81 / 97
2章
2‐29 戦闘 「リザード」、「ラビット」
しおりを挟む
日が暮れてしばらく、奴らはやってきた。
リザードは素早い動きでどんどん近づいてくる。
数は100匹を軽く超える、いったいどれほどの数が…
「皆、気を引き締めていこう。」
まずは第一段階、俺とシルフィ、アンナとミーシャはリザード達の向かってくる方へ飛び出す。
グーラ族の弓兵たちがそれをサポートしてくれることになっている。
「景気づけだ、シルフィ!」
俺の指示に従ってシルフィは風の刃で無数のリザードを切り裂く。
魔力を消費したシルフィに「聖水」を与え、シルフィがそれを補給している間は俺が守る。
確かに移動速度は速いが、使ってくる水魔法の威力は弱く、水鉄砲と入れるほどの威力も速度も無い。
一体一体、刀で切り伏せていく。
シルフィの風魔法のおかげで数が減った為俺でもさばききれるが、それが無いとなると確かに苦戦しそうだ。
ミーシャとアンナの方も順調なようだ、ミーシャがリザード以上の速度で相手をかく乱し、アンナはしっかり間合いを守りながらとどめを刺す。
そして何より、グーラ族の援護射撃が正確で助かる。
俺たちの死角になる敵を重点的に攻撃してくれているおかげで、目の前の敵に集中することが出来る。
「キューーー!」
魔力を練り上げたシルフィは、周囲のリザードを魔法の力で上空へと弾き飛ばす。
打ち上げられ、空中では身動きの取れないソレをグーラ族の弓兵が撃ち落とす。
事前に打ち合わせていた作戦の一つだ。
こちら側だけですでに100匹は倒しただろう、ミーシャたちの方でも50匹は倒しているようだが…
奥の方からやってくるリザードの数が減ったと思うと、今度はラビットがちらほらと混じっている。
ラビットは移動速度こそリザードより遅いが、射出する水は早く、木に穴をあける個体もいる。
ここで第二段階へ突入だ。
グーラ族の近接戦闘、および魔法戦闘部隊が出てきて、各部隊で戦う頭数を減らす。
当然戦場に仲間が増えると弓兵のリスクが増えるため一部を残し、補充と休憩の時間になる。
「聖水」の効果も当然あるだろうが、俺意外の二人と一匹はまだまだ元気だ。
ーーーーーーーーー
一時間も経っていないだろう。
あたりは魔物の死体だらけ、腐敗が進む前に処理すべきものも多いが、グーラ族の戦士たちもすっかり疲れ切ってしまっている。
「でも、ここまで減ったのは初めてですよ。」
グラッツは驚いていたが、疲れた表情の方が勝っていた。
「カズ!
任務完了、全開戦闘しても大丈夫よ。」
文字通りリーズは飛んで帰ってきた。
「そうか…
よし、遠慮はいらない。
残りを一気に処理するぞ!」
俺の合図でミーシャは獣人化を、シルフィもこれまでにない大きな魔力を練り始める。
俺とアンナはいったん下がる。
「いっくよ~!!」
「キュュュュ!!」
すごい速度でミーシャは戦場を駆け、少なくなったリザード達の数をさらに減らす。
シルフィの方も遠慮なしだ。
風の刃を森の奥まで飛ばし、木々には無数の切り傷がついてしまうほどだ。
「あなた達は、一体…」
ここにきての全開戦闘だ、サラは驚きを隠さない。
「魔力回復薬が多めにあっただけです。
まだまだサラさんたちの足元にも及びませんよ。」
お世辞ではない、実際サラの戦闘力はナツキに匹敵するもので、他のグーラ族に比べ一人余裕を残している。
そう、俺たちが長時間戦えたのは「聖水」のおかげなのだから。
リザードは素早い動きでどんどん近づいてくる。
数は100匹を軽く超える、いったいどれほどの数が…
「皆、気を引き締めていこう。」
まずは第一段階、俺とシルフィ、アンナとミーシャはリザード達の向かってくる方へ飛び出す。
グーラ族の弓兵たちがそれをサポートしてくれることになっている。
「景気づけだ、シルフィ!」
俺の指示に従ってシルフィは風の刃で無数のリザードを切り裂く。
魔力を消費したシルフィに「聖水」を与え、シルフィがそれを補給している間は俺が守る。
確かに移動速度は速いが、使ってくる水魔法の威力は弱く、水鉄砲と入れるほどの威力も速度も無い。
一体一体、刀で切り伏せていく。
シルフィの風魔法のおかげで数が減った為俺でもさばききれるが、それが無いとなると確かに苦戦しそうだ。
ミーシャとアンナの方も順調なようだ、ミーシャがリザード以上の速度で相手をかく乱し、アンナはしっかり間合いを守りながらとどめを刺す。
そして何より、グーラ族の援護射撃が正確で助かる。
俺たちの死角になる敵を重点的に攻撃してくれているおかげで、目の前の敵に集中することが出来る。
「キューーー!」
魔力を練り上げたシルフィは、周囲のリザードを魔法の力で上空へと弾き飛ばす。
打ち上げられ、空中では身動きの取れないソレをグーラ族の弓兵が撃ち落とす。
事前に打ち合わせていた作戦の一つだ。
こちら側だけですでに100匹は倒しただろう、ミーシャたちの方でも50匹は倒しているようだが…
奥の方からやってくるリザードの数が減ったと思うと、今度はラビットがちらほらと混じっている。
ラビットは移動速度こそリザードより遅いが、射出する水は早く、木に穴をあける個体もいる。
ここで第二段階へ突入だ。
グーラ族の近接戦闘、および魔法戦闘部隊が出てきて、各部隊で戦う頭数を減らす。
当然戦場に仲間が増えると弓兵のリスクが増えるため一部を残し、補充と休憩の時間になる。
「聖水」の効果も当然あるだろうが、俺意外の二人と一匹はまだまだ元気だ。
ーーーーーーーーー
一時間も経っていないだろう。
あたりは魔物の死体だらけ、腐敗が進む前に処理すべきものも多いが、グーラ族の戦士たちもすっかり疲れ切ってしまっている。
「でも、ここまで減ったのは初めてですよ。」
グラッツは驚いていたが、疲れた表情の方が勝っていた。
「カズ!
任務完了、全開戦闘しても大丈夫よ。」
文字通りリーズは飛んで帰ってきた。
「そうか…
よし、遠慮はいらない。
残りを一気に処理するぞ!」
俺の合図でミーシャは獣人化を、シルフィもこれまでにない大きな魔力を練り始める。
俺とアンナはいったん下がる。
「いっくよ~!!」
「キュュュュ!!」
すごい速度でミーシャは戦場を駆け、少なくなったリザード達の数をさらに減らす。
シルフィの方も遠慮なしだ。
風の刃を森の奥まで飛ばし、木々には無数の切り傷がついてしまうほどだ。
「あなた達は、一体…」
ここにきての全開戦闘だ、サラは驚きを隠さない。
「魔力回復薬が多めにあっただけです。
まだまだサラさんたちの足元にも及びませんよ。」
お世辞ではない、実際サラの戦闘力はナツキに匹敵するもので、他のグーラ族に比べ一人余裕を残している。
そう、俺たちが長時間戦えたのは「聖水」のおかげなのだから。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる