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episode16*あなたが欲しい※
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「俺外側でいいか?たまに夜中トイレ行きたくなることあんだよ。」
「いいですよ、好きな方で寝てください。」
「さんきゅー、お前のベッド広いしふかふかでいいな。」
「一番長く居る場所なんで、こだわってはいます。」
「そうかー、確かに要は寝るの好きだもんなぁ。」
タルさんはうつ伏せにベッドに寝転がりながら、初めて友達の家に泊まりに来た子供みたいに楽しそうにしている。
あれはなに?これはなに?と興味津々で部屋中の色々なものを手に取って眺めたりして、ひとしきり寝室を探索し終わったところだ。
「要のベッド、収納…っていうか、引き出し多くねぇ?」
「そうですか?普通だと思ってましたけど。」
「いや、多いって。…この縦長の引き出しとかって何入れんだよ?なんか物入ってんのか?」
「入ってますよ、…でもあんまそこら辺勝手にいじんないでくださいね。」
「え、なんで?…ここだけは開けさせてくれねぇ?何が入ってるのかどうしても気になる。」
「や、大したもの入ってないですよ、開けないでください。」
そう言ってあらかじめ牽制しているのにも関わらず、悪ガキのように話を最後まで聞かないまま、すでに引き出しを開けてしまっている。
「…っぶは、んだよこれ、サイズぴったりじゃねぇか…、設計したやつもローション入れるの想定して作ってんだろ。」
「…開けないでって言ってるのに。」
「ふは、じゃ、こっちは?」
「あ、ちょ、もう、いいでしょ。」
「…ふぅん、なるほどね。」
今度は隣の小さい引き出しを開け、中に入っていたコンドームをしげしげとみてから引き出しを閉じた。
何がなるほどね、なのかは全く分からないが、タルさんの中では何か納得したことがあるようだ。
うつ伏せの体勢から起き上がり、ベッドのふちに座り直したタルさんが、必要もないのに本棚の前に突っ立って中身の整理をしている俺の手首を掴んで、ゆさゆさとゆすってくる。
「要、こっち来ないのか?」
「行きますよ、…行きますけど。」
「なに?なんか心配な事でもあんの?」
「いや、…そういうんじゃないです。ただ、…。」
「ただ?」
「予行練習とか言ってたから、何すんだろうって気になって。」
「あぁ…、まぁ、折角要が準備頑張ってくれたから、出来ることならお互い気持ち良くなりたいだろ?ぶっつけ本番で探りながら見つけていくのもいいけど、あらかじめどこが良いのかとか、そういうの知っておいた方が余裕が出来るかな、と思って。」
「…はぁ、なるほど。」
「ちなみに俺は、要のウィークポイントをひとつ知ってる、…と思う。」
「え?」
「こっち来てみ?」
掴んだままの手首をぐっと引かれて、ベッドの縁に腰かけるタルさんの両脚を跨ぐ形で座る体勢になる。
頭を引き寄せられ、肩に凭れ掛ると、顔に垂れていた髪を耳にかけて、ここだろ?と露出したその場所に唇を這わせながらタルさんが言った。
はぁ、と震える吐息を漏らしながらビクビクと肩を跳ねさせる俺を見て、当たりだな、とタルさんが笑う気配を感じる。
悔しいけれど、その通りだ。
耳の中を粘膜と呼吸の音で満たされて、タルさんの服を掴む手に力が入った。
だけど俺だって知っている。
タルさんの弱いとこ、ここでしょう?
目の前の首筋に噛みつくように吸い付くと、タルさんの身体も一瞬、ピクリと跳ねて、耳の中で低く呻く声が響いた。
そのまま後ろへ押し倒して、喉仏を舐めながら甘噛みする。
タルさんはふふふっ、と笑いながら、『よくわかったな、正解』と頭を撫でてきた。
「前に触った時首にすっごい力入ってたんで。」
「そうかぁ…、何事も試してみるのが一番だなぁ。」
呑気な声で言いながら、タルさんの中指が項から背骨をなぞるようにつーっと滑べる。
猫が伸びをするように、触れられている場所からビクビクと背中がしなった。
「おぉー、さっそく新しいとこ発見。」
「……楽しそうっすね。」
「楽しいよ、もちろん。…俺のも見つけてみ?」
「いいですよ、好きな方で寝てください。」
「さんきゅー、お前のベッド広いしふかふかでいいな。」
「一番長く居る場所なんで、こだわってはいます。」
「そうかー、確かに要は寝るの好きだもんなぁ。」
タルさんはうつ伏せにベッドに寝転がりながら、初めて友達の家に泊まりに来た子供みたいに楽しそうにしている。
あれはなに?これはなに?と興味津々で部屋中の色々なものを手に取って眺めたりして、ひとしきり寝室を探索し終わったところだ。
「要のベッド、収納…っていうか、引き出し多くねぇ?」
「そうですか?普通だと思ってましたけど。」
「いや、多いって。…この縦長の引き出しとかって何入れんだよ?なんか物入ってんのか?」
「入ってますよ、…でもあんまそこら辺勝手にいじんないでくださいね。」
「え、なんで?…ここだけは開けさせてくれねぇ?何が入ってるのかどうしても気になる。」
「や、大したもの入ってないですよ、開けないでください。」
そう言ってあらかじめ牽制しているのにも関わらず、悪ガキのように話を最後まで聞かないまま、すでに引き出しを開けてしまっている。
「…っぶは、んだよこれ、サイズぴったりじゃねぇか…、設計したやつもローション入れるの想定して作ってんだろ。」
「…開けないでって言ってるのに。」
「ふは、じゃ、こっちは?」
「あ、ちょ、もう、いいでしょ。」
「…ふぅん、なるほどね。」
今度は隣の小さい引き出しを開け、中に入っていたコンドームをしげしげとみてから引き出しを閉じた。
何がなるほどね、なのかは全く分からないが、タルさんの中では何か納得したことがあるようだ。
うつ伏せの体勢から起き上がり、ベッドのふちに座り直したタルさんが、必要もないのに本棚の前に突っ立って中身の整理をしている俺の手首を掴んで、ゆさゆさとゆすってくる。
「要、こっち来ないのか?」
「行きますよ、…行きますけど。」
「なに?なんか心配な事でもあんの?」
「いや、…そういうんじゃないです。ただ、…。」
「ただ?」
「予行練習とか言ってたから、何すんだろうって気になって。」
「あぁ…、まぁ、折角要が準備頑張ってくれたから、出来ることならお互い気持ち良くなりたいだろ?ぶっつけ本番で探りながら見つけていくのもいいけど、あらかじめどこが良いのかとか、そういうの知っておいた方が余裕が出来るかな、と思って。」
「…はぁ、なるほど。」
「ちなみに俺は、要のウィークポイントをひとつ知ってる、…と思う。」
「え?」
「こっち来てみ?」
掴んだままの手首をぐっと引かれて、ベッドの縁に腰かけるタルさんの両脚を跨ぐ形で座る体勢になる。
頭を引き寄せられ、肩に凭れ掛ると、顔に垂れていた髪を耳にかけて、ここだろ?と露出したその場所に唇を這わせながらタルさんが言った。
はぁ、と震える吐息を漏らしながらビクビクと肩を跳ねさせる俺を見て、当たりだな、とタルさんが笑う気配を感じる。
悔しいけれど、その通りだ。
耳の中を粘膜と呼吸の音で満たされて、タルさんの服を掴む手に力が入った。
だけど俺だって知っている。
タルさんの弱いとこ、ここでしょう?
目の前の首筋に噛みつくように吸い付くと、タルさんの身体も一瞬、ピクリと跳ねて、耳の中で低く呻く声が響いた。
そのまま後ろへ押し倒して、喉仏を舐めながら甘噛みする。
タルさんはふふふっ、と笑いながら、『よくわかったな、正解』と頭を撫でてきた。
「前に触った時首にすっごい力入ってたんで。」
「そうかぁ…、何事も試してみるのが一番だなぁ。」
呑気な声で言いながら、タルさんの中指が項から背骨をなぞるようにつーっと滑べる。
猫が伸びをするように、触れられている場所からビクビクと背中がしなった。
「おぉー、さっそく新しいとこ発見。」
「……楽しそうっすね。」
「楽しいよ、もちろん。…俺のも見つけてみ?」
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