【宝の鍵~金の王子と銀の王子~】本編 元平凡女性のイケメン王子は執着心強めな兄に溺愛される

月城はな

文字の大きさ
95 / 424
第七章 黄昏往く国

9-2 メルティス前王との対面

しおりを挟む
 
 それから、数十分……。


 ローウェンの部屋。その布団の上に、レオンハルトは強制的に肩に担ぎ上げて連れ去ってきた人物を投げ下ろした。

「ッ!? いきなり一体、なんなんだ!」

 衝撃に顔をしかめながらそう言ったのは、昨夜リュセルに無体を働こうとした人物だった。

「レイン兄上……」

 ローウェンが微妙な顔で青年の名を呼ぶと、リュセルも複雑そうな表情で、彼を連れてきた兄を呼んだ。

「本気か? レオン……」

「ああ、命を見逃してやったのだ。これ位、役立ってもらわなければ。私とて、出来るなら、こいつの顔など、視界に入れたくもないがね」

 怒りが再燃焼したのか、瞳の色をわずかに金の色に変え、自分を射殺しそうな目で睨んできたレオンハルトの顔を見つめ、レインは抗議の言葉をさすがに飲み込んだ。

 昨日の今日では、さすがに、目の前の麗しい兄王子の恐ろしさは消えていない。

「まあ、いいケドさ。じゃあ、レイン兄上。今日からしばらく、危篤状態の僕の身代わりをしててよ」

「はあ!?」

 意味が分からずに目を見開くレインを無視して、ローウェンは持っていた眼鏡の設定をした。

「設定対象は、僕ら以外全員って事でいいよね。……あっ、それから、服は対象外だから、レイン兄上には、ちゃんと赤い女性ものの着物を着せてね」

 その言葉と共に、無理矢理眼鏡をかけさせられたレインは、アルティスが片手に持っていた布に染み込ませた強力な眠り薬をかがせられて、その場に昏倒した。

「見た目、変わっていないようだが」

 レインの着物を赤い振袖(特注)に着替えさせているレオンハルトを見ながら、リュセルはそう言った。

「設定外の僕らには、普通に見えるんだよ。他の人達が見たら、僕に見えるはず」

「なる程」

 そして、レインの左目の上に白布を巻きつけて、布団の上に転がすと準備は完了したのだった。



*****



 それは、突然だった。


 サンジェイラ王国の第七王子であり、女神の息子でもある当代の玉主。ローウェン・レイデューク・サンジェイラの危篤という情報が、城中に広がったのだ。

 彼の存在、そのものを否定していた兄弟達だが、女神の息子の一人が失われるかもしれないこの非常事態に、不安を隠せない様子だった。

「どうして!? どうして、会わせてくれないの!?」

 ローウェンの部屋の前で、桜柄の振袖を身に纏った少女が、泣きながら医師らしい初老の男に詰め寄っていた。

「サクラ」

 何歳か年嵩らしい(本当はもっと上だが)少女が、サクラを後ろから抱きしめる。

「ユリエ姉様」

 涙でぐしゃぐしゃになった状態の妹を痛ましい目で見つめ、ユリエは城ではあまり見かけない目前の医師に弟の状態を尋ねた。

「ローウェンは、一体、どんな状況なのですか?」

「昏睡状態が続いており、とても危険な状態です。とてもお会いできるものではありません」

 医師の言葉を聞いて、サクラは泣き崩れた。

「あああぁ~、ロー兄様!」

 そんな姉妹の後ろでは、第二王子のアサギと、第四王子のシオン、第六王子のスカイが、複雑そうな表情で立ち尽くしていた。

「……原因が服毒だって、本当なのかな?」

 スカイの不安そうな声を聞いたアサギが、意外そうに、「おや?」っと器用に片眉を上げて驚きの声を上げた。

「心配? あれだけ嫌っていたローウェンの事が?」

「し、心配なんてしてないよ。ただ、産まれはどうであれ、あいつ、あれでも女神の息子だったワケだし……。玉主が死んだら、その国はどうなるの?」

 不安そうなスカイの言葉。アサギもシオンも答えを持たずにいる為、ただ黙り込む事しか出来なかった。

「リュセル王子はどう思います?」

 不意に、同じようにローウェンの部屋の前に立ち尽くしていたリュセルに声をかけたアサギは、彼の目に浮かぶ憂いの色に息を呑んだ。

「ローウェン」

 ローウェンを、実の兄弟たる自分達と違い、可愛がっていた様子の他国の王子は、隣にいた兄王子に支えられてその場を後にしようとした。

「リュセル王子。今日は朝からレインの姿が見えないのだけれど、行方を知らないかしら?」

 二人を見送ろうとした、この場にいたサンジェイラの王族の中で、ただ一人、ユリエが唐突にそう尋ねてきた。

「いえ、私達は知りません」

 項垂れた様子の弟に代わり、答えたレオンハルトをユリエは探るような目で見つめる。

「そう」

 しかし、すぐに興味が失せたように視線を逸らすと、ユリエは泣きじゃくるサクラの背をさすった。

(あなどれない人だ)

