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1章 王都ルーデリー 出会い編
1‐36 獣人化 ☆
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俺とミーシャの前に飛び出たウルガは素早い動きでシカの足にパンチを浴びせる。
効いてないわけではなさそうだが、シカの人蹴りで再び岩に突き飛ばされる。
「グッ、くそっ。」
ウルガは獣人化が解けて、その場で意識を失う。
まずい、どう見ても俺とミーシャだけで勝てる相手ではない。
そう思っていたが、シカの動きは明らかに鈍っていた。
ウルガの攻撃は確実にダメージを与えている。
「ミーシャ、さっきウルガが攻撃していた「脛(すね)」を狙うんだ。
出来るだけ、一発事に距離を取って。」
「わかった!」
ミーシャは飛び出し、すね目掛けて攻撃、離脱を繰り返す。
「ウォォォォォオォォォー」
やはり弁慶の泣き所、あの巨体でも確実にダメージが蓄積されている。
スキルを使って刀を熱し、シカの足元へと駆け出す。
ミーシャとウルガの攻撃のおかげで動きが鈍っている為、俺の身体能力でも攻撃をかわすことが出来る。
距離を詰め、脛に刀を突き刺す。
骨にあったて止まった刀の切っ先を熱するイメージでスキルを一気に開放する。
これまでにないほどの魔力が一気に持っていかれた。
「ギィィィィィ!!!」
痛さに暴れるシカの攻撃で岩に衝突する。
衝撃で岩がへこむが、骨などには異常なさそうだ。
自分でも驚きだが、直ぐに立ち上がる。
脛に突き刺さったままの刀目掛けてミーシャが蹴りを入れ、衝撃で刀は脛を貫き奥の岩へと突き刺さる。
シカはというと、足を一本破壊され、地面に突っ伏していた。
「ミーシャ、とどめを!」
叫ぶと、ミーシャの見た目が毛で覆われ、耳と尻尾以外の部分も兎のようになる。
初めて見たが、あれがミーシャの「獣人化」なのか。
「いっくよー!」
高く跳び上がったミーシャは、シカの首に特大の一撃を叩き込む。
ドォォォォォン
爆発したかのような衝撃音と、舞う土煙。
煙が収まって目に入ったのは、蹴りを入れた右足を押さえるミーシャと、口から血を流してピクピクと動けなくなったシカだった。
急いでミーシャに駆け寄って、彼女を抱え出来るだけ離れる。
シカは痙攣しているが、動けそうもない。
突き刺さった刀を取り、シカの首に刀を入れる。
骨に当たり落とすことは出来なかったが、流れ出る大量の血を見て倒したことを実感する。
「ミーシャ、大丈夫か?」
再度ミーシャに近寄ると、彼女は聖水を飲んで回復していた。
「げほっ、げほっ
大丈夫!
ごほっ、さっきまでとっても痛かったけど、今はちょっとだけ!」
獣人化してるせいで余計匂いが気になるのか、ミーシャは鼻を押さえていた。
「ごめんね!
