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第二部
幸せなクリスマス②(東弥side)
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リビングのツリーにお菓子のオーナメントを飾りながら静留が鼻歌を囀っている。
雪だるまのクッキーとクマの形のビスケットをそれぞれの手に持ちどちらを飾ろうかと真剣に悩んでいる姿があまりにも可愛くて、東弥はたまらずその身体を背中から抱きしめた。
「??」
振り返った彼が驚いたようにオニキスの瞳を見開きぱちぱちと瞬く。
しかし彼はすぐに頬をふっと緩ませ、愛らしく笑みながら唇を開いた。
「東弥さんは、どっちがいいとおもう?ここのね、キャンディーのとなりにかざるの。ゆきだるまさんはあまいの食べないかな?」
彼の指差す方を見ると小さなキャンディーケインが飾られている。
ビスケットのクマがキャンディーを食べるだなんてそんな発想はなかった。思わず口元が綻ぶ。
「東弥さん…?」
__…限界。
衝動に駆られ首を傾げじっとこちらを覗く彼の唇を奪えば、白い頬がほの赤く染まり、濡羽色の瞳が小さく潤んだ。
「んっ…。」
そのまま舌を強く絡ませるとあえかな吐息が隙間から漏れる。
これ以上続けたら理性が壊れる、その寸前のところで東弥は唇を離した。
「雪だるまさんもクマさんもきっとキャンディーが好きだとおもうから、キャンディーの両隣に飾るのはどうかな?」
小さな頭を撫でながら先ほどの問いかけへの返答を示す。
静留はそれを聞いて先ほどまで真っ赤だった顔を無邪気にぱっと輝かせ、何事もなかったように嬉しそうに飾り付けに戻った。
もちろんクマと雪だるまは東弥の言った通りキャンディーケインの両隣に飾り、さらに他にもウサギやジンジャーマンクッキーなどをお菓子の近くに飾るから本当に微笑ましい。
ツリーの頂点には静留の背丈では届かなかったので、東弥が抱っこして2人で星型のアイシングクッキーを乗せた。
そして飾り付けが終わると静留はピアノの椅子に座り、クリスマスらしい曲を奏で始めて。
どの曲も少しずつ聞いたことがあるものと違って聞こえるのは、おそらく彼のアレンジだろう。
鍵盤に笑いかけながら軽やかに指を動かす様は、さながら妖精のように可憐で美しい。
窓の外には雪が降っている。
もしも明日積もったなら、今はまだ隠してあるプレゼントを纏った静留と外で遊べるだろうか。
雪よりもずっと煌びやかで美しい音色に耳を傾けながら、東弥はふとそんなことを考え、目を細めた。
静留がピアノを弾いている間に作ったクリスマスメニューは、彼が入浴している隙に急いでテーブルに並べた。
せっかくのクリスマスだからサプライズを用意したくて張り切って作ってみたのだが、驚いてくれるだろうか。
彼のきょとんとした表情を想像しただけで東弥の胸はじんわりと温かくなる。
「東弥さん、おようふくきれた。」
「おっ、すぐ行くから待っていて。」
「うん!」
愛らしい声に呼ばれ脱衣所に入ると、東弥を瞳に映した静留が柔らかい微笑みを浮かべた。
室内にはシャンプーの甘い香が充満している。
__本当に艶っぽくて困るな…。
理性を駆使して欲望を抑えながら静留の髪の毛を丁寧に乾かし、優しく首にリボンを巻いたあとで手を繋いで外に出た。
少しして静留が足を止め、瞳を大きく開けパチパチと瞬く。
彼の視線の先にはテーブルの上に並べられた料理があり、東弥はその反応に笑みを溢す。
__よかった、嬉しそうにしてくれて。
「すごい!ごちそう、きれい…!!」
「喜んでくれて嬉しいよ。早速食べようか。」
「うん!東弥さん、ありがとう。」
テーブルに隣り合わせに座りいただきますをする。
メニューはラザニア、キッシュ、ローストビーフ、サラダ。
静留が鶏肉嫌いなのでチューリップチキンは作っていない。
「静留、口を開けて。」
フォークですくったラザニアを冷ましてから静留の口に入れると、彼はキラキラと目を輝かせ、そのままほっぺたに両手をあてた。
「おいひい。」
幸せそうな声で紡がれれば、東弥の方が幸せな気分になる。
__クリスマスって、こんなに楽しいものだったのか。
多くの女子から誘いがかかり面倒なだけだった過去のクリスマスの記憶を辿り、何だか不思議な心地がした。
もちろんクリスマスだけではない。
静留と過ごす日々の中ではどんなイベントだって幸せな満ちている。
というよりむしろ、イベントごとというのが彼を幸せにするために何かをするきっかけに過ぎないのかもしれない。
「あのね、東弥さん。」
