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54. 一人、思いを届けに
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「お待たせ。レアス、さっきはゴメンね」
手一杯にお菓子を持って、ルトと一緒にリビングに戻ってきたツムギ。元気よく大声でレアスに声をかけながらリビングの扉を開けるが、リビングには誰も居らず、テーブルには、レアスが飲み残した紅茶のコップが置かれているのを見て、不思議に思ったツムギとルトがリビングの中を見渡していく
「あれ?ララもいないの?」
ルトと顔を見合わせて首をかしげるツムギ。とりあえず、お菓子をテーブルに置いて、ふぅ。とため息をついた
「ララと本棚の部屋に行ったかな?」
そう思い、ルトと一緒に本棚の部屋に向かっていく。途中、別の部屋にもいないかと、キッチンやお風呂場も見てみても、レアスとララの姿はなく、はぁ。とため息ついている間には本棚の部屋の前に着いた
「レアス、いるの?」
本棚の部屋をそーっと開けながら、レアスを呼ぶが、返事もなく姿も見当たらない。本棚の部屋の扉から少し顔を出してキョロキョロと見渡し、やっぱり、付近に居ないのを見て、ふぅ。と深呼吸すると、恐る恐る部屋の中に入った
「レアスー。お菓子食べようよ。どこに……」
声をかけながら、部屋の中を歩いていると、すぐに背を向け座っているレアスを見つけた
「お母様が書いた本は私のために書いた本……。確かにお母様はそう言ってた」
ララを抱きしめ呟くレアスの元にツムギが恐る恐る近づいていく
「レアス……ララ……。どうしたの?」
うつ向くレアスの顔を覗きながら、声をかけるツムギ。すると、ララがレアスの手から離れてツムギの側にふわりと浮かんで近づいてきた。一方、レアスはうつ向いたまま、ララを抱きしめていた手が力なくペタンと地面についた
「レアス、どうしたの?私……」
と、ツムギが恐る恐るレアスの肩に振れようとしたその時、二人の側にあった本棚にあった本が数冊、地面に落ちてきた。その時落ちた音に驚いて、レアスを触れようとしていた手を離したツムギ。バタバタと落ちていく本にうろたえていると、後ろからドスンと降りた音が聞こえてきた
「大事な本なら、あまり無理して使わないようにしないと」
「リン先生、メルガ……なんで?」
声のする方に振り向きツムギの驚いた声に、リンがニコッと笑って返事をしていると、レアスが立ち上がり、部屋の奥へと一人歩きだした
「レアス、ちょっと待って!」
慌ててツムギが声をかけるが、振り向くことなく部屋の奥へと歩いてく
「追いかけるのかい?」
「はい!ルト、ララ。行こう!」
リンに頷き返事をすると、ルトとララを肩に乗せて走り出した
「待つんだ」
突然呼び止められて振り向くと、リンがメルガの頭を撫でていた
「メルガ。一緒に行ってあげて」
リンがそう言うと、メルガがふわりと飛んでツムギ達の側に着いた
「それと、その本をレアス君に」
メルガの背中に乗ってた本を見つけ手に取ると、ふと何か思い出したのか、本を持って慌てはじめた
「そういえば、レアスから預かってた本!」
慌ててメルガの背中に乗ると、リンの横を通って預かっていた本を取りにリビングへと走り出したツムギ。バタバタと聞こえている足音が聞こえて、リンがクスッと笑うと周りにある本棚を見つめた
「さてと、この本達に用があるが、主がいないなら帰ろうかな。メルガの好きなお菓子を買わなくちゃいけないし」
手一杯にお菓子を持って、ルトと一緒にリビングに戻ってきたツムギ。元気よく大声でレアスに声をかけながらリビングの扉を開けるが、リビングには誰も居らず、テーブルには、レアスが飲み残した紅茶のコップが置かれているのを見て、不思議に思ったツムギとルトがリビングの中を見渡していく
「あれ?ララもいないの?」
ルトと顔を見合わせて首をかしげるツムギ。とりあえず、お菓子をテーブルに置いて、ふぅ。とため息をついた
「ララと本棚の部屋に行ったかな?」
そう思い、ルトと一緒に本棚の部屋に向かっていく。途中、別の部屋にもいないかと、キッチンやお風呂場も見てみても、レアスとララの姿はなく、はぁ。とため息ついている間には本棚の部屋の前に着いた
「レアス、いるの?」
本棚の部屋をそーっと開けながら、レアスを呼ぶが、返事もなく姿も見当たらない。本棚の部屋の扉から少し顔を出してキョロキョロと見渡し、やっぱり、付近に居ないのを見て、ふぅ。と深呼吸すると、恐る恐る部屋の中に入った
「レアスー。お菓子食べようよ。どこに……」
声をかけながら、部屋の中を歩いていると、すぐに背を向け座っているレアスを見つけた
「お母様が書いた本は私のために書いた本……。確かにお母様はそう言ってた」
ララを抱きしめ呟くレアスの元にツムギが恐る恐る近づいていく
「レアス……ララ……。どうしたの?」
うつ向くレアスの顔を覗きながら、声をかけるツムギ。すると、ララがレアスの手から離れてツムギの側にふわりと浮かんで近づいてきた。一方、レアスはうつ向いたまま、ララを抱きしめていた手が力なくペタンと地面についた
「レアス、どうしたの?私……」
と、ツムギが恐る恐るレアスの肩に振れようとしたその時、二人の側にあった本棚にあった本が数冊、地面に落ちてきた。その時落ちた音に驚いて、レアスを触れようとしていた手を離したツムギ。バタバタと落ちていく本にうろたえていると、後ろからドスンと降りた音が聞こえてきた
「大事な本なら、あまり無理して使わないようにしないと」
「リン先生、メルガ……なんで?」
声のする方に振り向きツムギの驚いた声に、リンがニコッと笑って返事をしていると、レアスが立ち上がり、部屋の奥へと一人歩きだした
「レアス、ちょっと待って!」
慌ててツムギが声をかけるが、振り向くことなく部屋の奥へと歩いてく
「追いかけるのかい?」
「はい!ルト、ララ。行こう!」
リンに頷き返事をすると、ルトとララを肩に乗せて走り出した
「待つんだ」
突然呼び止められて振り向くと、リンがメルガの頭を撫でていた
「メルガ。一緒に行ってあげて」
リンがそう言うと、メルガがふわりと飛んでツムギ達の側に着いた
「それと、その本をレアス君に」
メルガの背中に乗ってた本を見つけ手に取ると、ふと何か思い出したのか、本を持って慌てはじめた
「そういえば、レアスから預かってた本!」
慌ててメルガの背中に乗ると、リンの横を通って預かっていた本を取りにリビングへと走り出したツムギ。バタバタと聞こえている足音が聞こえて、リンがクスッと笑うと周りにある本棚を見つめた
「さてと、この本達に用があるが、主がいないなら帰ろうかな。メルガの好きなお菓子を買わなくちゃいけないし」
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