【R18】特殊スキルは聖水でした。

日向沖

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2章

2-34 シャーリーの能力

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「仲間も増えたし、拠点も拡張しないとな…」

 俺の呟きを受けて、ギルドが調達してくれた新しい斧でアンナはせっせと木を切り、加工してくれている。

 本当に働き者だ。

 シャーリーたちは島のダンジョンより少し南にある湖の近くの洞窟で過ごしていたようだ。

「小さな洞窟の中は私たちが通るのがやっとだから、シェールズを休ませるにも最適だったの。」

 距離はそう遠くない、湖があるという事は飲み水をそこから確保することもできそうだ。

 一日たったがシェールズはまだ目を覚まさない。

 だが容態はかなりよくなっている。

 仲間が増えたことで新しく決めたことも有る。

 ナツキの「聖水(子)」の有効活用だ。

 「聖水(子)」には経験値上昇効果が無い為、ナツキの分配分を減らしてアンナ達のレベル上げを優先してきたが、スキルで補正がかかっているとはいえ俺の出せる量にも限界がある。

 身体強化や、回復効果はある為、ナツキの「聖水」摂取量をスキル発動分まで増やし、それをメンバーには再分配することにした。
 
 一番喜んでいたのはリーズ、ではなくナツキだった。

 とても目を輝かせていたのが印象的だ。

 ナツキ産「聖水(子)」用の水瓶を調達して保管する事にした。

ーーーーーーーーー

 シャーリーの戦闘力は上級冒険者の名に恥じない物だった。

 調整も兼ねて一緒にダンジョンに潜ってみたが、他の小人族を知らない俺からすると、とても非力な種族とは思えないほどに強い。
 
 地・水・火の三属性の魔法を使い分け、体より大きな槍を振る様は妖精が踊っているようで見惚れてしまうほどだ。

「どう?
 大丈夫そう?」

「大丈夫も何も、めちゃくちゃ綺麗だった。」

 言った直後にさすがにキザだったかと恥ずかしくなるが、まんざらでもなさそうだ。

「そう、それはよかった…
 必ず役に立って見せるからね、リーダー。」

 顔を少し赤くしながらシャーリーは続ける。

「それにしても「聖水」の効果、すさまじいのね…
 飲んだ直後から体の軽さが嘘みたい…」

 当然、シャーリーにも「聖水」を飲んでもらう。

 今回は俺のを飲んでもらったが、これからはナツキのを多めに飲んでもらう事になる。

「これならあのデカブツとも、もう少しやり合えそう。」

 それは何よりだ。

 そして、シャーリーの戦い方を確認したもう一つの理由が潜在能力を正しく『把握』する為でもある。

 シャーリー・スイーズ 小人族
 29歳 Lv40
 体力 B-- 魔力 A+
 筋力 C++ 耐久 C++

 スキル   槍術Lv8   格闘術  Lv4 身体強化Lv8
       魔法(地)Lv3 魔法(水)Lv3 魔法(火)Lv3 魔力強化Lv4
 特殊スキル 無し

 驚きの能力値だ、だが一番驚いたのは。

 俺より、一つ年上だった。

ーーーーーーーーー

 それはさておき、シャーリーには風魔法の適正も有る。

 そちらも獲得できれ「地」「水」「火」「風」、基礎の4属性を使用できる事になる。

 まだ適性があるかは分からないが、他の属性や複合魔法も使えるようになりそうだ。
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