「ん?どうしたの?」
ふと改まった口調で静留が紡ぎ、そのまま席を立ってピアノの方から何かをもってきた。
緑の包装紙に赤いリボン。クリスマスカラーのそれは、プレゼントの包みのように見える。
「…梨花とえらんだの。いつものおれいがしたくて。」
「静留が?」
「うん。」
「開けてもいい?」
「うっ、うん!」
緊張した面持ちで静留が見守る中丁寧に包装を解けば、中からはワイヤレスのイヤホンとQRコードの描かれた紙が出てきた。
イヤホンの方は欲しかったがかなり値が張るので手が伸びなかったものだ。
QRコードは説明書だろうか。
「すごい、嬉しい。このイヤホン、欲しかったんだ。どうしてわかったの?」
驚きと喜びを素直に示せば、今度は静留が驚いたような表情を浮かべる。
「ほんとう!?…あの、ね、東弥さんがほしかったのはしらなくて……その、…曲を、ね、…ぅー…。」
なぜか言葉の途中で顔を赤くして俯いてしまった静留に、東弥は優しく口づけを落としてから弱いglareを放った。
「Say, 静留。」
commandで言葉を促せば、彼はQRコードの描いてある紙を指差す。
「…それ、東弥さんのために僕がつくって弾いた曲なの…。きれいな音できいてほしくて、イヤホンを…。」
__俺のために、曲を…?
あまりの驚きに言葉を失った。
プロのピアニストである彼からの、曲のプレゼント。
そんな素晴らしいものを、もらってしまっていいのだろうか。
「俺のために曲を作ってくれただなんて、本当に嬉しいよ。最高のプレゼントをありがとう。俺は世界一幸せだね。」
思わずその身体を抱きしめて執拗に頭を撫でる。
東弥の反応を見た静留は緊張した面持ちをふわりと和らげ、やがて花開くような笑みを浮かべた。
「じゃあ、俺からはこれを。」
サンタさんのように夜こっそり枕元に置いた方がいいのかもしれないとも思ったが、このタイミングで自分だけ渡さないのも忍びないので東弥からも予め用意しておいたプレゼントを渡す。
「うさぎさん、かわいい…!」
包みを開けた静留は興奮した様子で高い声を上げた。
中身はウサギをモチーフにした白い手袋とマフラー、耳当てのセット。
かわいいと言う彼の方がプレゼントよりもずっと可愛らしい。
静留はそのうちのマフラーにもふっと顔を埋めると、“あったかい”、とくすぐったそうな笑みを浮かべる。
2人で顔を見合わせて笑い合いながら過ごす夜は柔らかく温かく、この時間すら神様からの贈り物だと、普段神様なんて信じない東弥にすらそんなことを思わせた。
雪だるまのクッキーとクマの形のビスケットをそれぞれの手に持ちどちらを飾ろうかと真剣に悩んでいる姿があまりにも可愛くて、東弥はたまらずその身体を背中から抱きしめた。
「??」
振り返った彼が驚いたようにオニキスの瞳を見開きぱちぱちと瞬く。
しかし彼はすぐに頬をふっと緩ませ、愛らしく笑みながら唇を開いた。
「東弥さんは、どっちがいいとおもう?ここのね、キャンディーのとなりにかざるの。ゆきだるまさんはあまいの食べないかな?」
彼の指差す方を見ると小さなキャンディーケインが飾られている。
ビスケットのクマがキャンディーを食べるだなんてそんな発想はなかった。思わず口元が綻ぶ。
「東弥さん…?」
__…限界。
衝動に駆られ首を傾げじっとこちらを覗く彼の唇を奪えば、白い頬がほの赤く染まり、濡羽色の瞳が小さく潤んだ。
「んっ…。」
そのまま舌を強く絡ませるとあえかな吐息が隙間から漏れる。
これ以上続けたら理性が壊れる、その寸前のところで東弥は唇を離した。
「雪だるまさんもクマさんもきっとキャンディーが好きだとおもうから、キャンディーの両隣に飾るのはどうかな?」
小さな頭を撫でながら先ほどの問いかけへの返答を示す。
静留はそれを聞いて先ほどまで真っ赤だった顔を無邪気にぱっと輝かせ、何事もなかったように嬉しそうに飾り付けに戻った。
もちろんクマと雪だるまは東弥の言った通りキャンディーケインの両隣に飾り、さらに他にもウサギやジンジャーマンクッキーなどをお菓子の近くに飾るから本当に微笑ましい。
ツリーの頂点には静留の背丈では届かなかったので、東弥が抱っこして2人で星型のアイシングクッキーを乗せた。
そして飾り付けが終わると静留はピアノの椅子に座り、クリスマスらしい曲を奏で始めて。
どの曲も少しずつ聞いたことがあるものと違って聞こえるのは、おそらく彼のアレンジだろう。
鍵盤に笑いかけながら軽やかに指を動かす様は、さながら妖精のように可憐で美しい。
窓の外には雪が降っている。
もしも明日積もったなら、今はまだ隠してあるプレゼントを纏った静留と外で遊べるだろうか。
