デスパレートレアス

シャオえる

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44. 二人のお願い事

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「美味しいね!魔力も一気に戻りそう!」
 向かいに座るレアスに笑顔で話しかけながら、ご飯を頬張るツムギ。再びたくさんのご飯を作り、テーブル一杯に溢れんばかりにご飯が並んでいる
「二人とも、溢しちゃうから落ち着いて食べて」
 同じおかずを取り合いお皿やおかずを溢しそうになっているルトとララを止めるツムギ。レアスは気にせず淡々と食べ進めていく

「レアス。ご飯美味しい?」
「ええ。とても……」
 レアスの返事に、エヘヘと笑うツムギ。ルトとララを抱きしめて、椅子に座り直しながら、レアスに話しかけた
「レアス。お料理上手だからこれからも作ってみたら?怪我も魔力もすぐ治るよ」
「……これ。ほとんど、あなたが作ったものだけど」
「そうだっけ?でも、隣にずっといたから、レアスが作ったことにしておこう」
「あなた、変わってるわね」
 そうレアスがツムギに返事をしていると、ツムギがぎゅっと強く抱きしめていたルトとララが腕から離れて、各々ご飯を食べはじめた
「ねえレアス。そのあなたって言うの止めて、ツムギって呼んでよ。その方が私、もっとご飯美味しくなると思うんだけど、どう?」
「そう……。考えておくわ」
 レアスの返事に、エヘヘと笑ってにやけが止まらないツムギ。お皿一杯におかずを入れるとレアスに渡して話しかけたりして、楽しい時間が過ぎていく




「ご馳走さま!ルト、ララ。お昼寝の前にお片付け終わらそう」
 少しおかずを残して、お腹一杯になったのか、動かないルトとララに声をかけるツムギ。ガチャガチャと食器の音が鳴る中、レアスはのんびりと紅茶を飲んでいる。食器を持ってリビングから出ようと椅子から立ち上がった時、レアスが持っていたコップをカタンと音を立ててテーブルに置いた
「ちょっと……」
 レアスの声が聞こえて振り向くと、レアスがゆっくりと椅子から立ち上がるとツムギの側を通り、リビングの扉を開けた
「あなたにお願いがあるの……」





「本当、たくさんの本だね」
 食器の片付けをする前に、本棚のある部屋に連れてこられたツムギ。前に歩いた場所よりも更に奥、家の外観よりも広く感じるその部屋の中を見渡しながら歩いていく
「ここは、お母様が集めた本だけがあるの。集めたというより書いたというのが正しいけれど」
「こんなにたくさんの本を書いたの?レアスのお母さんスゴいね」
 ツムギが本の数に驚いて、二人の会話が止まっても、まだまだ部屋の奥へと歩いていく。大分奥まで歩いて、少し部屋が暗くなってきた場所で立ち止まったレアス。本棚を見上げ、じーっと本棚を見つめているとツムギもレアスの見つめる先を見ると、レアスがツムギの肩に乗っているララを見た

「ララ。お願い」
 レアスの言葉を聞いて、ララが頷き、レアスの指差す本棚の上へと飛びはじめた。姿が小さくなる程遠く高い本棚の上へと登ると、一冊の本を引っ張りだした。上手く取り出せず悪戦苦闘していると、見かねたルトがララの所まで飛んで、一緒に本を引っ張り出し、レアスの所まで運んでいった
「ありがとう」
 ルトとララから本を受け取ると、二人の頭を撫でるレアス。その様子を見ていたツムギが微笑んでいると、レアスがツムギの方に振り向いて、本を差し出した
「この本を持ってて欲しいの。ララに何かあったら、すぐにこの本を読んで」
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