朝日に捧ぐセレナーデ 〜天使なSubの育て方〜

沈丁花

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第二部

冬の日のお出かけ(静留side)

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「寒いからこれに着替えようね。」

買い物から帰宅後、いつも通り東弥のシャツに着替えようとした静留に柔らかな布が渡された。

広げてみるとそれは先ほど東弥が購入していたワンピースタイプの部屋着で、静留はその触り心地の良さに思わず頬を擦り付ける。

__気持ちいい…。

「着方はわかる?」

頭を撫でながら尋ねられ、静留は顔を上げ首を横に振った。

「…えっと、…わからない…。」

「じゃあ一緒に着替えようね。」

「うん!」

触り心地の良い部屋着に着替えられることが嬉しくて明るい声を上げた静留を東弥は愛おしげに目を細め見つめる。

「静留、ほら、ばんざいして。」

しかし東弥にそう言われたあとあることに気がついてしまい、静留は右往左往に視線を泳がせた。

__ばんざいして脱いだら、はだかになる…。

「うぅっ…。」

前までは上半身を晒しても恥ずかしくなかったはずなのに、今はあの日東弥に甘い言葉とともに何度も唇を落とされたことや今朝胸の突起に悪さをされたことを思い出してどうしても晒すことを躊躇ってしまう。

「ほら、静留、ばんざいして。お着替えできないよ?」

けれどもう一度優しいglareを放ちながら命令され、静留は真っ赤になりながら恐る恐る東弥の前で万歳をした。

「いい子。」

__うれしい。

静留は褒められた喜びに思わず口元を綻ばせる。

東弥が静留の着ているニットの裾に手をかけて中に着ているシャツごと上を持ち上げれば、上半身が冷気に晒される。

寒さに肌を刺されながらも東弥の前で肌を晒していることを意識したせいで中からはじんわりと熱くて、どうしていいかわからず静留は固まってしまった。

__どきどき、うるさい…。

あの日東弥とclaimの準備をしてからは余計に東弥が格好良く見えるようになった。

これ以上格好良くなって、いつか心臓が身体から飛び出てしまうのではないかと不安になる。

そうこうしているうちに上から部屋着を着せられ、ワンピースの裾で下が隠れた後で中のスキニーを取り去られ、かと思うと突然身体が宙に浮いた。







「???」

ばんざいしたまままだ手を下ろしていない静留は、東弥に抱き上げられていることに気がつき混乱する。

ひとまず彼の背中に手を回せばソファーまで連れて行かれ、東弥の膝の上に向かい合うようにして座らされた。

「?????」

東弥が何も言わないので彼の行動の意図がわからず、静留はたくさんの疑問符を頭に浮かべる。

先ほど東弥に肌を晒した羞恥などは忘れ、首を傾げながら、愛おしげに細められたダークブラウンの瞳をじっと覗いた。

彼は部屋着の胸元に付いている二つのポンポンを掬い上げたり静留の顔を見たり腰の辺りを触ったりという謎の行動を繰り返した後、再び静留をぎゅっと抱きしめ頭をわしゃわしゃと撫で始める。

東弥の温もりが気持ちよく、頭を撫でられて幸せだ。

…幸せだけれども。

「…東弥さん、どうしたの…?ぼく、なにかした…?」

あまりに疑問が大きくなったので耐えかねて尋ねれば、彼は静留の肩に顔を埋めた。

「…部屋着、似合ってて本当に可愛い…。静留が可愛すぎてどうしよう…。大好きだよ、静留。」

低く甘い声が鼓膜を震わせ、その内容にあまりにも驚いて静留は彼の膝の上でぴょんと身体を跳ねさせる。

__また熱くなる…。

「あのね、…そろそろれんしゅう、してくる…。」

顔が真っ赤になるのを東弥に悟られてしまわないようにそう言うと、彼は名残惜しそうにしながらも静留の身体から手を離した。

触れていた部分が急に室温にさらされ寂しくなるのをぐっと堪え、静留は彼の膝から降りる。

__かわいいはよくいわれるけど、今日はだいすきも言ってもらえた…。

ピアノの方へと歩く間、嬉しさとどきどきする感情で胸がいっぱいになり、思わず両手で口を押さえた。

それからその部屋着が静留のお気に入りになったことは、言うまでもない。
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