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61. 呼ばれて知る気になる本
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「確か、この辺りに……」
リンがミナモのことを呟いているその頃、ミナモは本棚のある場所で薄暗い中、クロウと一緒に本を探し本棚を見て回っていた
「リンが持っていったのか……」
いくら探しても目当てのものは見つからず、一通り本棚を見終えて、入り口の方に着いてしまった
「クロウ帰ろうか。それとも、少し休んでからにするかい?」
頬を触りながらクロウに話していると、ミナモがいる場所から少し離れた場所からカタンと音が聞こえた。不思議に思ったミナモが、クロウと一緒にその音が聞こえた場所まで歩いていく
「この本は……」
床に落ちた本を見つけ手に取り、本の中を確認すると、はぁ。とため息ついてパタンと本を閉じた
「まだあったのか。仕方ない、持って帰ろう」
そう言うと、落ちてきた本を持って、本棚を後にしたミナモ。クロウに乗りツムギ達のいる自分の家まで空を飛び戻っていく
「はい、どうぞ」
その頃、ツムギが紅茶をいれたコップをレアスに渡して隣に座って一緒に紅茶を飲んでいた。ルトとララも落ち着いて紅茶を飲んで、のんびりと過ごしていると壁掛け時計に目が入り、ふとミナモの事を思い出しながら一口紅茶を飲んだ
「ミナモさん、遅いですね……」
「もうすぐ帰ってくるとは思うけど……」
リンが紅茶を飲みクスッと笑って答えると、ガタンと家のどこかの扉が開く音が聞こえてすぐリビングにミナモとクロウがやって来た
「お帰り、本棚はどうだった?」
「……変わりない」
リンに素っ気なく返事をしながら、紅茶を飲むレアスの隣に来るとミナモの本棚から落ちた本を差し出した
「本棚がこれを君にと」
「私に?」
本を受け取りページをめくるレアスを、本が気になるツムギが隣でそわそわと落ち着きなく見ている
「なになに?何の本なの?」
と、ツムギが話しかけるとパタンと本を閉じて、ぎゅっと抱きしめた。その様子を心配そうにツムギが見ていると、リンが窓を見て外がいつの間にか夕暮れなっている事に気づいた
「もうすぐ夜になる。暗くなる前に君達は帰らないと」
と、リンが言うとミナモが睨むようにリンを見ていると、レアスがソファーから立ち上がり側にいたララを抱きしめた
「ララ、帰りましょ」
そう言うと、ツムギとルトを置いて一人先にリビングから出ていったレアス。それを見てツムギとルトが戸惑いあたふたと狼狽えている
「二人とも帰り道が分からないだろうから、メルガと帰るといい。メルガは家に着いたら返してあげて」
と、名前を呼ばれて、リンの側で休んでいたメルガがうーんと背伸びをしてツムギの隣に来ると、メルガの背中にルトが飛び乗った
「分かりました。早くレアスの所に行こう」
と、メルガとルトに話しかけていると、ガタンと扉が開く音が聞こえて、慌てて音のする方に走ってく。遠くからツムギとレアスの声が聞こえて、リンがクスッと微笑んでいると、レアスが座っていた場所にミナモが座った
「あの本はなに?」
ティーコップに紅茶を注ぎ入れながら問いかけても、ミナモは無視してクロウの頭を撫でている。リンが入れたティーカップがミナモの前に置かれて、一口飲むと、少し不機嫌そうに話し始めた
「あの本は本棚から落ちて呼んだんだ。見る気もない」
「本当に?ミナモらしくないね」
ミナモの返事にクスッと笑い紅茶を飲んでいると、騒がしく聞こえていたツムギ達の声が聞こえなくなり、静かになったミナモの家。すると、ティーカップに残っていた紅茶を飲み干したリンが、立ち上がりうーんと背伸びをして、紅茶を飲むミナモに話しかけた
