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39. この思いはあなたのために
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「喉乾いた……」
ツムギ達が買い物に出掛けてから、しばらく経った頃、熟睡していたレアスが目を覚まし、少しボーッとしながら、一階のリビングに降りていた
「ララ?いないの?」
騒がしいと思っていたリビングが静かでララがいる気配もなく、少ししょんぼりとしながら、飲み物を取りにキッチンへと歩いていく
「頭痛い……。術を使いすぎか……」
そう言いながら頭を擦り冷蔵庫を開けて、冷えたお茶を一口飲むと、ふぅ。と深呼吸をした。カタンと音を鳴らしてコップをテーブルに置くと、ゆっくり歩いて本棚のある部屋へと歩いていった
「持っていかれた本と合わせても、やっぱり足りない……。むしろ、減ってる?」
本棚のある部屋の中を歩いていると、ふと違和感を感じて、部屋中を確認していくレアス。だが、段々と頭痛が酷くなり、足元がおぼつかなくなっていく
「早くどうにかしないと……でも……」
視界がふらふらとしてきて、本棚に手を掛ける。部屋に戻ろうと振り向いた時、よろけてしまい倒れてしまった。立ち上がろうとしても体が動かず、そのまま目を閉じ眠ってしまった
「ただいま!レアス、起きてる?帰ってきたよ!」
レアスが倒れてすぐ、ガチャと勢いよく玄関の扉を開けて、ツムギ達が家の中に入ってきて、静かだったレアスの家がまた騒がしくなった
「二人とも、ここに置かないで、ちゃんとキッチンまで……」
買い物袋を分けあって運んでいたルトとララが、疲れて廊下で休んでいると、先にキッチンに向かっていたツムギが声をかけると、ふと本棚のある部屋の扉が少し開いている事に気づいた
「あれ?この部屋、閉めていたよね」
ツムギの言葉に、ルトとララも本棚の部屋に目を向ける。開いている扉の隙間から本棚の部屋を覗くツムギの肩に二人とも乗ると、そーっと扉を開けて、恐る恐る部屋の中へと入っていく。本で散らばっていたはずの部屋が片付けられ綺麗になった部屋の壁を伝い歩いていくと、ちょうどツムギが、本を読んだ場所にレアスがいるのを見つけ、慌てて駆け寄っていく
「レアス!大丈夫?」
声をかけながらレアスの体を抱きしめると、体は熱くぐったりとして動かない
「すごい熱。ルトとララ、早くレアスをお部屋に……」
ルトとララが頷き、ツムギがレアスをおんぶしようとしたその時、本棚がガタガタと大きく揺れ始めた
「また本が……」
ツムギが本棚を見てそう呟いていると、数冊の本が、本棚から飛び出しふわりと浮かびだした
「ルト、ララ。私の側から離れないで……」
レアスをぎゅっと抱きしめ、不安そうにしているルトとララに呟くと、レアスとツムギの体の間に挟まるように入った二人。その間にも、本棚から本が飛び出しツムギの真上にも本が浮かぶ
「ルト。何かあったらすぐ部屋を出るから、すぐに術を使えるようにしてて……」
本を見ながらルトに話しかけると、緊迫した様子でルトが頷く。すると、ツムギの真上にあった本が、パラパラとページがめくられ、そのままツムギの前に舞い降りてきた
「なに?」
恐る恐る本を見ていると、ララがその本に乗り、険しい顔をして本を読みはじめた。その様子を不安そうにツムギとルトが見守っていると、ララが急に振り向いて開かれたページを指差し、ツムギに向かってじたばたと動きだした
「本を読むの?ダメだよ。勝手に読んだらまたレアスが怒っちゃうもん」
そう言い嫌がるツムギの腕をララが強く引っ張って、無理やり本を読まそうとするせいで、レアスの体が大きく揺れる。慌ててレアスの体を強く抱きしめて揺れないように、必死に押さえながらララに声をかける
「わかった、読むから引っ張らないで」
観念したツムギが、ふぅ。と深呼吸をして、ララがツムギが読めるように近づけた本を恐る恐る見始めた
「えー、知らない魔術だよ、きっと……」
と、不安げながらも書かれている文字を読み始めたツムギ。その様子をルトとララも不安そうな顔で見守っていると、ツムギがパタンと本を閉じた
「……ルト。おいで」
ツムギに呼ばれてルトが肩に乗る。ララが二人の様子を見守るなか、ふぅ。とまた深呼吸をすると、抱きしめていたレアスを床にそっと置いて、本を持ちゆっくりと立ち上がった
「この魔術は、もしかしたら失敗するかもしれない。でも試してみよう。レアスのためになるかもしれない」
ツムギ達が買い物に出掛けてから、しばらく経った頃、熟睡していたレアスが目を覚まし、少しボーッとしながら、一階のリビングに降りていた
「ララ?いないの?」
騒がしいと思っていたリビングが静かでララがいる気配もなく、少ししょんぼりとしながら、飲み物を取りにキッチンへと歩いていく
「頭痛い……。術を使いすぎか……」
そう言いながら頭を擦り冷蔵庫を開けて、冷えたお茶を一口飲むと、ふぅ。と深呼吸をした。カタンと音を鳴らしてコップをテーブルに置くと、ゆっくり歩いて本棚のある部屋へと歩いていった
「持っていかれた本と合わせても、やっぱり足りない……。むしろ、減ってる?」
本棚のある部屋の中を歩いていると、ふと違和感を感じて、部屋中を確認していくレアス。だが、段々と頭痛が酷くなり、足元がおぼつかなくなっていく
「早くどうにかしないと……でも……」
視界がふらふらとしてきて、本棚に手を掛ける。部屋に戻ろうと振り向いた時、よろけてしまい倒れてしまった。立ち上がろうとしても体が動かず、そのまま目を閉じ眠ってしまった
「ただいま!レアス、起きてる?帰ってきたよ!」
レアスが倒れてすぐ、ガチャと勢いよく玄関の扉を開けて、ツムギ達が家の中に入ってきて、静かだったレアスの家がまた騒がしくなった
「二人とも、ここに置かないで、ちゃんとキッチンまで……」
買い物袋を分けあって運んでいたルトとララが、疲れて廊下で休んでいると、先にキッチンに向かっていたツムギが声をかけると、ふと本棚のある部屋の扉が少し開いている事に気づいた
「あれ?この部屋、閉めていたよね」
ツムギの言葉に、ルトとララも本棚の部屋に目を向ける。開いている扉の隙間から本棚の部屋を覗くツムギの肩に二人とも乗ると、そーっと扉を開けて、恐る恐る部屋の中へと入っていく。本で散らばっていたはずの部屋が片付けられ綺麗になった部屋の壁を伝い歩いていくと、ちょうどツムギが、本を読んだ場所にレアスがいるのを見つけ、慌てて駆け寄っていく
「レアス!大丈夫?」
声をかけながらレアスの体を抱きしめると、体は熱くぐったりとして動かない
「すごい熱。ルトとララ、早くレアスをお部屋に……」
ルトとララが頷き、ツムギがレアスをおんぶしようとしたその時、本棚がガタガタと大きく揺れ始めた
「また本が……」
ツムギが本棚を見てそう呟いていると、数冊の本が、本棚から飛び出しふわりと浮かびだした
「ルト、ララ。私の側から離れないで……」
レアスをぎゅっと抱きしめ、不安そうにしているルトとララに呟くと、レアスとツムギの体の間に挟まるように入った二人。その間にも、本棚から本が飛び出しツムギの真上にも本が浮かぶ
「ルト。何かあったらすぐ部屋を出るから、すぐに術を使えるようにしてて……」
本を見ながらルトに話しかけると、緊迫した様子でルトが頷く。すると、ツムギの真上にあった本が、パラパラとページがめくられ、そのままツムギの前に舞い降りてきた
「なに?」
恐る恐る本を見ていると、ララがその本に乗り、険しい顔をして本を読みはじめた。その様子を不安そうにツムギとルトが見守っていると、ララが急に振り向いて開かれたページを指差し、ツムギに向かってじたばたと動きだした
「本を読むの?ダメだよ。勝手に読んだらまたレアスが怒っちゃうもん」
そう言い嫌がるツムギの腕をララが強く引っ張って、無理やり本を読まそうとするせいで、レアスの体が大きく揺れる。慌ててレアスの体を強く抱きしめて揺れないように、必死に押さえながらララに声をかける
「わかった、読むから引っ張らないで」
観念したツムギが、ふぅ。と深呼吸をして、ララがツムギが読めるように近づけた本を恐る恐る見始めた
「えー、知らない魔術だよ、きっと……」
と、不安げながらも書かれている文字を読み始めたツムギ。その様子をルトとララも不安そうな顔で見守っていると、ツムギがパタンと本を閉じた
「……ルト。おいで」
ツムギに呼ばれてルトが肩に乗る。ララが二人の様子を見守るなか、ふぅ。とまた深呼吸をすると、抱きしめていたレアスを床にそっと置いて、本を持ちゆっくりと立ち上がった
「この魔術は、もしかしたら失敗するかもしれない。でも試してみよう。レアスのためになるかもしれない」
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