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45. 不穏な気配を感じて
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「読まずに持ってて、って言われても……」
レアスの家で本を預かったその日の夜、寮に戻ったツムギがベッドに寝そべりながら本を見つめ困っていた
「気になる……。読むなって言わないで欲しかったな」
はぁ。とため息つきながら、ふとテーブルで美味しそうにジュースを飲むルトとララに目を向けた
「ねぇ、ララ。この本は何を書いているの?」
ツムギに話しかけられて、ちらっとツムギを見たララ。すぐに顔を背けて聞かない振りをして、ジュースを飲むと、その態度にムッときたルトがララの顔を叩いた。反撃するようにララもルトの頭を叩いたせいで、喧嘩が始まり、ツムギがはぁ。とまた大きなため息をついた
「でも、この本どこに置いておこうかな……」
喧嘩をするルトとララを通り、本の置き場を探して部屋の中をウロウロと動いていると、コンコンと部屋の扉を叩く音が響いた
「はい。どうぞ」
扉に向かって返事をすると、部屋の扉が開いてすぐナツメとココが勢いよく部屋に入ってきて、勢いそのままにルトにぎゅっと抱きついた
「ツムギ。体調どう?」
ナツメとココからほんの少し遅れて、ナオとカホも部屋に入ってきた。二人の姿を見るなり、駆け寄りぎゅっと抱きついた
「うん、元気だよ。心配かけてごめんね」
「そっか。良かった」
元気そうなツムギを見たナオが、ホッと胸を撫で下ろし、ツムギから離れるとベッドに座った。カホもツムギから離れると、数冊のノートをツムギに差し出した
「今日の授業の分。ちゃんと勉強するんだよ」
「ありがとう。助かるよー」
カホから受け取ったノートをレアスから預かった本と一緒に机に置いたツムギ。その様子を見ていたナオが見慣れない本を見て、不思議そうな顔でツムギに話しかけた
「今日、レアスに会いに行ったの?」
「うん、一応ね。元気だったよ」
「そっか、じゃあ明日から二人とも学園来れそうだね」
「うんうん、学園ではレアスはまだ行方不明だからね。早く元気な姿見せないと」
「そうだった。ニーナ先生に無事なことを知らせないと……」
と、ツムギ達が話していると、突然ララが部屋の窓の方に振り向いて、じーっと見つめた。動かなくなったララをルトとナツメ、ココが不思議そうに首をかしげてみていると、ララが窓に近づき、バンバンと窓を強く叩き出した
「ララ!窓が割れるからダメだよ!」
慌ててララを抱きしめて止めるツムギ。突然の出来事に、ナオやカホが呆然としているとララが窓を指差して大きく腕を振りだした
「窓を開けるの?」
ツムギの質問に何度も頷くララ。それを見て、抱きしめたまま窓を開けたツムギ。じーっと真っ暗な空を見つめるララと抱きしめるツムギの後ろ姿をナオやカホ、ルト達が心配そうに見守っていると、ララがツムギの腕から離れて、暗闇の空へと飛び立ってしまった
「ララ!待って!どこ行くの?」
慌てて手を伸ばしララを捕まえようとするツムギ。だが、間に合わずララの姿が遠くなっていく
「ちょっと、ヤバイんじゃない?」
ナオとカホが、ツムギの声に驚いて窓に来て空を見上げた。段々と見えなくなっていくララにツムギが焦りだしていると、机に置いていたレアスから預かった本を持ったルトが側に来てツムギに渡した。その本を受け取ったツムギは、ぎゅっと強く本を抱きしめ、ルトと一緒に窓から飛び出した
「私、ララを追いかけてくから。二人は先生が部屋に来たら、どうにか誤魔化して。ルト急いでいくよ!」
レアスの家で本を預かったその日の夜、寮に戻ったツムギがベッドに寝そべりながら本を見つめ困っていた
「気になる……。読むなって言わないで欲しかったな」
はぁ。とため息つきながら、ふとテーブルで美味しそうにジュースを飲むルトとララに目を向けた
「ねぇ、ララ。この本は何を書いているの?」
ツムギに話しかけられて、ちらっとツムギを見たララ。すぐに顔を背けて聞かない振りをして、ジュースを飲むと、その態度にムッときたルトがララの顔を叩いた。反撃するようにララもルトの頭を叩いたせいで、喧嘩が始まり、ツムギがはぁ。とまた大きなため息をついた
「でも、この本どこに置いておこうかな……」
喧嘩をするルトとララを通り、本の置き場を探して部屋の中をウロウロと動いていると、コンコンと部屋の扉を叩く音が響いた
「はい。どうぞ」
扉に向かって返事をすると、部屋の扉が開いてすぐナツメとココが勢いよく部屋に入ってきて、勢いそのままにルトにぎゅっと抱きついた
「ツムギ。体調どう?」
ナツメとココからほんの少し遅れて、ナオとカホも部屋に入ってきた。二人の姿を見るなり、駆け寄りぎゅっと抱きついた
「うん、元気だよ。心配かけてごめんね」
「そっか。良かった」
元気そうなツムギを見たナオが、ホッと胸を撫で下ろし、ツムギから離れるとベッドに座った。カホもツムギから離れると、数冊のノートをツムギに差し出した
「今日の授業の分。ちゃんと勉強するんだよ」
「ありがとう。助かるよー」
カホから受け取ったノートをレアスから預かった本と一緒に机に置いたツムギ。その様子を見ていたナオが見慣れない本を見て、不思議そうな顔でツムギに話しかけた
「今日、レアスに会いに行ったの?」
「うん、一応ね。元気だったよ」
「そっか、じゃあ明日から二人とも学園来れそうだね」
「うんうん、学園ではレアスはまだ行方不明だからね。早く元気な姿見せないと」
「そうだった。ニーナ先生に無事なことを知らせないと……」
と、ツムギ達が話していると、突然ララが部屋の窓の方に振り向いて、じーっと見つめた。動かなくなったララをルトとナツメ、ココが不思議そうに首をかしげてみていると、ララが窓に近づき、バンバンと窓を強く叩き出した
「ララ!窓が割れるからダメだよ!」
慌ててララを抱きしめて止めるツムギ。突然の出来事に、ナオやカホが呆然としているとララが窓を指差して大きく腕を振りだした
「窓を開けるの?」
ツムギの質問に何度も頷くララ。それを見て、抱きしめたまま窓を開けたツムギ。じーっと真っ暗な空を見つめるララと抱きしめるツムギの後ろ姿をナオやカホ、ルト達が心配そうに見守っていると、ララがツムギの腕から離れて、暗闇の空へと飛び立ってしまった
「ララ!待って!どこ行くの?」
慌てて手を伸ばしララを捕まえようとするツムギ。だが、間に合わずララの姿が遠くなっていく
「ちょっと、ヤバイんじゃない?」
ナオとカホが、ツムギの声に驚いて窓に来て空を見上げた。段々と見えなくなっていくララにツムギが焦りだしていると、机に置いていたレアスから預かった本を持ったルトが側に来てツムギに渡した。その本を受け取ったツムギは、ぎゅっと強く本を抱きしめ、ルトと一緒に窓から飛び出した
「私、ララを追いかけてくから。二人は先生が部屋に来たら、どうにか誤魔化して。ルト急いでいくよ!」
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