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episode15*隣で眠りたい
48
「タルさん、今日ウチ来ませんか?焼き鳥買ってきて食べたいなって思ってるんですけど。」
「おう、いいよ。今から電話で予約しておいて、直接行けば丁度良いくらいに受け取れるんじゃねぇか?」
「そうですね。」
「要何食べたい?」
「うーん、…カシラと、せせりと、トマト巻きを塩で2本ずつと、かわと、…シロモツをたれで。」
「ほいよ。俺、焼きおにぎりも頼も。あの大葉が入ってるやつ好きなんだよな。」
「あ、俺もそれ食べたいです。」
「はいはい、あとは?なかったら電話するぞ。」
「ありがとうございます、お願いします。」
予想通り丁度良いタイミングで受け取ることができたテイクアウトの焼き鳥を持って、要の部屋へ向かった。
相変わらず余計なものがほとんど置いていない、整然としたリビングだ。
テレビ前のローテーブルに焼き鳥を置き、ソファの横に通勤かばんを下ろしてその上にジャケットをかける。
俺が洗面所で手を洗っている内に要がハンガーにかけてくれたらしく、リビングに戻るとジャケットがきれいにウォールハンガーに収まっていた。
「要、ジャケットありがとな。」
「あ、はい。………あ。」
「ん~?どした?」
「そういえば前に飲んだ時からずっと放置してたんですけど、タルさんこれ飲みますか?」
「あ~、要が飲まないならもらおうかな。」
「は~い。」
キッチンでガションと冷蔵庫を開き、思い出したように言う要からチューハイの缶を受け取る。
果汁たっぷり果肉入りのレモンハイ、焼き鳥によく合いそうだ。
要はというと、炭酸水を冷蔵庫から取り出してコップに注いでいる。
何か割材で味付けをするというわけでもなく、そのままの炭酸水を飲むのが好きだという。
それを聞いてから、我が家の冷蔵庫にも常に炭酸水のストックは切らさないようにしている。
「っかぁ~!やっぱ焼き鳥にはレモンが合うわ。」
「ふふっ、よかったっす。…わ、カシラうまっ。」
「な、久しぶりに食うとこんな美味かったっけ?ってなるよな。」
「や、ホントに。」
「…あ、なんかヤバい、酒飲んだの久しぶりですぐ酔いそうだわ。」
「別に酔ったっていいんじゃないですか?明日休みだし。」
「ま、そうだな。」
刻み大葉が混ぜ込まれた焼きおにぎりは、だしの味がしっかり効いていておいしい。
大きめのそのおにぎりを一気に食べ進め、指についた米粒を舐めていると、要がこちらをじっと見ていることに気が付いた。
マナー違反か?行儀が悪いと思われたか?直接咎められたわけではないが、気まずさから謝罪の言葉を口にする。
「わるい、行儀悪かったよな。」
「え…、行儀悪い?何がですか?」
「あ、や…、違ぇの?…なんかこっちじっと見てたからさ。」
「あぁ、全然そんなつもりでは…、何かを咎めるつもりではなかったです。」
「そっか、…で、どうした?なんか言いたいことがあるんだろ?」
「まぁ…、そうですね、え~と…。」
「ん?」
「…タルさんって、明日の夜空いてますか?」
「明日?おう、空いてるよ。何なら朝から空いてるけど。」
「いや、明日の夜、ご飯食べ終わったらまたウチに来て欲しいなって。…その、俺そろそろ準備整ったっていうか、んー…。」
「…ん?泊まりってことか?別にいいけど、わざわざそんなかしこまって聞くことじゃねぇだろ?」
「いや、注目してほしいのはそこじゃなくって…、どちらかというと後半の部分なんですけど。」
「後半?…あぁ、準備整ったってやつ?…え、なにが?」
「だからっ。」
「ん~?……あ!あぁ~っ!…あ、そういう準備ね、なるほど、あぁ、はいはい。」
「ちょ、もうホント、タルさんのこういう時だけ察し悪くなるのなんなんですか?わざとやってますよね?」
俺の口から言わせようとしてわざととぼけてんのかと思いました、と頭を抱えながら顔を赤くして、少し呆れたように要が言った。
ごめんごめん、と手を握ると、ピクリと反応する癖に、キッとこちらを睨めつけてくる。
相変わらず美人の怒った顔は恐ろしい。
「や、ホントに違う、悪かったって。そんな顔で見ないでくれよ。」
「…。」
「…やぁ~、俺これあれだな、酔ってんだな。」
「ふん、都合がいいですね…。」
「察し悪くてごめんな。…要、準備頑張ってくれてありがとう。明日の夜が待ち遠しいよ。」
握った手を引き寄せてそこに口づけると、要がまたピクリと反応して、泣きそうな顔でこちらを見てくる。
我ながらキザなことをしたと思ったが、要のこの反応見たさについやってしまうのだ。
「おう、いいよ。今から電話で予約しておいて、直接行けば丁度良いくらいに受け取れるんじゃねぇか?」
「そうですね。」
「要何食べたい?」
「うーん、…カシラと、せせりと、トマト巻きを塩で2本ずつと、かわと、…シロモツをたれで。」
「ほいよ。俺、焼きおにぎりも頼も。あの大葉が入ってるやつ好きなんだよな。」
「あ、俺もそれ食べたいです。」
「はいはい、あとは?なかったら電話するぞ。」
「ありがとうございます、お願いします。」
予想通り丁度良いタイミングで受け取ることができたテイクアウトの焼き鳥を持って、要の部屋へ向かった。
相変わらず余計なものがほとんど置いていない、整然としたリビングだ。
テレビ前のローテーブルに焼き鳥を置き、ソファの横に通勤かばんを下ろしてその上にジャケットをかける。
俺が洗面所で手を洗っている内に要がハンガーにかけてくれたらしく、リビングに戻るとジャケットがきれいにウォールハンガーに収まっていた。
「要、ジャケットありがとな。」
「あ、はい。………あ。」
「ん~?どした?」
「そういえば前に飲んだ時からずっと放置してたんですけど、タルさんこれ飲みますか?」
「あ~、要が飲まないならもらおうかな。」
「は~い。」
キッチンでガションと冷蔵庫を開き、思い出したように言う要からチューハイの缶を受け取る。
果汁たっぷり果肉入りのレモンハイ、焼き鳥によく合いそうだ。
要はというと、炭酸水を冷蔵庫から取り出してコップに注いでいる。
何か割材で味付けをするというわけでもなく、そのままの炭酸水を飲むのが好きだという。
それを聞いてから、我が家の冷蔵庫にも常に炭酸水のストックは切らさないようにしている。
「っかぁ~!やっぱ焼き鳥にはレモンが合うわ。」
「ふふっ、よかったっす。…わ、カシラうまっ。」
「な、久しぶりに食うとこんな美味かったっけ?ってなるよな。」
「や、ホントに。」
「…あ、なんかヤバい、酒飲んだの久しぶりですぐ酔いそうだわ。」
「別に酔ったっていいんじゃないですか?明日休みだし。」
「ま、そうだな。」
刻み大葉が混ぜ込まれた焼きおにぎりは、だしの味がしっかり効いていておいしい。
大きめのそのおにぎりを一気に食べ進め、指についた米粒を舐めていると、要がこちらをじっと見ていることに気が付いた。
マナー違反か?行儀が悪いと思われたか?直接咎められたわけではないが、気まずさから謝罪の言葉を口にする。
「わるい、行儀悪かったよな。」
「え…、行儀悪い?何がですか?」
「あ、や…、違ぇの?…なんかこっちじっと見てたからさ。」
「あぁ、全然そんなつもりでは…、何かを咎めるつもりではなかったです。」
「そっか、…で、どうした?なんか言いたいことがあるんだろ?」
「まぁ…、そうですね、え~と…。」
「ん?」
「…タルさんって、明日の夜空いてますか?」
「明日?おう、空いてるよ。何なら朝から空いてるけど。」
「いや、明日の夜、ご飯食べ終わったらまたウチに来て欲しいなって。…その、俺そろそろ準備整ったっていうか、んー…。」
「…ん?泊まりってことか?別にいいけど、わざわざそんなかしこまって聞くことじゃねぇだろ?」
「いや、注目してほしいのはそこじゃなくって…、どちらかというと後半の部分なんですけど。」
「後半?…あぁ、準備整ったってやつ?…え、なにが?」
「だからっ。」
「ん~?……あ!あぁ~っ!…あ、そういう準備ね、なるほど、あぁ、はいはい。」
「ちょ、もうホント、タルさんのこういう時だけ察し悪くなるのなんなんですか?わざとやってますよね?」
俺の口から言わせようとしてわざととぼけてんのかと思いました、と頭を抱えながら顔を赤くして、少し呆れたように要が言った。
ごめんごめん、と手を握ると、ピクリと反応する癖に、キッとこちらを睨めつけてくる。
相変わらず美人の怒った顔は恐ろしい。
「や、ホントに違う、悪かったって。そんな顔で見ないでくれよ。」
「…。」
「…やぁ~、俺これあれだな、酔ってんだな。」
「ふん、都合がいいですね…。」
「察し悪くてごめんな。…要、準備頑張ってくれてありがとう。明日の夜が待ち遠しいよ。」
握った手を引き寄せてそこに口づけると、要がまたピクリと反応して、泣きそうな顔でこちらを見てくる。
我ながらキザなことをしたと思ったが、要のこの反応見たさについやってしまうのだ。
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