デスパレートレアス

シャオえる

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42. 嫌な雰囲気を和ます音

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「お母様……。ごめんなさい。本はちゃんと私が直すから……」
 本棚に本を戻しながら呟くレアス。本棚に戻した本に手を掛けて、うつむき立ち尽くしていると、ドタバタと走る足音とガチャガチャと食器の音がレアスのいる部屋まで聞こえて、はぁ。と深くため息をついた




「ルト、それはあのテーブルに置いてて!ララ、勝手に食べちゃダメだよ!」
 ドタバタと騒がしい音の正体は、ツムギ達がキッチンで買ってきた食材を片付けたり、テーブルに出したりしていた。その騒がしい音を聞きつけ駆けつけたレアスが呆れた顔をして声をかけた
「ララ……何をしているの?」
 レアス声に、一斉に振り向くツムギ達。レアスも急に見られて一歩後退りをしていると、ツムギがニコッと笑って買い物袋から食材を取り出した
「ご飯作るの!レアス、倒れてたからね、ちゃんと食べないとダメだから」
 ツムギの言葉を聞いて、ルトとララが頷いている。呆然としているレアスを横目に、買い物袋から、まだまだある食材を取り出していると、ふと何か思い付いた顔をしてレアスの方に振り向いた
「そうだ!後でナオとカホも呼んで、みんなで食べる?ココとナツメも一緒だと楽しいもんね。それに元々同じ実技のグループ……」
「ふざけないでよ!」
 ツムギのご機嫌な話を遮るように叫んだレアス。その大声に驚いて、ツムギ達の動きが止まった
「どうして、あなたはそんな平気でいれるの?この本は私の大切な本!お母様が私のために残してくれた私のための魔術が書かれているのにどうして!」
 震える声で叫ぶレアスに、うろたえたずツムギ。ルトとララもレアスの気迫に怯え、ツムギの背中に隠れた

「そ、そんなこと言われても……でも、レアス倒れてたし、使わなきゃって……」
「本棚にある本のほとんどは、ララと私でもとても扱いづらいとても難しい本。すぐ読んだだけで扱える本じゃない。なのにあなたはどうして……」
「えっと、何を言ってるの?私はただ……」
 か細い声で呟くレアスの言葉が聞こえず、困ったようにツムギが声をかけると、レアスがキッとツムギを睨んだ。それを見たツムギが後退りしてエヘヘと苦笑いしていると、突然ぐぅ。とお腹の音がキッチンに響いた。その大きなお腹の音にキョトンとするツムギ。ルトとララもその音を聞いて首をかしげていると、レアスが背を向けうつ向いた。その様子を見たツムギが、またエヘヘと笑って、レアスに近づくと手をぎゅっと握りしめた
「ご飯食べてからお話ししよう。気持ちもきっと落ち着くよ」
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