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第3話【魔法ってマジですか?】
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こっちに来てから一年が経った。よちよち歩きが出きるようになった僕は、家の中を歩き回っている。その理由は単純で、今まで歩けなかったからだ。ずっとベッドでごろごろしていたから、歩くのが楽しくて仕方ない。
色んな部屋を歩いているうちに、僕はある本を見つけた。クレアさんたちの部屋の本棚にあった杖が描かれた本だ。絶対に魔法か何かの本だろう。
クレアさんがかまどに火をつけるとき、手から炎を出しているのを何度も目撃している。逆にダンテさんは剣だけで魔法は使えないみたい。正直、魔法も剣も、できるなら両方やってみたい。走れるくらいになったら、ダンテさんに剣の指導をお願いしてみるのも良いかもしれない。
そんなことを考えながら、早速件の本を開いて中を見てみる。
知らない文字のはずなのに、目でなぞると不思議となぜか理解できる。どうやらこの本は魔力の使い方、つまり入門編のようだ。魔力なんて異世界らしい言葉が出てきても驚かなくなっている自分がいるが、良いことなのか悪いことなのか、この世界に順応してきた証拠だと前向きに受け取ろう。
本によれば、魔力とは、空気中の魔素と呼ばれる魔力の粒子を体のなかで練り上げた物で、人は魔素を練る作業を、呼吸と同じように無意識でしているらしい。
さらに、魔力の絶対数は15歳で決まってしまう。それにちなんで、この世界の成人年齢は15歳何だそうだ。お酒も飲めるし、結婚も出来る。
それはさておき、この本に書かれてある初級魔法とやらを試してみよう。なに、ベイビーに出来ない道理はない。
本の説明通りに、おへその下から、全身へ液体が流れるイメージをする。次第に温かいなにかが腹から胸へ、胸から頭へ、そして手足へと流れていく感じがした。
これが魔力…優しい温もりを感じる。
次に詠唱で属性を決める。風は【シルフ】火は【サラマンダー】水は【ウンディーネ】土は【ノーム】の力を借りる。誰に力を借りるのか明確であれば、あとはイメージと言霊で発動するらしい。詠唱の役割は補助って感じだ。
詠唱は口頭で唱える方法と、頭の中で唱える方法があるが、後者は相当な訓練が必要で、あまり一般的ではない。しかし喋ることが出来ない僕は必然的に後者を試すことになる。
風の精霊シルフよ、この掌に、小さなそよ風を起こせ。
頭の中でそう唱えた刹那、身体中に鋭い針で刺されたような痛みが走るが、魔法は発動したようだ。詠唱の通り小さな風が僕の掌に吹いている。本当に小さな風だが、この小さな体にある魔力を枯らせるには十分だった。
視界が狭まり、呼吸が早くなる。先程の痛みと共に、虚脱感が僕を襲い、動けなくなる。いわゆる魔力切れだ。とてもだるい。
はじめての魔法。はじめての感覚に、驚かされたり喜んだり、退屈とはほど遠いこの世界に、僕は幾ばくかの期待と不安を、再び感じることとなった。
色んな部屋を歩いているうちに、僕はある本を見つけた。クレアさんたちの部屋の本棚にあった杖が描かれた本だ。絶対に魔法か何かの本だろう。
クレアさんがかまどに火をつけるとき、手から炎を出しているのを何度も目撃している。逆にダンテさんは剣だけで魔法は使えないみたい。正直、魔法も剣も、できるなら両方やってみたい。走れるくらいになったら、ダンテさんに剣の指導をお願いしてみるのも良いかもしれない。
そんなことを考えながら、早速件の本を開いて中を見てみる。
知らない文字のはずなのに、目でなぞると不思議となぜか理解できる。どうやらこの本は魔力の使い方、つまり入門編のようだ。魔力なんて異世界らしい言葉が出てきても驚かなくなっている自分がいるが、良いことなのか悪いことなのか、この世界に順応してきた証拠だと前向きに受け取ろう。
本によれば、魔力とは、空気中の魔素と呼ばれる魔力の粒子を体のなかで練り上げた物で、人は魔素を練る作業を、呼吸と同じように無意識でしているらしい。
さらに、魔力の絶対数は15歳で決まってしまう。それにちなんで、この世界の成人年齢は15歳何だそうだ。お酒も飲めるし、結婚も出来る。
それはさておき、この本に書かれてある初級魔法とやらを試してみよう。なに、ベイビーに出来ない道理はない。
本の説明通りに、おへその下から、全身へ液体が流れるイメージをする。次第に温かいなにかが腹から胸へ、胸から頭へ、そして手足へと流れていく感じがした。
これが魔力…優しい温もりを感じる。
次に詠唱で属性を決める。風は【シルフ】火は【サラマンダー】水は【ウンディーネ】土は【ノーム】の力を借りる。誰に力を借りるのか明確であれば、あとはイメージと言霊で発動するらしい。詠唱の役割は補助って感じだ。
詠唱は口頭で唱える方法と、頭の中で唱える方法があるが、後者は相当な訓練が必要で、あまり一般的ではない。しかし喋ることが出来ない僕は必然的に後者を試すことになる。
風の精霊シルフよ、この掌に、小さなそよ風を起こせ。
頭の中でそう唱えた刹那、身体中に鋭い針で刺されたような痛みが走るが、魔法は発動したようだ。詠唱の通り小さな風が僕の掌に吹いている。本当に小さな風だが、この小さな体にある魔力を枯らせるには十分だった。
視界が狭まり、呼吸が早くなる。先程の痛みと共に、虚脱感が僕を襲い、動けなくなる。いわゆる魔力切れだ。とてもだるい。
はじめての魔法。はじめての感覚に、驚かされたり喜んだり、退屈とはほど遠いこの世界に、僕は幾ばくかの期待と不安を、再び感じることとなった。
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