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1章 王都ルーデリー 出会い編
1‐3 熱毒
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「初めまして、フクダ殿。
私はミカドナツキ、鬼の国出身の鬼人族です。」
奴隷商の首を箱に仕舞い、ナツキ息を荒げながら挨拶してくる。
「こちらこそ、危ない所を助けていただきありがとうございます。
それより、苦しそうですが大丈夫なんですか?」
「心配には及びません、不覚を取って毒をもらいましたが、数日安静にすれば治るはずです。」
ーーーーーーーーーー
ナツキをベッドで休ませ、リビングへと戻る。
「熱毒は厄介でね、それ単体では大した事無いのだけど、他の病気になりやすくなるの。
ナツキの治癒力なら数日で治るだろうけど、その為にはたくさん水分をとる必要がある。
さっき確認したら裏の井戸が枯れていたから、どこかから調達しないと。」
少し考えこんだ後、ミーシャは
「悪いけど、ナツキの看病をお願い。
私は一番近くの村まで水をもらいに行ってくるわ。」
そういって指輪を差し出す。
「この指輪は互いに魔力を込めた人間で意思疎通できる、希少なアイテムなの。
魔力の込め方は~、分からないよね?」
こちらの顔を見て返事を察してくれる。
「ごめん、ちょっと痛いけど我慢して。」
そういって俺の手を取り、人差し指を口に持っていく。
ガリッ
指を噛み、血が出ると、その血を指輪の宝石に垂らす。
指輪が一瞬だけ光ると、今度はミーシャの指に付けた指輪にも血を垂らす。
「これで大丈夫。
何かあれば連絡するから、ナツキをおねがいね。」
そういって足早に出て行ってします。
テストとかしなくて大丈夫なのだろうか。
ーーーーーーーーーー
ミーシャが出て行ってもうすぐ丸一日だ、備蓄していた水も底を尽きていた。
水を飲むと少し楽そうになるナツキだが、水を飲まなくなってからだんだん苦しさが増しているようだ。
ミーシャはあとどの位で着くのだろうか。
「すまない、フクダ殿、水は、ない、だろうか?」
「すみません、もう底を尽きてしまって。」
「そうか…」
『聞こえる?
あと半日もしたら戻れるから、もう少し我慢してね』
突然頭に声が聞こえる、ナツキさんの方を見ると、どうやら彼女にも聞こえたようだ。
どうやって返事すればよいのだろう。
ーーーーーーーーーー
あれからさらに一日が経とうとしていた。
ナツキさんは息が荒く、とても大丈夫そうには見えない。
かく言う自分も二日近く飲まず食わずなので、さすがに頭の回転も鈍っていた。
私はミカドナツキ、鬼の国出身の鬼人族です。」
奴隷商の首を箱に仕舞い、ナツキ息を荒げながら挨拶してくる。
「こちらこそ、危ない所を助けていただきありがとうございます。
それより、苦しそうですが大丈夫なんですか?」
「心配には及びません、不覚を取って毒をもらいましたが、数日安静にすれば治るはずです。」
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ナツキをベッドで休ませ、リビングへと戻る。
「熱毒は厄介でね、それ単体では大した事無いのだけど、他の病気になりやすくなるの。
ナツキの治癒力なら数日で治るだろうけど、その為にはたくさん水分をとる必要がある。
さっき確認したら裏の井戸が枯れていたから、どこかから調達しないと。」
少し考えこんだ後、ミーシャは
「悪いけど、ナツキの看病をお願い。
私は一番近くの村まで水をもらいに行ってくるわ。」
そういって指輪を差し出す。
「この指輪は互いに魔力を込めた人間で意思疎通できる、希少なアイテムなの。
魔力の込め方は~、分からないよね?」
こちらの顔を見て返事を察してくれる。
「ごめん、ちょっと痛いけど我慢して。」
そういって俺の手を取り、人差し指を口に持っていく。
ガリッ
指を噛み、血が出ると、その血を指輪の宝石に垂らす。
指輪が一瞬だけ光ると、今度はミーシャの指に付けた指輪にも血を垂らす。
「これで大丈夫。
何かあれば連絡するから、ナツキをおねがいね。」
そういって足早に出て行ってします。
テストとかしなくて大丈夫なのだろうか。
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ミーシャが出て行ってもうすぐ丸一日だ、備蓄していた水も底を尽きていた。
水を飲むと少し楽そうになるナツキだが、水を飲まなくなってからだんだん苦しさが増しているようだ。
ミーシャはあとどの位で着くのだろうか。
「すまない、フクダ殿、水は、ない、だろうか?」
「すみません、もう底を尽きてしまって。」
「そうか…」
『聞こえる?
あと半日もしたら戻れるから、もう少し我慢してね』
突然頭に声が聞こえる、ナツキさんの方を見ると、どうやら彼女にも聞こえたようだ。
どうやって返事すればよいのだろう。
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あれからさらに一日が経とうとしていた。
ナツキさんは息が荒く、とても大丈夫そうには見えない。
かく言う自分も二日近く飲まず食わずなので、さすがに頭の回転も鈍っていた。
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