どうしても直接だと匂いが…」
申し訳なさそうだ。
「それについてはしょうがないから、気にしないで。
大したケガじゃなくてよかった。」
「ミーシャ、あんた強くなったね。」
いつの間にか下に降りてきたウルザはミーシャの頭を撫でる。
「獣人化のタイミングはよかったけど、もう少し実践でならして力加減を覚えたほうが良いね。」
ミーシャの頭から手を離すと、ウルガの顔にビンタする。
「起きな!ウルガ!」
目を開けたウルガに、倒れたシカを指して。
「あんたは負けたんだよ。
頭に血が上ると、周りが見えなくなる悪い癖だ。
いい勉強だったと感謝しな。」
ウルガは肩を落とし、下を向く。
「いや、ウルガの攻撃がなければ、俺たちはとどめを刺せなかった。
俺たち3人で勝ったんだよ。」
そういって手を差し伸べる。
「すまな…
いや、ありがとう。」
素直に手を取って立ち上がるウルガ、だが俺にだけ聞こえるよう、小さく
「だがナツキさんはやらん。」
何を言われようと、もう俺のナツキだ。
効いてないわけではなさそうだが、シカの人蹴りで再び岩に突き飛ばされる。
「グッ、くそっ。」
ウルガは獣人化が解けて、その場で意識を失う。
まずい、どう見ても俺とミーシャだけで勝てる相手ではない。
そう思っていたが、シカの動きは明らかに鈍っていた。
ウルガの攻撃は確実にダメージを与えている。
「ミーシャ、さっきウルガが攻撃していた「脛(すね)」を狙うんだ。
出来るだけ、一発事に距離を取って。」
「わかった!」
ミーシャは飛び出し、すね目掛けて攻撃、離脱を繰り返す。
「ウォォォォォオォォォー」
やはり弁慶の泣き所、あの巨体でも確実にダメージが蓄積されている。
スキルを使って刀を熱し、シカの足元へと駆け出す。
ミーシャとウルガの攻撃のおかげで動きが鈍っている為、俺の身体能力でも攻撃をかわすことが出来る。
距離を詰め、脛に刀を突き刺す。
骨にあったて止まった刀の切っ先を熱するイメージでスキルを一気に開放する。
これまでにないほどの魔力が一気に持っていかれた。
「ギィィィィィ!!!」
痛さに暴れるシカの攻撃で岩に衝突する。
衝撃で岩がへこむが、骨などには異常なさそうだ。
自分でも驚きだが、直ぐに立ち上がる。
脛に突き刺さったままの刀目掛けてミーシャが蹴りを入れ、衝撃で刀は脛を貫き奥の岩へと突き刺さる。
シカはというと、足を一本破壊され、地面に突っ伏していた。
「ミーシャ、とどめを!」
叫ぶと、ミーシャの見た目が毛で覆われ、耳と尻尾以外の部分も兎のようになる。
初めて見たが、あれがミーシャの「獣人化」なのか。
「いっくよー!」
高く跳び上がったミーシャは、シカの首に特大の一撃を叩き込む。
ドォォォォォン
爆発したかのような衝撃音と、舞う土煙。
煙が収まって目に入ったのは、蹴りを入れた右足を押さえるミーシャと、口から血を流してピクピクと動けなくなったシカだった。
急いでミーシャに駆け寄って、彼女を抱え出来るだけ離れる。
シカは痙攣しているが、動けそうもない。
突き刺さった刀を取り、シカの首に刀を入れる。
骨に当たり落とすことは出来なかったが、流れ出る大量の血を見て倒したことを実感する。
「ミーシャ、大丈夫か?」
再度ミーシャに近寄ると、彼女は聖水を飲んで回復していた。
「げほっ、げほっ
大丈夫!
ごほっ、さっきまでとっても痛かったけど、今はちょっとだけ!」
獣人化してるせいで余計匂いが気になるのか、ミーシャは鼻を押さえていた。
「ごめんね!
どうしても直接だと匂いが…」
申し訳なさそうだ。
「それについてはしょうがないから、気にしないで。
大したケガじゃなくてよかった。」
「ミーシャ、あんた強くなったね。」
いつの間にか下に降りてきたウルザはミーシャの頭を撫でる。
「獣人化のタイミングはよかったけど、もう少し実践でならして力加減を覚えたほうが良いね。」
ミーシャの頭から手を離すと、ウルガの顔にビンタする。
「起きな!ウルガ!」
目を開けたウルガに、倒れたシカを指して。
「あんたは負けたんだよ。
頭に血が上ると、周りが見えなくなる悪い癖だ。
いい勉強だったと感謝しな。」
ウルガは肩を落とし、下を向く。
「いや、ウルガの攻撃がなければ、俺たちはとどめを刺せなかった。
俺たち3人で勝ったんだよ。」
そういって手を差し伸べる。
「すまな…
いや、ありがとう。」
素直に手を取って立ち上がるウルガ、だが俺にだけ聞こえるよう、小さく
「だがナツキさんはやらん。」
何を言われようと、もう俺のナツキだ。
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