デスパレートレアス

シャオえる

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33. 優しさに甘えて

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「ツムギ!おはよう。朝だよ、起きてる?」
 コンコンとツムギの部屋の扉を叩いているナオとカホ。その二人の肩でナツメとココが不安そうな顔でツムギが出てくるのを待っている
「朝……」
 何度か扉を叩いて呼んでいると、やっと目が覚めたツムギ。体を起こし、うつらうつらと目を擦りながら、部屋の扉を開けると、ナオとカホがツムギを見て、ホッと胸を撫で下ろした
「よかった。倒れてるのかと思ったよ」
 ナオがツムギに話していると、ナツメとココがツムギの肩に乗って頬を擦りだすと、少しずつ目が覚めてきたツムギ。ナオとカホが心配そうな顔をしていることに気づいてエヘヘと笑った
「ナオ、カホ……。おはよう」
「おはよう。今、起きたの?」
「うん、今何時……」
「今何時って……。もう遅刻する時間だよ」
「えっ、もうそんな時間なの……。どうしよう」
 慌てて部屋に戻って時計を見ると、起きようと思っていた時間より大分時間が過ぎていて、しょんぼりしていると、ナオとカホがツムギの部屋に入ってきた



「ルトとララ、寝てるの?」
 メルガに寄り添うように眠るルトとララを見て、カホがツムギに声をかけると、
「うん、そう……」
 ナツメとココが、寝ているルトとララの体をゆすって起こしても、起きる気配のないルトとララ。体の上で暴れる二人に迷惑そうなメルガ。その様子を見ていたナオが、はぁ。とため息ついて、ツムギに話しかけた
「今日は学園休む?」
「でも……メルガもリン先生に渡さなきゃいけないし」
「メルガとツムギは今日、寮で休んでるって、私達がリン先生に伝えるよ」
「それに、ルト起きないなら、実技の授業受けれないでしょ」
 二人にそう言われて、少し考え込むツムギ。その間もナツメとココが、ルトとララを無理やり起こそうと頬を叩いている
「……そうだね。じゃあ午後から学園に行くよ」
「わかった。ちゃんと休んで来るんだよ」
「何かあったら連絡してね」
「うん、ありがと」
 ナツメとココを抱きしめて、ツムギの部屋を出ていったナオとカホ。パタンと扉が閉じると、ふぅ。と一つため息をつくと、ツムギを見つめているメルガに気づいて、ゴロンとまたメルガのお腹を枕にして二度寝をしようと目を閉じた
「メルガ。後でお着替えしたら、レアスの家に行ってみよう。本を早く返さないとレアスにまた怒られるもんね」
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