【宝の鍵~金の王子と銀の王子~】本編 元平凡女性のイケメン王子は執着心強めな兄に溺愛される

月城はな

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第十五章 試練

11-1 リュセルの陰の日①

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「おえッ……おぇッ、ゲホッッ、ゴホゴホッ」

 同胞達が休みに入る中、リュセルは休むどころじゃない状況に陥っていた。

 ともかく、気持ちが悪い。目の前がグラグラしていて焦点は合わない上、吐き気がひどいのだ。

 あの後……、異世界から再帰還した後、セイントクロスの泉で気分が悪くなってから、気がつけば見知らぬ場所の寝台上に運ばれていたが、リュセルはずっと用意された器の中に顔を突っ込んで、胃の中のものを吐き出していた。

 もう吐くものがなくて、胃液しか出て来ない……。

 発熱もしているらしく、体のあちこちが痛む。

 あまりの体調の悪さに周囲の事を認識出来なくなっているリュセルだったが、吐き続ける自分の背を優しくさする己が半身の手の温もりだけが救いだった。

 何を言っているのかは分からないが、優しい響きの落ち着いた声がする。おそらく、自分の名を呼んでいるのだろう。それだけで、原因不明の苦痛にも、リュセルの心は耐える事が出来た。


 吐いて吐いて

 眠って

 吐いて吐いて

 眠って

 そして、また

 吐いて吐いて

 眠る


 地獄のような苦しみに三日三晩耐え抜いた後。

 ようやく吐き気が治まり、意識が正常なものに戻ったのである。



「…………?」

 目覚めると同時に、リュセルの目に飛び込んできたのは夜空だった。

(外?)

 背中に感じるのは、柔らかな寝具の感触。極上の寝心地の寝台だ。……という事は、自分は野外に設置された寝台に寝かされているという事なのか? そんな馬鹿な!?

「ああ、駄目だよ」

 近くでリュセルの目覚めを確認していた兄が、一気に起き上った弟を注意する。

「……ッ?」

 頭がクラクラしてその場に手をついたリュセルの肩を抱いて、背後にある枕にその背をもたれさせる。

「お前は、普通の人間だったら死んでしまってもおかしくないような高熱を出していたんだよ。そんなに勢いよく起き上ったらフラフラするだろうに」

 そう言いながら、弟の額に右手の乗せた。完全に平熱になってはいないが、微熱までには下がったようだ。

「白湯だよ。飲めるかい?」

 リュセルが頷くのを見たレオンハルトは、その体を支えてやりながら、用意されていた白湯を飲ませる。

「ここはどこだ?」

 水分をとって落ち着いたリュセルは、そう尋ねながら周囲を見回した。

 周囲に広がる大きな木々。それは、絵画やレリーフなどでよく目にする、レイデの木と呼ばれる神聖な木々である。そのレイデの森の中、大きく開けた場所にリュセルの眠っていた寝台が在るのだ。寝台の近くには、小さなサイドテーブルとレオンハルトが腰かけている椅子。少し離れた場所にはテーブルとソファが置かれていた。

 はっきり言って、異様な光景である。

「ここは、陰の間だよ。私達は再び扉の向こう側の世界にいる。お前の症状は重く、時間がかかりそうだったからね。時間の流れの遅いこちらで対処する事にしたのだ」

 陰の間?

 症状?

 対処??

 事情の分からないリュセルには、レオンハルトの言っている事が理解出来ない。

「食事がとれそうなら、何か軽いものを持って来よう。ああ、それと、腕のそれはとってはいけないよ」

 その言葉と共に遠ざかっていく兄の優美な後ろ姿を見送りながら、リュセルは右腕の肌に突き刺さる針がチューブのようなものを通して寝台の柵に括り付けてある木の枝に刺さっているのが分かる。

(なんだ? 点滴みたいなものか?)

「レイデの木の枝だ。神気を分けてもらっていた。お前はこの数日、食事をとれる状況じゃなかったからね。食事で得る栄養を神気で補ったのだよ」

 小さな白い器を持ってきたレオンハルトは、再び寝台横の椅子に腰かけると、器の中の粥を銀のスプーンで掬った。

「ほら」

 あーんしろと言わんばかりにスプーンを自分に差し出す兄を見たリュセルは、口元をヒクつかせる。

「いい年した男が、病気だからって、ほら、あ~ん、わ~い、パクっ、なんて出来るか!」

 自分の手から器とスプーンを奪い、一人で粥を食べ始めたリュセルを見ながら、レオンハルトはほっと息を吐き出した。

「それだけ元気なら、もう大丈夫だな。今の状況の説明は後でしてあげるから、食べ終えたら、もうしばらく、何も考えずに休みなさい」

 乏しい表情の中、安心したように琥珀の瞳を和ませるレオンハルトにリュセルは伝える。

「……別れを言って来た」

「そうか」

 唐突な弟の言葉にも、レオンハルトは小さく頷いただけだった。

「礼も言ってきた」

「ああ」

 何に対しての別れと礼か、レオンハルトには分かっていた。

「すべてに決別してきたんだ」

「それは、辛かったね」

 レオンハルトの淡々とした答えに、リュセルは最後、子供のように小さく頷いて下を向く。

 異世界(故郷)への郷愁に、肩を震わせ、声を押し殺して泣く半身の心を労わるように、レオンハルトはその背を優しく撫でたのだった。







 それからのリュセルは、レイデの木から受け取る神気の影響か、みるみる内に体力を回復していった。普通の食事もとれるようになり、レイデの木からの神気の供給も必要なくなると、久しぶりに湯浴みがしたくなってしまう。ずっと寝たきりだった所為で、少々汗臭いような気がするのだ。湯浴みをしてすっきりしたかった。

「それなら、この奥に泉があるから汗を流してくるといい。温水だよ。それに…………」

 レオンハルトは寝台に腰をかけた状態の弟に顔を寄せ、眉をひそめる。

「そろそろだろうしね」

 端正な兄の顔を間近で見返したリュセルは、不思議そうに目を瞬かせた。

 そろそろ?

