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32. 月夜に感じた不穏な気配
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「本が足りない……」
床に散らばっていた本達が全て本棚に戻り、一冊ずつ確認していたレアスが、本が少ないことに気づいて、呆然と立ち尽くしていた
「消えたの?それとも誰が持っていったの……」
本の隙間に手を伸ばし呟くと、部屋の中を見渡して付近に落ちていないかと確認するが、やはり本は見当たらず、グッと強く手を握った
「どうしよう、このままじゃ……。でも、ララもいないし……それに」
そう言うと、部屋の入り口近くにある本棚から数冊本を取りだして読みはじめた。しばらくして、何冊か強く抱きしめると、ふぅ。と一つ深呼吸をして、部屋の扉に手を掛けた
「探しに行かなきゃ。早く本棚に戻さないと……」
「あれ?寝ちゃってた……」
レアスが部屋から出てしばらく経った頃、メルガのお腹を枕にして眠っていたツムギが目を覚ました。少しボーッとしながらもゆっくり体を起こして、側でぎゅっと抱きしめあい眠るルトとララを見て、クスッと笑った
「……飲み物あったかな」
そう言い立ち上がると、メルガも顔を上げて、ツムギの後ろ姿を見つめる。部屋の隅にある小さな冷蔵庫を開けて、冷えた水を取り出した
「メルガ、お水飲む?」
ツムギの問いかけに、小さく頷くメルガ。それを見て、ツムギがまたクスッと笑った
「ちょっと待ってね。メルガが飲めそうな容器あるかな……」
冷蔵庫の隣に置いていた小さな平皿を見つけそれを手に取った時、ふと部屋の中で不穏な雰囲気を感じ部屋の中をキョロキョロと見渡しはじめた
「気のせいかな……」
窓から見える月を見つめ首をかしげていると、ルトとララを背中に乗せたメルガがツムギの隣に来て、手にすり寄ってきた
「喉乾いてたの?ゴメンね」
慌てて平皿に水を入れて、メルガの前に置くと、一気に飲み干してしまった。少し驚きつつもおかわりの水を入れながら隣に座ってツムギも水を一口飲んで、ふぅ。とため息ついた
「レアス、大丈夫かな?」
ふと、レアスの事を思い出していると、水を飲み終えたメルガが寝転んで休みだした。メルガとルト、ララの頭を交互に撫でながら、のんびりしているとベッドに放り投げて、そのままにしていたカバンが目に入った
「そういえば、宿題どうしたっけ……」
ベッドの上にカバンをひっくり返し、教科書やノートが散らばり、
「この本持ってきちゃったんだ。でも、カバンに入れた覚えないけどなぁ」
本を持って、うーんと考え込んでいると心配になったのか、メルガがツムギの側に近寄ってきた
「レアスに明日返さなきゃだね」
メルガの頭を撫でながらそう言うとクスッと笑うツムギ。ふぅ。とまたため息をつくと、ベッドの側にペタンと座るとメルガも横になると、またメルガのお腹を軽く頭を置いて枕代わりにすると、眠り続けるルトとララを撫でながら目を閉じた
「メルガ、そろそろ眠ろっか。朝早く起きて、またレアスに朝ご飯作んなきゃだからね」
床に散らばっていた本達が全て本棚に戻り、一冊ずつ確認していたレアスが、本が少ないことに気づいて、呆然と立ち尽くしていた
「消えたの?それとも誰が持っていったの……」
本の隙間に手を伸ばし呟くと、部屋の中を見渡して付近に落ちていないかと確認するが、やはり本は見当たらず、グッと強く手を握った
「どうしよう、このままじゃ……。でも、ララもいないし……それに」
そう言うと、部屋の入り口近くにある本棚から数冊本を取りだして読みはじめた。しばらくして、何冊か強く抱きしめると、ふぅ。と一つ深呼吸をして、部屋の扉に手を掛けた
「探しに行かなきゃ。早く本棚に戻さないと……」
「あれ?寝ちゃってた……」
レアスが部屋から出てしばらく経った頃、メルガのお腹を枕にして眠っていたツムギが目を覚ました。少しボーッとしながらもゆっくり体を起こして、側でぎゅっと抱きしめあい眠るルトとララを見て、クスッと笑った
「……飲み物あったかな」
そう言い立ち上がると、メルガも顔を上げて、ツムギの後ろ姿を見つめる。部屋の隅にある小さな冷蔵庫を開けて、冷えた水を取り出した
「メルガ、お水飲む?」
ツムギの問いかけに、小さく頷くメルガ。それを見て、ツムギがまたクスッと笑った
「ちょっと待ってね。メルガが飲めそうな容器あるかな……」
冷蔵庫の隣に置いていた小さな平皿を見つけそれを手に取った時、ふと部屋の中で不穏な雰囲気を感じ部屋の中をキョロキョロと見渡しはじめた
「気のせいかな……」
窓から見える月を見つめ首をかしげていると、ルトとララを背中に乗せたメルガがツムギの隣に来て、手にすり寄ってきた
「喉乾いてたの?ゴメンね」
慌てて平皿に水を入れて、メルガの前に置くと、一気に飲み干してしまった。少し驚きつつもおかわりの水を入れながら隣に座ってツムギも水を一口飲んで、ふぅ。とため息ついた
「レアス、大丈夫かな?」
ふと、レアスの事を思い出していると、水を飲み終えたメルガが寝転んで休みだした。メルガとルト、ララの頭を交互に撫でながら、のんびりしているとベッドに放り投げて、そのままにしていたカバンが目に入った
「そういえば、宿題どうしたっけ……」
ベッドの上にカバンをひっくり返し、教科書やノートが散らばり、
「この本持ってきちゃったんだ。でも、カバンに入れた覚えないけどなぁ」
本を持って、うーんと考え込んでいると心配になったのか、メルガがツムギの側に近寄ってきた
「レアスに明日返さなきゃだね」
メルガの頭を撫でながらそう言うとクスッと笑うツムギ。ふぅ。とまたため息をつくと、ベッドの側にペタンと座るとメルガも横になると、またメルガのお腹を軽く頭を置いて枕代わりにすると、眠り続けるルトとララを撫でながら目を閉じた
「メルガ、そろそろ眠ろっか。朝早く起きて、またレアスに朝ご飯作んなきゃだからね」
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