「さてと、今度は僕が本棚に行くから。散らかさないから安心してね」
リンがミナモのことを呟いているその頃、ミナモは本棚のある場所で薄暗い中、クロウと一緒に本を探し本棚を見て回っていた
「リンが持っていったのか……」
いくら探しても目当てのものは見つからず、一通り本棚を見終えて、入り口の方に着いてしまった
「クロウ帰ろうか。それとも、少し休んでからにするかい?」
頬を触りながらクロウに話していると、ミナモがいる場所から少し離れた場所からカタンと音が聞こえた。不思議に思ったミナモが、クロウと一緒にその音が聞こえた場所まで歩いていく
「この本は……」
床に落ちた本を見つけ手に取り、本の中を確認すると、はぁ。とため息ついてパタンと本を閉じた
「まだあったのか。仕方ない、持って帰ろう」
そう言うと、落ちてきた本を持って、本棚を後にしたミナモ。クロウに乗りツムギ達のいる自分の家まで空を飛び戻っていく
「はい、どうぞ」
その頃、ツムギが紅茶をいれたコップをレアスに渡して隣に座って一緒に紅茶を飲んでいた。ルトとララも落ち着いて紅茶を飲んで、のんびりと過ごしていると壁掛け時計に目が入り、ふとミナモの事を思い出しながら一口紅茶を飲んだ
「ミナモさん、遅いですね……」
「もうすぐ帰ってくるとは思うけど……」
リンが紅茶を飲みクスッと笑って答えると、ガタンと家のどこかの扉が開く音が聞こえてすぐリビングにミナモとクロウがやって来た
「お帰り、本棚はどうだった?」
「……変わりない」
リンに素っ気なく返事をしながら、紅茶を飲むレアスの隣に来るとミナモの本棚から落ちた本を差し出した
「本棚がこれを君にと」
「私に?」
本を受け取りページをめくるレアスを、本が気になるツムギが隣でそわそわと落ち着きなく見ている
「なになに?何の本なの?」
と、ツムギが話しかけるとパタンと本を閉じて、ぎゅっと抱きしめた。その様子を心配そうにツムギが見ていると、リンが窓を見て外がいつの間にか夕暮れなっている事に気づいた
「もうすぐ夜になる。暗くなる前に君達は帰らないと」
と、リンが言うとミナモが睨むようにリンを見ていると、レアスがソファーから立ち上がり側にいたララを抱きしめた
「ララ、帰りましょ」
そう言うと、ツムギとルトを置いて一人先にリビングから出ていったレアス。それを見てツムギとルトが戸惑いあたふたと狼狽えている
「二人とも帰り道が分からないだろうから、メルガと帰るといい。メルガは家に着いたら返してあげて」
と、名前を呼ばれて、リンの側で休んでいたメルガがうーんと背伸びをしてツムギの隣に来ると、メルガの背中にルトが飛び乗った
「分かりました。早くレアスの所に行こう」
と、メルガとルトに話しかけていると、ガタンと扉が開く音が聞こえて、慌てて音のする方に走ってく。遠くからツムギとレアスの声が聞こえて、リンがクスッと微笑んでいると、レアスが座っていた場所にミナモが座った
「あの本はなに?」
ティーコップに紅茶を注ぎ入れながら問いかけても、ミナモは無視してクロウの頭を撫でている。リンが入れたティーカップがミナモの前に置かれて、一口飲むと、少し不機嫌そうに話し始めた
「あの本は本棚から落ちて呼んだんだ。見る気もない」
「本当に?ミナモらしくないね」
ミナモの返事にクスッと笑い紅茶を飲んでいると、騒がしく聞こえていたツムギ達の声が聞こえなくなり、静かになったミナモの家。すると、ティーカップに残っていた紅茶を飲み干したリンが、立ち上がりうーんと背伸びをして、紅茶を飲むミナモに話しかけた
「さてと、今度は僕が本棚に行くから。散らかさないから安心してね」
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