デスパレートレアス

シャオえる

文字の大きさ
上 下
24 / 98

24. いつも思ってくれている

しおりを挟む
「あれ?ツムギ」
 騒がしい教室で、机でボーッとしているツムギを見つけたナオが声をかけると、声に気づいたツムギが力なく手を振って二人にエヘヘと笑った
「ナオ……カホ……。なんだか、久しぶりだね」
「どうしたの?あんなテンション高く、レアス家に行く!って出ていったのに。何かあった?」
「レアスの家行ったんだけど、レアス居なくて……」
「そうなの?」
「ずっと、ご飯作って待ってたんだけど、結局来なくてさ」
 はぁ。とため息ついて机に寝そべるツムギ。すると、ツムギの机の端っこでしょんぼりとうつ向くララの頭を撫でているルトに気づいて、カホがツムギにコソッと話しかけた
「だから、ララもあんなに落ち込んでるの?」
「うん、そう。レアスの家から出てからずっと、ルトが励ましてるんだけど……」
「そっか……。今日の授業終わったら、またレアスの家に行くの?」
「うーん、どうしようかなぁ……」
 と、悩んでいるとチャイムの音が鳴り、騒がしかった教室が少しずつ静かになっていく。慌てて机に向かうナオとカホを見て、ゆっくりと顔を上げて授業の準備を始めだすと、しょんぼりしたいたララも顔を上げると、ルトと一緒にツムギの膝の上に乗り、授業を聞き出した








「美味しそうなご飯だね」
 リビングで一人置かれていた食事を食べていたレアスに、リンが声をかけると、ご飯を食べていた手がピタッと止まった
「ララが用意してくれたの……」
 か細い声で返事をするレアス。それを聞いてリンがクスッと微笑んだ
「そうか。怪我を治すにも食事は必要だからな。良い使い魔だ」
 その言葉を聞きながら、またご飯を食べはじめたレアス。返事をせずに食べ進めるレアスの姿を見て、またクスッと微笑む
「メルガ。そろそろ帰ろうか。授業が始まってしまう」
 リンの言葉に、レアスの足元で横になっていたメルガが、立ち上がり背伸びをすると、レアスに体を擦り寄せると、レアスもメルガの体にぎゅっと抱きついた
「……ばいばい。またね」
 メルガの頭を撫でなからそう呟くと、メルガが撫でられ嬉しそうな表情でリンの所に戻ると、レアスとメルガのやり取りを見ていたリンがクスッと微笑み、リビングの扉をゆっくりと閉じて家を出ていった

「……ご馳走さま」
 リンが帰ってすぐ、ツムギが作ったご飯を全て食べ終えて、ふぅ。と一息ついて、部屋へと戻っていったレアス。ベッドに思いっきり倒れこんで、今度ははぁ。とため息ついた
「傷治ってる……」
 両手にあった傷が、消えてなくなっているのを見て、ぎゅっと手を強く握りしめて、枕にボフッと顔を埋めた
「ララ、後で来るかな……」
 そう一人呟くと、急にウトウトと睡魔が襲ってきて、大きく欠伸をすると目を閉じて、ふぅ。と深呼吸をした
「少し眠ろう。ララが来る前に、もう一度行かなきゃ……」
しおりを挟む

処理中です...