デスパレートレアス

シャオえる

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20. 一緒ならもっと素敵だから

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「どうぞ、召し上がれ」
 リビングにある大きなテーブルに、たくさん並んだ料理の数々に驚くレアス。戸惑いながらも椅子に座ると、ツムギがレアスの前に、メイン料理のオムライスを置いてエヘヘと笑う
「私の得意料理なの。昔、嫌になるくらい作ってたから、久しぶりでも自信はあるよ」
「……いただきます」
 側で話すツムギの勢いに負けて、目の前にあるオムライスを食べはじめたレアス。ドキドキと見守るツムギ。肩に乗っているルトとララもドキドキと緊張した面持ちでレアスの食べる様子を見守っている

「美味しい……」
 そう呟くと、オムライスを食べ進めていく
「良かったね。ルト、ララ」
 美味しそうに食べる姿に、ホッと胸を撫で下ろすツムギ。すると、ルトとララと一緒に大急ぎでキッチンに戻ると、各自の分のオムライスを持ってリビングに戻ってきた

「あなたも食べるの?私と会う前にも、食べてたんじゃないの?」
「そうだけど、一緒に食べた方がもっと美味しくなるから」
「……そう」
 食べ進めるレアスの向かいで、ルトとララが騒がしくオムライスを食べはじめた。二人がドタバタとテーブルの上で騒いで汚しても、止める気のないツムギは、レアスを見てずっとニコニコと微笑んでいる
「ねぇ、レアスも寮に来てよ。ナオとカホも一緒にさぁ……」
 ツムギが嬉しそうに話しかけても、無視して食べ進めてくレアス。それを見たツムギが困ったように苦笑いすると、ふとリビングを見渡すと、スプーンを置いてまたレアスに話しかけた
「レアス、ここに一人暮らしなんだよね」
「……ええ、そうよ」
「いつから?寂しくない?」
「いつからかは忘れたけれど、ララがいるもの。寂しくないわ」
「そっか……」

 会話が終わり、また困ったように苦笑いするツムギ。すると、二人の会話を聞いていたルトとララが心配そうにツムギを見つめた
「……あのね、私も学園の寮に来る前まで、ルトと二人で暮らしてたんだ」
 エヘヘと笑って話をするツムギに、ルトがツムギに駆け寄り頬にぎゅっと抱きついた。レアスもツムギの話を聞いて、オムライスを食べていた手が止まった
「学園に寮があるって聞いて、学園に転校して来たの。毎日美味しいご飯は食べれるし、お洗濯とかお掃除は変わらず自分でするけど、ナオとカホといつも一緒にいれて、毎日楽しいの。だから、レアスも寮に来たらきっと……」
 話の途中、ふとレアスを見ると、付け合わせのサラダを食べて聞かないふりをしていた。その様子にまたエヘヘと笑った

「ごめんね。私の話はいいよね。あのね……」
「オムライス、おかわり」 
 ツムギの話を遮るように、そう言いながらお皿を渡した。予想外の行動に戸惑うツムギを無視して、またサラダを食べはじめたレアス。ルトとララも不思議そうにレアスを見ていると、ツムギがカタンと椅子の音を鳴らし立ち上がると、今度は嬉しそうにエヘヘと笑った
「オムライスのおかわりはないけど、デザートはあるよ。みんなで食べよう」
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