 レオンハルトが見た所、どうしようもない者の多い、このサンジェイラの王族の中で、一番頭が切れるのは、一見地味に自分を装っているユリエだ。

 その洞察力には、ひやっとさせられる事が多い。

 おそらく、彼女は、今、城下の街で何が起きているのかを正確に把握しているはず……。

(しかし、惜しいな)

 彼女が王子だったら。それとも、この国が、男女差別のないアシェイラやディエラのような国だったら。

(彼女なら、きっと、いい王になっただろう)

 それだけの器の持ち主だと、レオンハルトは、ずいぶんと昔、初めてユリエと対面した時から感じていた。


 ー初めてお目にかかります、レオンハルト王子。私は、サンジェイラ国第三王女、ユリエ・サンジェイラと申しますー


 そう言って、深々と頭を下げつつも、女神の息子の美貌を真っすぐに射抜いた、意志の強い薄茶の双眸。

 冷たく冷え切ったレオンハルトの視線を、恐れもせずに見つめ返してきた。

 あの時から、レオンハルトは、サンジェイラの王族の中でただ一人、彼女だけを認めてきたのである。

 そう、彼女が女王となれば、おそらく、この国は立ち直る事が可能だろう。しかし、今のサンジェイラでは、それは敵わぬ事である。

「レオン?」

 考え事をしている様子の兄の名を呼んだリュセルは、先程までの殊勝な態度を綺麗に消していた。

「いや、なんでもないよ」

 そして、そのまま、ローウェンの部屋のある離れから出ると、城へと続く中庭で侍女に日傘を差させ、優雅な様子で池の鯉を見ているアルティスの元へと二人は歩み寄った。

「どうであった?」

 アルティスの静かな問いに、レオンハルトは彼の横に並ぶと答える。

「大丈夫だ。誰も疑ってはいない……ただ」

「ただ?」

「ユリエ姫がね」

 レオンハルトの言葉にアルティスは苦笑を洩らす。

「ユリエ姉上は頭の良い方だ。しかし、例え、感づいていても、我らの事をばらすような人ではない故、安心めされよ。のう、ロー?」

 アルティスの呼びかけに、彼に日傘を差しかけていた、黒い着物にエプロン姿という、城の侍女の格好をした少女は、にっこりと笑った。

「うん。ユリエ姉上は信頼できるよ」

 背中まである黒髪を無造作に垂らし、両脇で細い三つ編みをしたかつらをかぶったローウェンは、レインにかけさせた眼鏡と同じ眼鏡をかけていた。

 リュセルの目から見ると、髪の色は違えど顔はローウェンのままだが、他の者が見たら平凡な容姿の少女に見える事だろう。

「お祖父様から、リュセル王子とレオンハルト王子宛に、対面の希望の言伝を預かっておる。どうなさる?」

 アルティスは、先程、ローウェン危篤の情報を耳に入れた時の、祖父の様子を思い出した。

 ただ一言、「そうか」と洩らしただけの祖父は、半分安堵して、半分焦っている事だろう。なにせ、殺そうとしたはずの孫は、危篤状態とはいえ、生きているのだ。
 しかし、これ以上の手出しをしてくる事は、まずありえまい。このままにしておけば、相手はいずれ死ぬかもしれないのだ。多大なリスクを冒す程、祖父メルティスは愚かではない。

 その証拠に、メルティスは、剣主と剣鍵との対面を望んできた。

 玉鍵たる大事な正統血統の王子と、これから生まれるであろう玉主との繋ぎを図りたいのだ。今まで、どちらかというと、ローウェンと懇意にしていた二人の意識をアルティスに向けさせるつもりなのだろう。

「ふん、上等だ。実の孫を殺そうとした悪党面を見てやろうじゃないか」

「リュセル」

 リュセルの悪言をさえぎったレオンハルトは、緩く首を振った。どんなに非道の者といえ、メルティスはアルティスとローウェンの実の祖父なのだ。ローウェンはともかく、彼に可愛がられたアルティスは悪口を言われたくはないだろう。

「いや、よいのだ、レオンハルト殿。その通り、お祖父様は、いつの頃からか鬼のような人に変貌してしまったのだ。それに、我も、実を言うと、お祖父様に可愛がられた記憶などないのだよ。あるのは、徹底した英才教育と生活管理だ。あの方の心にあるのは、正統なる血筋への執着だけ。それが、我だけしかいなかったというだけの事。今までずっと、お祖父様に逆らう事は出来ぬという思い込み、しがらみから、ただ、ローに無関心の振りをする事しか出来なかった。……だが、今は違う」

 アルティスは、その言葉と共に、侍女の格好をしている弟へと視線を向ける。

「今は愛しい者の為に戦う事ができる。それが嬉しい」

「アル」

 ローウェンは、兄の告白に感動したように目を潤ませる。

「つまりは、ジジコンからブラコンになったって事だな」

 隣の兄にだけ聞こえるように小声でそう言った弟の頭に、レオンハルトは拳骨を決めたのだった。



 こうして、さすがにローウェンだけは連れて行く事は出来ないので、クマ吉のいるリュセル達の部屋に残し、三人の女神の息子は、この、サンジェイラ国の前王、メルティスと対面する為、城の奥に在る後宮よりも更に奥、離れへと向かう事になった。


「……?」

 アルティスに案内されながら後宮の奥の中を進むリュセルは、変な違和感に眉をしかめた。

「どうした?」

 そんな弟の様子に気づいたレオンハルトが尋ねてくるが、リュセルは「いや、なんでもない」と返事を返す。

(気のせいか?)

 しかし、そんな考えも、後宮の奥出口から外に出た瞬間、一気にふっとんだ。

 遠くに見える館が、メルティスの住まう離れなのだろう。周りに草木が生い茂る、自然あふれるなかなかいい場所だ。先程まで歩いていた、王の側室達の住まう、化粧の匂いの立ち込める後宮などよりもよほど空気もおいしいし、環境もいいはずだ。

 それなのに……。

(気持ち悪い)

 何故なのかわからない。

 あの離れに行きたくない。

 近づきたくない。

「リュセル?」

 館に近づくにつれて顔色が悪くなっていく弟にレオンハルトはさすがに足を止めた。

「大丈夫だ」

「……やせ我慢も大概にしなさい。ひどい顔色だよ」

 まさに、顔面蒼白。

 リュセルの顔色のあまりの悪さに、レオンハルトはアルティスに言った。

「アルティス。対面は、また後日という事にしよう」

「大丈夫か?」

 様子をずっと見守っていたアルティスが心配してそう言った時、館の扉が開いて一人の老齢の男が出てくる。

「お祖父様」

 館の前にいながら、なかなか入ってこない三人を不審に思ったのだろう。自ら迎えに来たメルティスの行動にアルティスは驚きを隠せなかった。

「どうした? 早く中に入ってもらいなさい、アルティス」

 メルティスの厳しい声を聞いたアルティスは、小さく頷いた。

「具合が悪いようなら、離れで少し休むがよい」

 そんなアルティスの気遣いに対し、リュセルは頷けなかった。


 顔も上げられない。


 気持ち悪い 気持ち悪い 気持ち悪い 気持ち悪い


 精神を直接冒されるような不快感に、眩暈がする。リュセルは目の前の恐怖を抑え、やっとの事で顔を上げるとメルティス前王を見た。



 その瞬間


 ドクンッ


 心臓が大きく軋む。


 血が沸騰しそうだ。


 体が急激に冷えるのを感じる。


 正気が保てない。


 目の前の男。……これは、なんだ?

 こんな……こんなもの、ありえない!あってはならないッッ!


 叫んだからとて、この苦しみが消えるはずがない。

 痛みが去るはずもない。

 しかし、リュセルは叫ばずにはいられなかった。



「う……、うああああああああああああああああッ!」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年

転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜

隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。 目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。 同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります! 俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ! 重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ) 注意: 残酷な描写あり 表紙は力不足な自作イラスト 誤字脱字が多いです! お気に入り・感想ありがとうございます。 皆さんありがとうございました! BLランキング1位(2021/8/1 20:02) HOTランキング15位(2021/8/1 20:02) 他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00) ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。 いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

【3/11書籍発売】麗しの大公閣下は今日も憂鬱です。

天城
BL
【第12回BL大賞 奨励賞頂きました!ありがとうございます!!3/11に発売になります、よろしくお願いします!】 さえないサラリーマンだったオジサンは、家柄・財力・才能と類い稀なる美貌も持ち合わせた大公閣下ルシェール・ド・ヴォリスに転生した。 英雄の華々しい生活に突然放り込まれて中の人は毎日憂鬱だった。腐男子だった彼は知っている。 この世界、Dom/Subユニバースってやつだよね……。 「さあ気に入ったsubを娶れ」 「パートナーはいいぞ」 とDomの親兄弟から散々言われ、交友関係も護衛騎士もメイド含む屋敷内の使用人全てがSubで構成されたヴォリス家。 待って待って情報量が多い。現実に疲れたおっさんを転生後まで追い込まないでくれ。 平凡が一番だし、優しく気立のいいsubのお嫁さんもらって隠居したいんだよ。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

処理中です...