デスパレートレアス

シャオえる

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35. 面倒なことになる前に

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「おや、君たちは……」
 ツムギがレアスの家に着いた頃、ナオとカホも学園に着いて、教室に向かう途中に、リンと偶然出会っていた
「リン先生、おはようございます」
 ナオとカホもリンに気づいて挨拶をすると、リンも二人に手を振り挨拶をする
「おはよう。君たちはツムギ君と同じグループだったと思うが……」
 二人しかいないことに気づいて困ったように話しかけると、ナオとカホも困った顔をしてリンに話をする
「メルガですか?ツムギと一緒に寮にいますよ」
「あまり、体調も良くなさそうでしたし、ルトとララもメルガに寄り添って寝ていたので、今日は休むように私達が言ったんです」
「そうか、それは困ったな……」
 リンがそう呟くと同時に学園にチャイムが鳴り響き、近くにいた生徒達がバタバタと騒がしく走り出した

「君達も急がないと遅刻するぞ」
「はい、失礼します」
 リンにお辞儀をして、ナオとカホもバタバタと急ぎ足で教室へと向かっていく。その後ろ姿をニコニコと微笑み手を振るリン。すぐに、騒がしかった廊下が静かになり、思わずはぁ。とため息をついた
「困ったな……。メルガをどうしようか」
 そのまま廊下に立ったまま、どうしようかと悩んでいると職員室に向かう途中のニーナとククルがリンを見つけ、ククルが大声で叫んだ
「いた!リン!」
 突然後ろから聞こえてきた声に、少し驚きつつ振り向くと、ククルが怒った顔でリンの所に歩いてきた
「昨日、報告書持ってくると思って待ってたのよ!どこ行ってたの?」
「いや、急に予定が入ってね」
 ククルの怒った声と表情に、ニコニコと笑って話を誤魔化そうとするリン。そんな態度に、ククルがムッとした顔でリンを見ているとククルの後を追いかけてきたニーナが、リンが一人な事に気づいて、ククルの後ろからひょこっと顔を出して不思議そうに声をかけた

「あれ?リンさん、メルガは?」
「ああ、部屋で休んでるよ。今から呼びに行く所さ」
「ふーん……」
 リンの話を信じていないような顔で返事をするククル。そんな態度にも気にせずリンがククルの肩をポンッと軽く触れた
「そういうわけだから、ニーナ。実技の授業を僕の代わりに担当しておいておくれ」
「ちょっと、リン!」
 離れてくリンの後ろ姿に叫ぶククル。周りにいた職員達がその声に驚いて振り向く中、すぐにリンの姿が見えなくなり、ククルがはぁ。とため息をついた
「リンさん、ちょっと様子が変でしたね」
「リンが変なのはいつもの事よ。それより、授業どうするのよ……」
 怒った様子で返事をするククルに、苦笑いしながら背中を擦るニーナ。いつの間にか周りにいた職員達もいなくなって、廊下には二人だけになってい。そんな中、ククルとニーナと別れた後のリンは、裏庭で一人空を見上げ、ため息混じりに一人言を呟いていた
「メルガを呼び戻しに行かねばならないか。また面倒な事を起こしていなければいいが……」
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