44 / 98
44. 二人のお願い事
しおりを挟む
「美味しいね!魔力も一気に戻りそう!」
向かいに座るレアスに笑顔で話しかけながら、ご飯を頬張るツムギ。再びたくさんのご飯を作り、テーブル一杯に溢れんばかりにご飯が並んでいる
「二人とも、溢しちゃうから落ち着いて食べて」
同じおかずを取り合いお皿やおかずを溢しそうになっているルトとララを止めるツムギ。レアスは気にせず淡々と食べ進めていく
「レアス。ご飯美味しい?」
「ええ。とても……」
レアスの返事に、エヘヘと笑うツムギ。ルトとララを抱きしめて、椅子に座り直しながら、レアスに話しかけた
「レアス。お料理上手だからこれからも作ってみたら?怪我も魔力もすぐ治るよ」
「……これ。ほとんど、あなたが作ったものだけど」
「そうだっけ?でも、隣にずっといたから、レアスが作ったことにしておこう」
「あなた、変わってるわね」
そうレアスがツムギに返事をしていると、ツムギがぎゅっと強く抱きしめていたルトとララが腕から離れて、各々ご飯を食べはじめた
「ねえレアス。そのあなたって言うの止めて、ツムギって呼んでよ。その方が私、もっとご飯美味しくなると思うんだけど、どう?」
「そう……。考えておくわ」
レアスの返事に、エヘヘと笑ってにやけが止まらないツムギ。お皿一杯におかずを入れるとレアスに渡して話しかけたりして、楽しい時間が過ぎていく
「ご馳走さま!ルト、ララ。お昼寝の前にお片付け終わらそう」
少しおかずを残して、お腹一杯になったのか、動かないルトとララに声をかけるツムギ。ガチャガチャと食器の音が鳴る中、レアスはのんびりと紅茶を飲んでいる。食器を持ってリビングから出ようと椅子から立ち上がった時、レアスが持っていたコップをカタンと音を立ててテーブルに置いた
「ちょっと……」
レアスの声が聞こえて振り向くと、レアスがゆっくりと椅子から立ち上がるとツムギの側を通り、リビングの扉を開けた
「あなたにお願いがあるの……」
「本当、たくさんの本だね」
食器の片付けをする前に、本棚のある部屋に連れてこられたツムギ。前に歩いた場所よりも更に奥、家の外観よりも広く感じるその部屋の中を見渡しながら歩いていく
「ここは、お母様が集めた本だけがあるの。集めたというより書いたというのが正しいけれど」
「こんなにたくさんの本を書いたの?レアスのお母さんスゴいね」
ツムギが本の数に驚いて、二人の会話が止まっても、まだまだ部屋の奥へと歩いていく。大分奥まで歩いて、少し部屋が暗くなってきた場所で立ち止まったレアス。本棚を見上げ、じーっと本棚を見つめているとツムギもレアスの見つめる先を見ると、レアスがツムギの肩に乗っているララを見た
「ララ。お願い」
レアスの言葉を聞いて、ララが頷き、レアスの指差す本棚の上へと飛びはじめた。姿が小さくなる程遠く高い本棚の上へと登ると、一冊の本を引っ張りだした。上手く取り出せず悪戦苦闘していると、見かねたルトがララの所まで飛んで、一緒に本を引っ張り出し、レアスの所まで運んでいった
「ありがとう」
ルトとララから本を受け取ると、二人の頭を撫でるレアス。その様子を見ていたツムギが微笑んでいると、レアスがツムギの方に振り向いて、本を差し出した
「この本を持ってて欲しいの。ララに何かあったら、すぐにこの本を読んで」
向かいに座るレアスに笑顔で話しかけながら、ご飯を頬張るツムギ。再びたくさんのご飯を作り、テーブル一杯に溢れんばかりにご飯が並んでいる
「二人とも、溢しちゃうから落ち着いて食べて」
同じおかずを取り合いお皿やおかずを溢しそうになっているルトとララを止めるツムギ。レアスは気にせず淡々と食べ進めていく
「レアス。ご飯美味しい?」
「ええ。とても……」
レアスの返事に、エヘヘと笑うツムギ。ルトとララを抱きしめて、椅子に座り直しながら、レアスに話しかけた
「レアス。お料理上手だからこれからも作ってみたら?怪我も魔力もすぐ治るよ」
「……これ。ほとんど、あなたが作ったものだけど」
「そうだっけ?でも、隣にずっといたから、レアスが作ったことにしておこう」
「あなた、変わってるわね」
そうレアスがツムギに返事をしていると、ツムギがぎゅっと強く抱きしめていたルトとララが腕から離れて、各々ご飯を食べはじめた
「ねえレアス。そのあなたって言うの止めて、ツムギって呼んでよ。その方が私、もっとご飯美味しくなると思うんだけど、どう?」
「そう……。考えておくわ」
レアスの返事に、エヘヘと笑ってにやけが止まらないツムギ。お皿一杯におかずを入れるとレアスに渡して話しかけたりして、楽しい時間が過ぎていく
「ご馳走さま!ルト、ララ。お昼寝の前にお片付け終わらそう」
少しおかずを残して、お腹一杯になったのか、動かないルトとララに声をかけるツムギ。ガチャガチャと食器の音が鳴る中、レアスはのんびりと紅茶を飲んでいる。食器を持ってリビングから出ようと椅子から立ち上がった時、レアスが持っていたコップをカタンと音を立ててテーブルに置いた
「ちょっと……」
レアスの声が聞こえて振り向くと、レアスがゆっくりと椅子から立ち上がるとツムギの側を通り、リビングの扉を開けた
「あなたにお願いがあるの……」
「本当、たくさんの本だね」
食器の片付けをする前に、本棚のある部屋に連れてこられたツムギ。前に歩いた場所よりも更に奥、家の外観よりも広く感じるその部屋の中を見渡しながら歩いていく
「ここは、お母様が集めた本だけがあるの。集めたというより書いたというのが正しいけれど」
「こんなにたくさんの本を書いたの?レアスのお母さんスゴいね」
ツムギが本の数に驚いて、二人の会話が止まっても、まだまだ部屋の奥へと歩いていく。大分奥まで歩いて、少し部屋が暗くなってきた場所で立ち止まったレアス。本棚を見上げ、じーっと本棚を見つめているとツムギもレアスの見つめる先を見ると、レアスがツムギの肩に乗っているララを見た
「ララ。お願い」
レアスの言葉を聞いて、ララが頷き、レアスの指差す本棚の上へと飛びはじめた。姿が小さくなる程遠く高い本棚の上へと登ると、一冊の本を引っ張りだした。上手く取り出せず悪戦苦闘していると、見かねたルトがララの所まで飛んで、一緒に本を引っ張り出し、レアスの所まで運んでいった
「ありがとう」
ルトとララから本を受け取ると、二人の頭を撫でるレアス。その様子を見ていたツムギが微笑んでいると、レアスがツムギの方に振り向いて、本を差し出した
「この本を持ってて欲しいの。ララに何かあったら、すぐにこの本を読んで」
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる