泡になって消えようとしたら麗しの海神様が溺愛してきて溺れそうです

蜜星ミチル

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どうやら私も規格外の年齢だったようです


前世の知識をフル回転させて考えてみると、海神様はその名の通り神様だからかなりの長寿なのかもしれない。

「あの、とっても失礼なことをお聞きしますが。ケイ兄様は今、おいくつですか?」
「私に年齢という概念はありませんので、わかりませんね。ただ、この世界が生まれたばかりの頃から記憶がありますので……」
「ケイ兄様は、規格外の国宝級イケメンなのですね!ちなみに私は今、何歳くらいなのでしょうか?」
「ああ、可哀想なラナ。人間になって、自分の歳がわからなくなってしまったのですね……。君は今年で丁度、二百歳ですよ」
「にっ……‼」
「人魚で言えば結婚適齢期ですね」 

どうやら私も規格外の年齢だったようです。
そう考えると、短命の人間になりたいと言っていた私は、周りからすると死にに行く愚かな人魚だったのかもしれない。そりゃ、お母様やお姉様達に大反対されるわけだわ。

「ラナ。そろそろキスの時間ですよ」
「あ、もうそんな時間?すっかり忘れて、泡になってしまうところで……ケイ兄様。そのお薬の時間ですよみたいな言い方はやめて……っ」

最後まで注意できずにケイ兄様にキスをされてしまった私は、そっと受け入れるように瞳を閉じた。ケイ兄様とキスをしなければ、私は魔女クラーケンとの契約通りに泡になって消えてしまう。

初めは最悪なタイミングで異世界転生してしまったからと、泡になることを受け入れていたけど……

(麗しい海神のケイ兄様と、毎日キスができるなんて……最高では?)

前世の私は色々な書店巡りをしたり、休みの日には本屋さんの棚卸まで手伝ったりするほどの超が付くほどの本好きだったんだけど。本の中でも、とくにロマンスファンタジーが大好きだった。

(前世では絶対にできないだろう海の世界で、素敵な海神様とドキドキワクワクな恋愛をしてみたい‼)

それに、前世の私でも知らない人魚姫の世界をもっと知りたい。ラナとして、懐かしい大海原を自由気ままに泳ぎ回りたいと思う。
そう瞳を輝かせて物思いにふけっていると、済んだはずのキスが私の唇に落ちてきた。

「ケイ兄様、もうキスしたのに……‼」

不意打ちのキスをされてしまい、落ち着きかけていた胸のドキドキがぶり返してきた。
前世よりの思考だけど、今世のラナとして未だにケイ兄様は実の兄のような存在なのだ。

『麗しい海神様に愛されたい!』けれど『ケイ兄様と愛し合うなんてダメよ!』という二つの思考がせめぎ合っていてまったく身動きが取れない。
そんな私を優しく抱き寄せて額、鼻先、頬とリップ音付きのキスを落としていくケイ兄様にジト目になる。

「ラナ。君が、私だけしか見られないように愛してあげますからね。なんせ、君は私の唯一無二の愛する番なのですから。覚悟してください」
「はぅ!そんな麗しい顔で、私を誘惑しないでケイ兄様。胸がキュン死寸前だよ‼」

強すぎるケイ兄様の色気に当てられた私は、ケイ兄様の腕の中で失神してしまったのであった。

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