「場所はすぐ分かるよ。あちらに光る花が点在しているから、それを追って行くと泉に出る。後は向こうで色々やってくれるだろう」

「……? 分かった」

 本当はよく分かっていないが、そう頷いたリュセルは、寝台を下りて絨毯の上に足を下ろす。そして、用意されていた履物を穿くと、レオンハルトが指差した方向に歩きだした。

 不可思議な紋様の描かれた白地の絨毯が敷かれているのは、寝台の周囲とテーブルやソファのある場所の周囲だけで、そこを出ると地面は本物の土にある。

(どう見ても、どっかの森の中っていう雰囲気なんだが、これが部屋の中っていうんだからな。……意味分からん)

 それも、ずっと夜である為、周囲を照らすのは白銀の月の光のみだ。月の明かりだけでも、互いの存在を確認したり、食事をする分には十分なのだが、生活区域である寝台周辺には、光石の乗った小さなランプが設置されていた。眠ろうとすると、月の光を遮断する為にいきなり天蓋が現れるし、この部屋内は何でもありな空間なのだろうか?

 そんな事を考えながら、足元に咲く小さな花の光を追って森の中に入ると、小さな泉が現れた。

「おお、本当だ。温泉だな」

 そう感嘆の声を上げると、不意に少年の声が響く。

「お待ちしておりました、神子様」

「え……?」

 まるで泉の精であるかのように唐突に現れたのは、見た事もないような美しい少女。

 肩先まで真っ直ぐに伸びた胡桃色の髪。つぶらな琥珀色の瞳。白い柔肌に薄紅色の唇。身に纏うのは、宝鍵達の正装にもよく似たゆったりとした白地の衣装。ただ、被衣はなく、その代わりにレイデの葉を編んで作られた葉冠を被っていた。

 国を滅ぼしかねないような、極上の美少女。

 その顔にリュセルは覚えがあった。

「レオン?」

 肖像画で見た事のある、兄の少年時代の姿だ。

「私はこの陰の間の管理人であり、ここを訪れる神子様方の世話係。名はありません。お好きなようにお呼び下さい」

 好きなように、……って。

「もし、呼び名が思いつかないようでしたら、レイデとお呼び下さいませ」

 レイデ? レイデの木のレイデ?

 リュセルが戸惑っている間にも、少年の細い腕が伸び、夜着を脱がしていく。

 世話係とは、小姓みたいなものなのか?

 そのまま産まれたままの姿になったリュセルを、衣服が濡れるのも構わずに泉の中でも浅い場所に導いた彼(?)は、目の前の体を洗い出した。

 少年時代の兄に体を洗われているようで、大変落ち着かない…………。

「あの、その姿は?」

「私の姿は、見る神子様によって異なります。大体、ご自身の半身の姿である事が多いようですが」

「そ……、ソウデスカ」

 という事は、リュセルのレオンハルトの姿で見えているというのは、まあ、一般的な現象なのだろう。

 でも、じゃあ、なんで、少年の姿なんだい?

「失礼します」

 混乱し、グルグルと考え込んでいるリュセルに断りを入れたレイデは、その場に膝をつき、リュセルの脚に手を滑らせる。

 肩から滑り落ちる胡桃色の髪。濡れた衣服からのぞく薄い胸板。薄紅色をしたそ胸の頂が目に入ると共に、リュセルの目は激しく泳いだ。絶世の美少女のような容姿をしているが、やはり、うん、当たり前だが、男の子だった。

 顔が熱い。頬が赤くなっているのが分かる。

 少年時代のレオンハルトは、想像以上に可愛らしくて清らかで、汚してやりたいような凶悪な気持ちにさせられた。

(ん? 汚す???)

 なんだか、思考が物騒な感じになってしまっているような気がする。湯浴みを済ませ、柔らかな布で体を拭かれていたリュセルは首を傾げた。

 まるで壊れ物を扱うかのように丁寧に、肌上の水滴を拭ったレイデは、用意されていた衣装を今度は着付け始める。

 今まで着ていた夜着ではなく、それは……。

 裾も袖もズルズルと長い、全体的にゆったりとしたデザインの白地の服、褐色の幅広の帯、金銀の装飾具、白い被衣に葉冠。自分用に作られたものとデザインの違いはあったが、それは宝鍵の正装衣装だった。

「な、な、なななんだ!? この衣装は!?」

「ここは、陰の間。本来なら、神子様方はこの正装衣でいなくてはならないのです。今まで貴方は、症状が重かった為、それを免除されていましたが、自由に動き回れる程回復されたのであれば、この姿で交わってもらわねばなりません」

 レイデがなんだか色々と話しているが、それを聞いていられるだけの余裕がリュセルからなくなってきていた。

 なんだか、湯から出たのに体が熱いのだ。頭の芯がぼうっとして、何も考えられなくなってくる。

「症状が出て来たようですね。戻れなくなる前に戻りましょう。ご案内します」

 そうしてレイデに手をひかれ、リュセルは元来た道を戻った。
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