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2章
2‐30 襲撃の真相
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魔物の襲撃が収まり、警戒したまま朝を迎える。
ミーシャとシルフィはぐっすり眠っている。
グーラ族の人たちで大量の魔物の死体処理を行っているが、俺たちは休ませてもらっていた。
「お時間よろしいですか?」
俺の休むテントにサラがやってくる。
「はい、大丈夫です。」
すると言って聞かなかったナツキの膝枕から顔を上げる。
「こちらが、お礼です。」
そこにあったのは大量の魔石、恐らくほぼすべてである。
さらにリザードとラビットの皮、それと肉が山盛り。
こんなに?
と思ってサラの方を見る。
「助かりました、日に日に増える魔物ですが、さすがにあの量を私達だけではさばききれなかったと思います。」
それについてはまだ解決していないが。
「肉については少しこちらが多めに貰いました。
何分大事な食糧ですので。」
それについては一切異論がない、俺たちだけでは食べきれないし、ギルドに引き取ってもらうにしても量が多すぎて買いたたかれる可能性もある。
だが、魔石はほぼすべてだろう。
「あなた達で三分の二程処理してくれたので、肉を多く貰う代わりに魔石を放棄します。」
正直ありがたい話だが、こちらとしては魔石よりもダンジョン攻略の協力を得たい。
しかしそれには新たな問題もある…
「サラさん、落ち着いて聞いてください。」
俺は昨日リーズから受けた報告をサラに話す。
「この「グーラ族の里」から少し西に言った海の近くに「ダンジョン」が見つかりました。」
しかしサラはさほど動揺しなかった、その可能性は当然考えていたのだろう。
「そう、ですか…」
せっかく整備した拠点だが、大量の魔物と戦うには戦力が足りない。
「申し上げにくいですが…
一度、撤退しませんか?」
「そうですね。
これ以上意地を張っても仕方ありません。
皆で相談してみます。」
それがいい、海辺のダンジョンは縄張り意識が高いのかもしれない。
今下手に刺激するよりは、一度引いて立て直したほうが良いだろう。
サラは仲間たちの元へ戻っていく。
「大人しく退いてくれるといいのですが…。」
ナツキもサラたちが心配みたいだ。
昨日聞いたばかりだが、ダンジョンの中には稀に積極的に外へ派兵してくるものが有るそうだ。
縄張り意識が強く、周辺の生態系すら飲み込み拡大する。
「発生・生息するモンスターの強さ」よりも、「外へ及ぼす影響」という意味での危険度でダンジョンはランク分けされる。
この近くのダンジョンはそういう意味では「特A」ランク、「鉱山」としての利用を諦め、軍が制圧に当たるレベルのものだ。
すぐには無理だが、カリーナなら制圧に協力してくれるはずだ。
ミーシャとシルフィはぐっすり眠っている。
グーラ族の人たちで大量の魔物の死体処理を行っているが、俺たちは休ませてもらっていた。
「お時間よろしいですか?」
俺の休むテントにサラがやってくる。
「はい、大丈夫です。」
すると言って聞かなかったナツキの膝枕から顔を上げる。
「こちらが、お礼です。」
そこにあったのは大量の魔石、恐らくほぼすべてである。
さらにリザードとラビットの皮、それと肉が山盛り。
こんなに?
と思ってサラの方を見る。
「助かりました、日に日に増える魔物ですが、さすがにあの量を私達だけではさばききれなかったと思います。」
それについてはまだ解決していないが。
「肉については少しこちらが多めに貰いました。
何分大事な食糧ですので。」
それについては一切異論がない、俺たちだけでは食べきれないし、ギルドに引き取ってもらうにしても量が多すぎて買いたたかれる可能性もある。
だが、魔石はほぼすべてだろう。
「あなた達で三分の二程処理してくれたので、肉を多く貰う代わりに魔石を放棄します。」
正直ありがたい話だが、こちらとしては魔石よりもダンジョン攻略の協力を得たい。
しかしそれには新たな問題もある…
「サラさん、落ち着いて聞いてください。」
俺は昨日リーズから受けた報告をサラに話す。
「この「グーラ族の里」から少し西に言った海の近くに「ダンジョン」が見つかりました。」
しかしサラはさほど動揺しなかった、その可能性は当然考えていたのだろう。
「そう、ですか…」
せっかく整備した拠点だが、大量の魔物と戦うには戦力が足りない。
「申し上げにくいですが…
一度、撤退しませんか?」
「そうですね。
これ以上意地を張っても仕方ありません。
皆で相談してみます。」
それがいい、海辺のダンジョンは縄張り意識が高いのかもしれない。
今下手に刺激するよりは、一度引いて立て直したほうが良いだろう。
サラは仲間たちの元へ戻っていく。
「大人しく退いてくれるといいのですが…。」
ナツキもサラたちが心配みたいだ。
昨日聞いたばかりだが、ダンジョンの中には稀に積極的に外へ派兵してくるものが有るそうだ。
縄張り意識が強く、周辺の生態系すら飲み込み拡大する。
「発生・生息するモンスターの強さ」よりも、「外へ及ぼす影響」という意味での危険度でダンジョンはランク分けされる。
この近くのダンジョンはそういう意味では「特A」ランク、「鉱山」としての利用を諦め、軍が制圧に当たるレベルのものだ。
すぐには無理だが、カリーナなら制圧に協力してくれるはずだ。
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