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43. 思い出が紡ぐ場所
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「相変わらず、すごい本の数ですね」
ほの暗い場所にうっすらと灯火の影に写る人影に、クスクスと微笑み話しかけるリン。その声を聞いて人影が読んでいた本をパタンと閉じ、少し振り向いた
「魔術だけの本をこんなに集めても、使えないでしょうにね。そう思わない?」
クスクスと話すリンの言葉を聞きながら、側にある本棚に持っていた本を戻すと機嫌が悪そうに、はぁ。とため息つくと、話しかける人影がリンの所へと歩いていく
「よくここが分かったね」
そう言いながらリンに近づいて来る人影の顔が薄暗い部屋の中、やっと見えて機嫌の悪そうな顔をしたミナモがリンを見て、ふぅ。とまたため息をついた
「君の前は僕がこの本棚を管理していたからね」
そう言いながら、近くにあった本棚から一冊取り出し読み始めたリン。ふと、ミナモを見るとリンの言葉に驚いてい言葉を失っていた
「あれ?知らなかったの?」
ミナモの様子を見て、クスッと笑い話しかけていると、強い風が突然吹き荒れ、リンが持っていた本が落ちた。メルガが落ちたその本を咥えてリンのところに持っていくと、再び強い風が吹いた。するとミナモの隣に本を咥えたクロウが現れ、その本を受け取ったミナモが、本をめくり本の中を読みはじめた
「その本は、君のお父さんが好きだった本だね。今から持っていくの?」
クロウが持ってきた本を見て、懐かしそうに話すリンを横目に、本を持ち歩き出すミナモ。その後ろ姿を見て、リンが声をかけた
「会いに行くなら、元気だって僕のことも伝えててよ」
懐かしそうに話すリンの言葉を聞いて、ミナモが歩いていた足を止め少し振り向いた
「……この本棚に戻らないのか?」
「あの本だって、この本棚で眠れば、更に魔術が強く良くなることだって、分かるはず」
「えー。面倒だもん。本棚を守るのは合わなくて、辞めるの大変だったからね。ねえ、メルガ」
ミナモに返事をしながら隣にいるメルガの頭を撫でるリン。その様子を怪訝な顔をしてミナモが見ている
「そうだ。ミナモも学園に来ない?魔力の不安定な子達を見守る人はたくさんいた方がいいし、僕も休めるし」
リンの言葉を聞いて、嫌そうにリンを睨むミナモ。その表情を見て、リンがクスッと笑った
「そんな怖い顔せずに、どう?一先ず遊びに来る?」
「……ここを出る。本を読むなら本棚を散らかさないように」
「えー、もうちょっと話そうよ」
呼び止めるリンの声を無視して、暗闇の中を、あるいていくミナモの姿がすぐ見えなくなり、またクスッと笑うと、部屋の奥へとメルガと一緒に歩きだした
「確か、この辺りにあったはず……」
本棚を見て回り、ミナモと会った場所から大分遠く歩いた場所にある本棚を見つけて本に手を伸ばす。本に少しついていた埃を手ではたくと、その本の表紙を見て、懐かしそうに本を開いた
「懐かしい本だ……。もう見ることはないと思っていたのに、不思議なものだね」
ほの暗い場所にうっすらと灯火の影に写る人影に、クスクスと微笑み話しかけるリン。その声を聞いて人影が読んでいた本をパタンと閉じ、少し振り向いた
「魔術だけの本をこんなに集めても、使えないでしょうにね。そう思わない?」
クスクスと話すリンの言葉を聞きながら、側にある本棚に持っていた本を戻すと機嫌が悪そうに、はぁ。とため息つくと、話しかける人影がリンの所へと歩いていく
「よくここが分かったね」
そう言いながらリンに近づいて来る人影の顔が薄暗い部屋の中、やっと見えて機嫌の悪そうな顔をしたミナモがリンを見て、ふぅ。とまたため息をついた
「君の前は僕がこの本棚を管理していたからね」
そう言いながら、近くにあった本棚から一冊取り出し読み始めたリン。ふと、ミナモを見るとリンの言葉に驚いてい言葉を失っていた
「あれ?知らなかったの?」
ミナモの様子を見て、クスッと笑い話しかけていると、強い風が突然吹き荒れ、リンが持っていた本が落ちた。メルガが落ちたその本を咥えてリンのところに持っていくと、再び強い風が吹いた。するとミナモの隣に本を咥えたクロウが現れ、その本を受け取ったミナモが、本をめくり本の中を読みはじめた
「その本は、君のお父さんが好きだった本だね。今から持っていくの?」
クロウが持ってきた本を見て、懐かしそうに話すリンを横目に、本を持ち歩き出すミナモ。その後ろ姿を見て、リンが声をかけた
「会いに行くなら、元気だって僕のことも伝えててよ」
懐かしそうに話すリンの言葉を聞いて、ミナモが歩いていた足を止め少し振り向いた
「……この本棚に戻らないのか?」
「あの本だって、この本棚で眠れば、更に魔術が強く良くなることだって、分かるはず」
「えー。面倒だもん。本棚を守るのは合わなくて、辞めるの大変だったからね。ねえ、メルガ」
ミナモに返事をしながら隣にいるメルガの頭を撫でるリン。その様子を怪訝な顔をしてミナモが見ている
「そうだ。ミナモも学園に来ない?魔力の不安定な子達を見守る人はたくさんいた方がいいし、僕も休めるし」
リンの言葉を聞いて、嫌そうにリンを睨むミナモ。その表情を見て、リンがクスッと笑った
「そんな怖い顔せずに、どう?一先ず遊びに来る?」
「……ここを出る。本を読むなら本棚を散らかさないように」
「えー、もうちょっと話そうよ」
呼び止めるリンの声を無視して、暗闇の中を、あるいていくミナモの姿がすぐ見えなくなり、またクスッと笑うと、部屋の奥へとメルガと一緒に歩きだした
「確か、この辺りにあったはず……」
本棚を見て回り、ミナモと会った場所から大分遠く歩いた場所にある本棚を見つけて本に手を伸ばす。本に少しついていた埃を手ではたくと、その本の表紙を見て、懐かしそうに本を開いた
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