VRMMOの世界で薬屋を開いたレベル1の薬師

永遠ノ宮

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売り上げを伸ばしながらクエスト

お客様からの声

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「【ドラッグ 一番屋】でポーションやお薬等いかがですかー?」
「回復ポーション、毒ポーションなどの援護系や前線での攻撃系を沢山取り扱っておりまーす!」

 「営業中」のプレートに切り替え、ルルさんと霧ちゃんのダブル看板娘による呼び掛けが始まった。
 掛け声に気づき、常連さんが沢山入ってきた。
 昨日お店を閉めていたから、ポーションの補給ができなくて困っていた人いたよね。
 そう思うと、やっぱりできるだけ毎日開けておくためにも必要なのはお客様のは入りだよね!

「いやいやー! 今日は開いてて良かったでー!」
「毎日ありがとうございます、レシーバさん! ポイントサービスです」
「お! すまなんなほんと」

 常連さんをこのような調子で接客していく。
 姉はポーションを置いてくれているお店への補充に行っているため、レジは私とカチーシェさんの2人で回している。
 裏では、アグナさんとカイトさんが転送ショッピングでの注文管理と転送作業を素早く行ってくれている。

「上手に回せているけど、まだまだお客の入りは変わってないね」
「本当ですねー。もうちょっと入ってくれるといいんですけど……。──いらっしゃいませ! ポイントカードはありますか?」
「今日始めて来たので作ってください。それにしても、鍛冶屋で見つけたポーションを買って使ったところあまりにも優秀でね!」
「本当ですか!? ありがとうございます!」

 新規のお客様が、鍛冶屋でポーションを知り、購入に来たと言ってくれた。
 私とカチーシェさんは、お互いに顔を見合わせて笑顔になった。
 ポイントカードを渡し、商品を袋に入れて渡す。
 すると、嬉しい一言を貰えた。

「君達、元気あって気に入ったよ。またすぐに来るね」
「はい! お待ちしております!」

 少し曲がった背中を見送り、お客様が出て行くとカチーシェさんが飛びついてきた。

「やったー! やったよリミアちゃん!」
「わぁぁあ! びっくりしましたよカチーシェさん! この調子で次々行きますよー」

 私が鼻の穴を広げてフンッとやる気の鼻息を出すと、カチーシェさんも真似をして鼻息を出した。
 カチーシェさんがレジに戻ると、すぐにお客様が会計に来て「~でポーションを見たから本店に来たんだよな!」と、また新規の方だった。
 カチーシェさんの接客を横目で見ていた私のところにもすぐに新規のお客様が来た。

「テリヌちゃんところで見たから来てみたんだけど、とても魅力的で惹かれたよ」
「テリヌさんのところで見てくれたのですか? うちのポーションは、自家生成ですので質は最高ですのでよければまた来てください!」
「そのつもりですよ! 明日も来ますね!」

 明日も来ると言ってくれた若い騎士さんが袋をぶら下げてお店から出ていく。
 そしてまた、初めて見るお客様が入ってきた。
 
「いらっしゃいま──」

 と、私が言いかけたところで霧ちゃんが大慌てで店内に飛び込んできた。
 私は思わずレジから飛び出し、転けそうになった霧ちゃんを受け止めて聞いた。

「どうしたの霧ちゃん!?」
「今聞いたんですけど……ハァハァ……。今すぐ高音さんとアグナさんを接客に回してください! 大量にお客様が来ます!」

 大量に……お客様が来る? どこから聞いたのだろう。
 私は不思議に思い、お店の外へ出ようと入り口のドアに手を掛けると──ゴツンッ! 勢い良く何かにぶつかった。

「いたた……。はぁっ! 大丈夫ですか!?」
「治癒で瞬間治療したので平気ですよー? それより準備をしたほうがいいですよ? 人がアジの群れのように来まーす!」
「……可憐さんもですか? そんなことは──アグナさん支給レジを!」
「え!? あ……なんだ鼎。……──了解した!」

 私に呼ばれて裏から出てきたアグナさんが、私の頭に顎を乗せて街の北方向を見てすぐにエプロンに着替えに走った。
 北方向からは、沢山の冒険者(プレイヤー)が歩いて来ている。
 霧ちゃんと可憐さんの言っていることが正しければ、こちらへ向かってくる集団の目的地は私達のお店となる。

「繁盛してるかい?」
「おかげさまで少しお客様が増えて……リリーミさん!」
「お買い物と挨拶に来たよー!」

 声を掛けられた私が後ろを振り返ると、マントを被ったリリーミさんが立っていた。
 ドアにへばりつくような形で立っている私を、リリーミさんは店内へと連れ戻して会計をするように促す。
 リリーミさんも買ってくれるなんて。リリーミさんって実はいい人だったりして。

「アドバイスの中身を理解したみたいで良かったー! また来たいからポイントカード作ってねー」
「パトロールで来ているのにいいんですか? 呑気にお買い物していて」
「いいのいいの! はーい5万ロト! それと、挨拶なんだけど……私、1ヶ月ほど会えなくなるんだよね。イタリアに行かなきゃで」

 ……イタリア。
 このゲーム、【ディーヴェルクオンライン】制作会社があるのはイタリアだったはず。
 イタリアへ行くと言うことは、多分ゲーム関係でお仕事か何かあるからだろう。
 リリーミさんも大変だよね。でも、国を飛ぶ仕事についているってことは……お給料とんでもなかったりして。

「お仕事ですか?」
「そんなところ! じゃあまた帰ってきたらすぐに来るから頑張ってねー!」

 リリーミさんは、また飛行機のように腕を羽のように伸ばして走って帰っていった。
 ちなみに恥ずかしいけれど、リリーさんのフルネームを2日前に覚えることができた私です。
 と、そんなことよりもあの集団が入ってきた!

「いらっしゃいませー!」
「はーい! こちらですねー! 次の方どうぞ!」
「ありがとうございました! 次の方どうぞー!」

 集団は店内に入りきらず、長蛇の列ができた。
 そしてまた、私達のお店には活気が戻った。
 
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