

あり得ないと言わんばかりの顔をセバスはした。

「医者を医者を呼んできます！」

「いや，医者は別に呼ばなくても……」

医者を呼ばなくてもいいを言い切る前にセバスは先程のメイド並みの速さで医者を呼びに行った。

しばらくして医者を連れてきたセバスが戻ってきた。

「えー頭を打った衝撃で一時的な記憶喪失になっています。おそらくお父上以外にもお忘れになっておられます」

「困りましたね。記憶喪失はいつ頃治るのですか？」

「私にもわかりません。何が記憶を思い出すきっかけを作れば思い出すかもしれません。私が出来ること此処までです。侯爵様の肖像画を見せるなり，本を読ませるなりさせればいいかと，では失礼します」

なんだろう。この医者俺になんか冷たいような気がする。

「御坊ちゃま，セバス今すぐアーヴェル様の肖像画をお持ちします」

「うん？」

いや，その前にこの世界について教えてー！



「こちらが御坊ちゃまのお父上のアーヴェル様でございます」

ふむ，なるほど。父親似ではないことだけはわかった。
　俺ゲームやってないからわからないな。
妹がこのゲームについてよく俺に話てだけど聞いてるフリしかしてなかったしな俺。

クソッ！俺のバカッ！！ちゃんと妹の話を聞いとけばよかった。今悔やんでも仕方がない。今目の前にいるセバスという男にこの世界について聞こう。

「ゼバス，聞きたいのだが——」