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1章 王都ルーデリー 出会い編
1-28 ダンジョン
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とはいえ、危険度が高いこともまた事実。
「なので事前準備はとても大切ですし、優先順位を決める必要もあります。」
優先順位、探索か、戦闘か、撤退か。
「とりあえず、戦闘になったら俺とミーシャが攻撃、ナツキは援護をお願い。
敵が逃げても深追いしない、進むかどうかの判断はナツキが決める。
それでいい?」
なぜかリーダーに任命された俺は、一応考えを伝えてみる。
「オッケー!」
「いい考えだと思います。
レベル上げを優先しつつ、折をみて撤退。
基本的に獲物の横取りは禁止ですので、それだけ注意してください。」
ナツキに「了解」と合図を出し、いざダンジョンへ。
ーーーーーーーーー
ダンジョン、とは言っても入り口はただの洞窟だ。
衛兵に入構許可書を見せ、中へ入る。
水筒に聖水を補充している内にナツキが手続きしてくれていたようだ。
俺とミーシャのレベルは低いが、許可証の申請は代表者が行えばいい為、問題ないようだ。。
「私のレベルが高い為、すんなり通ったんだと思います。」
そういってナツキが身分証を見せる。
ミカド・ナツキ 鬼人族
20歳 Lv45
「レベル40!
いつの間に!?」
ミーシャが驚く、どういうことなのか。
「恐らくカズ殿のスキルの効果もあって、自分でも信じられないレベルの上がり方をしたのです。」
なるほど、ナツキがいれば大丈夫と踏んで許可証を発行してくれたのか。
にしても、あまりいい状態ではないかもしれない。
「ナツキのレベルの上がり方を知られたら、いずれバレるかもしれないな…」
考え込んでいる俺に対し、ナツキはすでに解決策を考えていたらしい。
「なので、カズ殿のレベルが20を越えた後、一度街を出ようと思ってます。」
「えー!
そんな、私準備してないよ!
リーシャの件もあるし!」
リーシャ、とは同室の子らしい。
同郷で、料理の修業の為に出てきたリーシャとふたりで家賃を半分にしてる為、いきなりは出られないのだろう。
「大丈夫、後で説明するから心配しないで。
今すぐって訳でもないし、もし今日越えたとしても準備が整うまでは出ないので。」
ナツキはミーシャを置いていくつもりもなかったらしく、何か考えがあるようだ。
ーーーーーーーーー
まだ低層というのと、他の冒険者が先に入っている為というのもあるだろうが、しばらく歩いても大きなキノコのような弱い魔物にしか遭遇しなかった。
手ごたえもなく、魔石も小さい。
「ここから降りられそうですね。」
ナツキが次の階層への道を見つける。
ダンジョンは生きている。
この場所はまるで人に通ってくださいと言わんばかりに整えられた道や階段がある。
「ダンジョンで死んだ魔物(の魔石)や人間(の魔力や血肉)を吸収して、ダンジョン自体も成長します。
なので、ダンジョンでは倒した魔物の魔石は出来るだけ回収したほうが良いのです。」
その理屈だと、ダンジョンから魔石は出ていく一方なのでは?
だがその答えは
「ほとんどのダンジョン自体が、魔力の吹溜りなどに出来る為、ほおっておいても成長はしてしまうのです。
なので、調査を行い国が管理下に置くことで危険度を下げつつ、魔石を回収する為の鉱山のような仕組みを作ろうとしているのです。」
完全ではないが、そうすることで国も冒険者も潤うという事か。
「なので事前準備はとても大切ですし、優先順位を決める必要もあります。」
優先順位、探索か、戦闘か、撤退か。
「とりあえず、戦闘になったら俺とミーシャが攻撃、ナツキは援護をお願い。
敵が逃げても深追いしない、進むかどうかの判断はナツキが決める。
それでいい?」
なぜかリーダーに任命された俺は、一応考えを伝えてみる。
「オッケー!」
「いい考えだと思います。
レベル上げを優先しつつ、折をみて撤退。
基本的に獲物の横取りは禁止ですので、それだけ注意してください。」
ナツキに「了解」と合図を出し、いざダンジョンへ。
ーーーーーーーーー
ダンジョン、とは言っても入り口はただの洞窟だ。
衛兵に入構許可書を見せ、中へ入る。
水筒に聖水を補充している内にナツキが手続きしてくれていたようだ。
俺とミーシャのレベルは低いが、許可証の申請は代表者が行えばいい為、問題ないようだ。。
「私のレベルが高い為、すんなり通ったんだと思います。」
そういってナツキが身分証を見せる。
ミカド・ナツキ 鬼人族
20歳 Lv45
「レベル40!
いつの間に!?」
ミーシャが驚く、どういうことなのか。
「恐らくカズ殿のスキルの効果もあって、自分でも信じられないレベルの上がり方をしたのです。」
なるほど、ナツキがいれば大丈夫と踏んで許可証を発行してくれたのか。
にしても、あまりいい状態ではないかもしれない。
「ナツキのレベルの上がり方を知られたら、いずれバレるかもしれないな…」
考え込んでいる俺に対し、ナツキはすでに解決策を考えていたらしい。
「なので、カズ殿のレベルが20を越えた後、一度街を出ようと思ってます。」
「えー!
そんな、私準備してないよ!
リーシャの件もあるし!」
リーシャ、とは同室の子らしい。
同郷で、料理の修業の為に出てきたリーシャとふたりで家賃を半分にしてる為、いきなりは出られないのだろう。
「大丈夫、後で説明するから心配しないで。
今すぐって訳でもないし、もし今日越えたとしても準備が整うまでは出ないので。」
ナツキはミーシャを置いていくつもりもなかったらしく、何か考えがあるようだ。
ーーーーーーーーー
まだ低層というのと、他の冒険者が先に入っている為というのもあるだろうが、しばらく歩いても大きなキノコのような弱い魔物にしか遭遇しなかった。
手ごたえもなく、魔石も小さい。
「ここから降りられそうですね。」
ナツキが次の階層への道を見つける。
ダンジョンは生きている。
この場所はまるで人に通ってくださいと言わんばかりに整えられた道や階段がある。
「ダンジョンで死んだ魔物(の魔石)や人間(の魔力や血肉)を吸収して、ダンジョン自体も成長します。
なので、ダンジョンでは倒した魔物の魔石は出来るだけ回収したほうが良いのです。」
その理屈だと、ダンジョンから魔石は出ていく一方なのでは?
だがその答えは
「ほとんどのダンジョン自体が、魔力の吹溜りなどに出来る為、ほおっておいても成長はしてしまうのです。
なので、調査を行い国が管理下に置くことで危険度を下げつつ、魔石を回収する為の鉱山のような仕組みを作ろうとしているのです。」
完全ではないが、そうすることで国も冒険者も潤うという事か。
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