57 / 98
57. ここは、帰り道の散歩道
しおりを挟む
「返して!それは、レアスから預かってる本なの!」
本を持つ男性に向かって叫ぶツムギ。だがその言葉を無視しながら本を読み進めていく人達。苛立つツムギが、本を取り返そうと、一歩踏み出そうとしたその時、ツムギのすぐ側からガサガサと草木が大きく揺れる音が響いた
「メルガ!」
聞き覚えのある声がすぐ側から聞こえてきて、驚き声のする方に振り向くと、息を切らしたレアスがツムギとメルガの背中でぐったりしているルトとララを見つけて駆け寄ってきた
「レアス……良かった。探したんだよ」
「あのね、そんなこと言ってる場合じゃ……」
緊迫した雰囲気とは違い、ホット胸を撫で下ろしながらレアスに話しかけるツムギに、レアスがララを抱きしめながら呆れたように言い返していると、レアスが出てき場所からミナモが遅れて現れた
「ミナモ。本はどうした?」
「今、探してます。ですが、その本では……」
ミナモの姿を見てすぐに問いかける男性に、戸惑いながら答えるミナモ。不穏な雰囲気が流れる中、レアスが男性が本を持っていることに気づいた
「あの本、あなたに渡した本……」
「えっと、ごめんなさい……」
レアスに睨まれながら話しかけられて、ツムギがうろたえながら深く頭を下げて謝っていると、パンッと本を閉じる音が響いた
「まあ、君たちが持っていても勿体ない本だ。ぜひこちらの本棚で預からせて貰おうか」
「そんなのダメだよ!それはレアスのお母さんの……」
「そうか、我らの邪魔ばかりする君がレアスというのか」
「邪魔って……。あなた達が私の邪魔をするくせに」
今度は話しかけてきた男性に向かってレアスが睨みながら返事をしていると、ツムギ達がいる場所から少し離れた場所からまた聞き覚えのある声が聞こえてきた
「メルガ、おいで」
と、その声を聞いて、メルガがルトを背中に乗せたままツムギ達の所に歩いてくるリンの隣までふわりと飛び跳ねた
「リンか。なぜ君も邪魔をする」
「通行の邪魔をしているのはあなた達ですよ。早々に帰って貰えると嬉しいのですが」
呆れながら答えるリンに、老人が思わずクスッと笑う
「そうだな。では、我々は失礼するよ」
「本を返して!」
「それは、本棚の思い次第というところかな」
そう言うとレアスの本を持ったまま歩き始めた男性達。慌ててレアスが追いかけていくが、使い魔を呼び姿を消していた。レアスの後を追いかけていたツムギが怒った顔で辺りを見渡しているレアスに、声をかけられずにいる二人の姿をリンがニコニコと見ていると、ミナモがため息まじりに、話しかけてきた
「リン、なぜここに?」
「メルガのおやつを買いにね、その帰りだよ」
ミナモの質問に、たくさんの袋を見せてリンが微笑んでいると、メルガの背中に乗って眠っていたルトとレアスに抱きしめられていたララも目を覚ました。それを見たリンがまたクスッと笑って、メルガの頭を撫でながらツムギ達に話しかけた
「君達の使い魔も目を覚ましたし、みんな疲れたでしょ。近くにミナモの家があるから、そこで休もう」
本を持つ男性に向かって叫ぶツムギ。だがその言葉を無視しながら本を読み進めていく人達。苛立つツムギが、本を取り返そうと、一歩踏み出そうとしたその時、ツムギのすぐ側からガサガサと草木が大きく揺れる音が響いた
「メルガ!」
聞き覚えのある声がすぐ側から聞こえてきて、驚き声のする方に振り向くと、息を切らしたレアスがツムギとメルガの背中でぐったりしているルトとララを見つけて駆け寄ってきた
「レアス……良かった。探したんだよ」
「あのね、そんなこと言ってる場合じゃ……」
緊迫した雰囲気とは違い、ホット胸を撫で下ろしながらレアスに話しかけるツムギに、レアスがララを抱きしめながら呆れたように言い返していると、レアスが出てき場所からミナモが遅れて現れた
「ミナモ。本はどうした?」
「今、探してます。ですが、その本では……」
ミナモの姿を見てすぐに問いかける男性に、戸惑いながら答えるミナモ。不穏な雰囲気が流れる中、レアスが男性が本を持っていることに気づいた
「あの本、あなたに渡した本……」
「えっと、ごめんなさい……」
レアスに睨まれながら話しかけられて、ツムギがうろたえながら深く頭を下げて謝っていると、パンッと本を閉じる音が響いた
「まあ、君たちが持っていても勿体ない本だ。ぜひこちらの本棚で預からせて貰おうか」
「そんなのダメだよ!それはレアスのお母さんの……」
「そうか、我らの邪魔ばかりする君がレアスというのか」
「邪魔って……。あなた達が私の邪魔をするくせに」
今度は話しかけてきた男性に向かってレアスが睨みながら返事をしていると、ツムギ達がいる場所から少し離れた場所からまた聞き覚えのある声が聞こえてきた
「メルガ、おいで」
と、その声を聞いて、メルガがルトを背中に乗せたままツムギ達の所に歩いてくるリンの隣までふわりと飛び跳ねた
「リンか。なぜ君も邪魔をする」
「通行の邪魔をしているのはあなた達ですよ。早々に帰って貰えると嬉しいのですが」
呆れながら答えるリンに、老人が思わずクスッと笑う
「そうだな。では、我々は失礼するよ」
「本を返して!」
「それは、本棚の思い次第というところかな」
そう言うとレアスの本を持ったまま歩き始めた男性達。慌ててレアスが追いかけていくが、使い魔を呼び姿を消していた。レアスの後を追いかけていたツムギが怒った顔で辺りを見渡しているレアスに、声をかけられずにいる二人の姿をリンがニコニコと見ていると、ミナモがため息まじりに、話しかけてきた
「リン、なぜここに?」
「メルガのおやつを買いにね、その帰りだよ」
ミナモの質問に、たくさんの袋を見せてリンが微笑んでいると、メルガの背中に乗って眠っていたルトとレアスに抱きしめられていたララも目を覚ました。それを見たリンがまたクスッと笑って、メルガの頭を撫でながらツムギ達に話しかけた
「君達の使い魔も目を覚ましたし、みんな疲れたでしょ。近くにミナモの家があるから、そこで休もう」
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる