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1章 王都ルーデリー 出会い編

1‐4 初めての ☆

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 ナツキがうなされている間は彼女の手を握り、少し落ち着いたところで尿意がやってくる。
 そういえば昨日からトイレにも行ってない。
 飲まず食わずでも尿意は来るのだな、なんて考えながら寝ているナツキに向かって

「少し、トイレに行ってきます。」

 聞こえてないと思っていた。
 だが彼女は目を開けて、息を切らしながら懇願してきた。

「飲、ませて、くれませんか?」

 心臓が跳ね上がるくらいビックリした。
 
「頼む、少しでも…」

 苦しそうな彼女の顔を見ると、断ることは出来なかった。
 
 ズボンからイチモツを取り出すと、数日洗っていない為、結構な匂いがした。
 それを彼女の顔に近づける。

「はむっ」

 ナツキは弱々しくイチモツを咥えると、懇願するようにこちらを見つめる。
 緊張するとなかなか出ないもので、しびれを切らしたのか、ナツキが咥えたイチモツを吸い始める。
 それが愛おしく思え、ナツキの頭を撫でる。
 ナツキが気持ちよさそうな顔をしたところで、ようやく尿が出始めた。

 チョロ、チョロ

 勢いが出すぎないように、尿道を押さえながら少しずつ口内に放っていく。

「ごきゅ、ごきゅ」
 
 ナツキが喉を鳴らす音がはっきりと聞こえる。

 どれ位の時間だろうか、一瞬のようでもあり、永遠のようでもある時間だった。

ーーーーーーーーーー

 おしっこを飲み終えた彼女は、さっきまでの苦しみが嘘のように、落ち着いた表情で寝ている。

「ごめん、大丈夫?」

 勢いよく扉を開け、ミーシャが入ってくる。
 ナツキの穏やかな表情を見て、信じられないというような顔と、安堵の表情を見せる。

「ごめん、厄介なのに追われて、撒くのに時間がかかっちゃったの。
 それより一体何がどうしたの?
 いくらナツキの治癒力でも、水分を取らずに熱毒からの回復は無理なはずよ。」

 正直に言ったほうがいいのか少し迷ったが、ナツキに頼まれて飲ませたのだ。
 嘘ついたりごまかすよりは説明したほうがいいだろう。

「実は…」

ーーーーーーーーーー

 話を聞き終えると顔を真っ赤にして逸らしながら

「ごめん、聞いちゃって。」

 と一言。

「でも、おしっこなんか飲ませて大丈夫だったのかな?」

「それは大丈夫、私たちは旅や仕事の途中で水を得られない時は、自らの尿も無駄にしないよう教わってるから。
 まぁ、そんな機会は滅多にない上に、他人のなんてほぼないのだけど。」

 説明しながらもまた顔を赤くして目を逸らすが、

「ありがとう、ナツキの為に、あなたも恥ずかしかったでしょ?」

 最後の方はえらく小声だった。
 
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