雪よりもずっと煌びやかで美しい音色に耳を傾けながら、東弥はふとそんなことを考え、目を細めた。
静留がピアノを弾いている間に作ったクリスマスメニューは、彼が入浴している隙に急いでテーブルに並べた。
せっかくのクリスマスだからサプライズを用意したくて張り切って作ってみたのだが、驚いてくれるだろうか。
彼のきょとんとした表情を想像しただけで東弥の胸はじんわりと温かくなる。
「東弥さん、おようふくきれた。」
「おっ、すぐ行くから待っていて。」
「うん!」
愛らしい声に呼ばれ脱衣所に入ると、東弥を瞳に映した静留が柔らかい微笑みを浮かべた。
室内にはシャンプーの甘い香が充満している。
__本当に艶っぽくて困るな…。
理性を駆使して欲望を抑えながら静留の髪の毛を丁寧に乾かし、優しく首にリボンを巻いたあとで手を繋いで外に出た。
少しして静留が足を止め、瞳を大きく開けパチパチと瞬く。
彼の視線の先にはテーブルの上に並べられた料理があり、東弥はその反応に笑みを溢す。
__よかった、嬉しそうにしてくれて。
「すごい!ごちそう、きれい…!!」
「喜んでくれて嬉しいよ。早速食べようか。」
「うん!東弥さん、ありがとう。」
テーブルに隣り合わせに座りいただきますをする。
メニューはラザニア、キッシュ、ローストビーフ、サラダ。
静留が鶏肉嫌いなのでチューリップチキンは作っていない。
「静留、口を開けて。」
フォークですくったラザニアを冷ましてから静留の口に入れると、彼はキラキラと目を輝かせ、そのままほっぺたに両手をあてた。
「おいひい。」
幸せそうな声で紡がれれば、東弥の方が幸せな気分になる。
__クリスマスって、こんなに楽しいものだったのか。
多くの女子から誘いがかかり面倒なだけだった過去のクリスマスの記憶を辿り、何だか不思議な心地がした。
もちろんクリスマスだけではない。
静留と過ごす日々の中ではどんなイベントだって幸せな満ちている。
というよりむしろ、イベントごとというのが彼を幸せにするために何かをするきっかけに過ぎないのかもしれない。
「あのね、東弥さん。」
「ん?どうしたの?」
ふと改まった口調で静留が紡ぎ、そのまま席を立ってピアノの方から何かをもってきた。
緑の包装紙に赤いリボン。クリスマスカラーのそれは、プレゼントの包みのように見える。
「…梨花とえらんだの。いつものおれいがしたくて。」
「静留が?」
「うん。」
「開けてもいい?」
「うっ、うん!」
緊張した面持ちで静留が見守る中丁寧に包装を解けば、中からはワイヤレスのイヤホンとQRコードの描かれた紙が出てきた。
イヤホンの方は欲しかったがかなり値が張るので手が伸びなかったものだ。
QRコードは説明書だろうか。
「すごい、嬉しい。このイヤホン、欲しかったんだ。どうしてわかったの?」
驚きと喜びを素直に示せば、今度は静留が驚いたような表情を浮かべる。
「ほんとう!?…あの、ね、東弥さんがほしかったのはしらなくて……その、…曲を、ね、…ぅー…。」
なぜか言葉の途中で顔を赤くして俯いてしまった静留に、東弥は優しく口づけを落としてから弱いglareを放った。
「Say, 静留。」
commandで言葉を促せば、彼はQRコードの描いてある紙を指差す。
「…それ、東弥さんのために僕がつくって弾いた曲なの…。きれいな音できいてほしくて、イヤホンを…。」
__俺のために、曲を…?
あまりの驚きに言葉を失った。
プロのピアニストである彼からの、曲のプレゼント。
そんな素晴らしいものを、もらってしまっていいのだろうか。
「俺のために曲を作ってくれただなんて、本当に嬉しいよ。最高のプレゼントをありがとう。俺は世界一幸せだね。」
思わずその身体を抱きしめて執拗に頭を撫でる。
東弥の反応を見た静留は緊張した面持ちをふわりと和らげ、やがて花開くような笑みを浮かべた。
「じゃあ、俺からはこれを。」
サンタさんのように夜こっそり枕元に置いた方がいいのかもしれないとも思ったが、このタイミングで自分だけ渡さないのも忍びないので東弥からも予め用意しておいたプレゼントを渡す。
「うさぎさん、かわいい…!」
包みを開けた静留は興奮した様子で高い声を上げた。
中身はウサギをモチーフにした白い手袋とマフラー、耳当てのセット。
かわいいと言う彼の方がプレゼントよりもずっと可愛らしい。
静留はそのうちのマフラーにもふっと顔を埋めると、“あったかい”、とくすぐったそうな笑みを浮かべる。
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