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58. 勝手知ったる昔の家
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「はぁ。疲れた。ねえミナモ、飲み物貰ってもいい?」
ソファーに座り、ふぅ。とため息つきながら、部屋の入り口に立つミナモに話しかけると、その言葉に聞かないふりをしながら、ミナモがはぁ。とため息をついた
「あの……リン先生……」
一方、見知らぬ家に連れてこられて、戸惑うツムギは落ち着きなくリビングと思わしき部屋の中をキョロキョロと見渡している姿に、リンがクスッと笑う
「ここは、ミナモの家だよ。その前は、僕が住んでたんだよ」
「へー……」
ツムギとリンが話していると、ミナモが飲み物を取りに、リビングを出るのに気づいたツムギが慌ててミナモに声をかけた
「ミナモさん!私、お手伝います!」
パタパタとミナモの後を追いかけてくツムギとルトの後ろ姿をレアスに抱かれているララがジーッと見ていると、ルトがララに向かって手招きをして呼ぶ。困ったようにツムギ達とレアスの顔を何度も交互に見ていると、ララを抱きしめていたレアスの手が少し緩んだその隙に、ふわりと飛んでツムギの隣に向かっていく
「あの……ミナモさん」
ルトとララがツムギの両肩に乗っていると、ツムギがミナモ恐る恐る話しかける。だが、ミナモは無視したまま廊下歩いていく。その姿が少し怖くなったツムギがミナモからさっきよりも少し離れて歩いていると、廊下の曲がり角の少し手前で、ミナモが立ち止まり、すぐ側にある部屋を指差した
「キッチンはあっちだ。悪いが全員の分の飲み物を運んでほしい」
「……はい、わかりました」
指差す先を見ると、扉のない広そうなキッチンが見えて、ツムギが恐る恐るとミナモに返事をする
「それと、少し出かけるとリンに伝えといてくれ」
「……はい」
ツムギの返事を聞いて、廊下を再び歩き始めたミナモ。廊下の曲がり角を歩いて姿が見えなくなると、ミナモが教えたキッチンの中に入ると、レアスの家よりも大分広いキッチンに、ちょっと緊張しつつもルトとララと一緒に戸棚を開けたり、冷蔵庫を開けたりして、全員分の飲み物を探していく
「少し部屋を出るよ。メルガと一緒に、ツムギ君が来るまで、ここでゆっくりとしているといい」
ツムギがリビングから出た後のリビングでは、ララがいなくなってもなお、ソファーに座るでもなく、壁にもたれてずっとうつ向いていたレアスに、リンが話しかけていた。話しかけられて、ゆっくりと顔を上げてリンの顔を見るレアスに、リンがニコッと微笑む
「本は大丈夫だ。無下な扱いはしないだろうから」
「……でも」
「あの本は本棚次第で戻ってくる。あまり、気に病むこともない」
「……はい」
リンの言葉にか細い声で返事をしていると、メルガがレアスの側に来て、顔を手に擦り寄せて甘えてきた。それに答えるようにメルガの頭を優しく撫でるレアスを見て、リンがクスッと笑いながらリビングから出ていくと玄関の方へと歩きだした
「さてと、この部屋の本棚はまだあるといいが……。ミナモはちゃんと手入れをしているかな」
ソファーに座り、ふぅ。とため息つきながら、部屋の入り口に立つミナモに話しかけると、その言葉に聞かないふりをしながら、ミナモがはぁ。とため息をついた
「あの……リン先生……」
一方、見知らぬ家に連れてこられて、戸惑うツムギは落ち着きなくリビングと思わしき部屋の中をキョロキョロと見渡している姿に、リンがクスッと笑う
「ここは、ミナモの家だよ。その前は、僕が住んでたんだよ」
「へー……」
ツムギとリンが話していると、ミナモが飲み物を取りに、リビングを出るのに気づいたツムギが慌ててミナモに声をかけた
「ミナモさん!私、お手伝います!」
パタパタとミナモの後を追いかけてくツムギとルトの後ろ姿をレアスに抱かれているララがジーッと見ていると、ルトがララに向かって手招きをして呼ぶ。困ったようにツムギ達とレアスの顔を何度も交互に見ていると、ララを抱きしめていたレアスの手が少し緩んだその隙に、ふわりと飛んでツムギの隣に向かっていく
「あの……ミナモさん」
ルトとララがツムギの両肩に乗っていると、ツムギがミナモ恐る恐る話しかける。だが、ミナモは無視したまま廊下歩いていく。その姿が少し怖くなったツムギがミナモからさっきよりも少し離れて歩いていると、廊下の曲がり角の少し手前で、ミナモが立ち止まり、すぐ側にある部屋を指差した
「キッチンはあっちだ。悪いが全員の分の飲み物を運んでほしい」
「……はい、わかりました」
指差す先を見ると、扉のない広そうなキッチンが見えて、ツムギが恐る恐るとミナモに返事をする
「それと、少し出かけるとリンに伝えといてくれ」
「……はい」
ツムギの返事を聞いて、廊下を再び歩き始めたミナモ。廊下の曲がり角を歩いて姿が見えなくなると、ミナモが教えたキッチンの中に入ると、レアスの家よりも大分広いキッチンに、ちょっと緊張しつつもルトとララと一緒に戸棚を開けたり、冷蔵庫を開けたりして、全員分の飲み物を探していく
「少し部屋を出るよ。メルガと一緒に、ツムギ君が来るまで、ここでゆっくりとしているといい」
ツムギがリビングから出た後のリビングでは、ララがいなくなってもなお、ソファーに座るでもなく、壁にもたれてずっとうつ向いていたレアスに、リンが話しかけていた。話しかけられて、ゆっくりと顔を上げてリンの顔を見るレアスに、リンがニコッと微笑む
「本は大丈夫だ。無下な扱いはしないだろうから」
「……でも」
「あの本は本棚次第で戻ってくる。あまり、気に病むこともない」
「……はい」
リンの言葉にか細い声で返事をしていると、メルガがレアスの側に来て、顔を手に擦り寄せて甘えてきた。それに答えるようにメルガの頭を優しく撫でるレアスを見て、リンがクスッと笑いながらリビングから出ていくと玄関の方へと歩きだした
「さてと、この部屋の本棚はまだあるといいが……。ミナモはちゃんと手入れをしているかな」
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