62 / 98
62. みんなが眠るその間に
しおりを挟む
「メルガ、ありがとう。気をつけて帰ってね」
ミナモの家から出てメルガの背中に乗り空を飛んで、レアスの家まで送ってもらったツムギ達。玄関でメルガをぎゅっと抱きしめると、少し寂しそうにメルガはリンの所へと帰っていった。手を振りメルガを見送るツムギやルトとララの後ろで、レアスが玄関の扉を開けた
「あの、レアス……」
ツムギに声をかけられて少し振り向くと、本を抱きしめたまま何にも言わないレアスに少し怯えて、ツムギがほんの少し後退りをすると、レアスが目を背け家の中へと入っていった。パタンと小さく扉の音が聞こえると、ツムギがふぅ。とため息ついて、肩に乗るララの方にゆっくりと顔を向けた
「ララ、レアスのところ行かなくて大丈夫?」
ツムギがそう声をかけると、困った顔でレアスの部屋の窓がある方を見たララに、ルトが頭を撫でて励ましている
「レアス、一人になりたいのかな。もうちょっと一緒に居よっか」
ツムギがルトとララをぎゅっと抱きしめて、玄関の扉を開けると、電気をつけなかったのか、暗く静かなレアスの家。そーっと音を立てないように、家の中に入るとリビングへと歩いて、扉もそーっと音を立てないように開けて、ソファーにボフッと勢いよく座った
「ナオとカホから連絡来てる……」
鞄に入れっぱなしにしていた携帯を取り出すと、たくさんの着信やメールが来ていた。慌てて二人に返事を返していると、側で見ていたルトとララが眠たくなったのか、ツムギの膝枕で眠りはじめた
「二人とも疲れた?少し休んでて」
隣同士で眠るルトとララを撫でながら、ナオとカホにメールの返事をし終えると、起こさないようにそーっと携帯をテーブルに置いて、ふぅ。と深呼吸しながら、天井を見上げた
「レアス、大丈夫かな?」
そう呟いた言葉に誰からも返事もなく、ぼーっと天井を見つめていると、掛け時計の音が微かに聞こえて、リズムよく聞こえるその音にツムギもウトウトと眠気が襲ってきた
「私も少し休も……」
ルトとララを起こさないように抱きしめて、ソファーに寝そべりルトとララをお腹の上に乗せて、ツムギもすぐ眠ってしまった
「お母様の字……それに、書いてある魔術もお母様のもの」
その頃、一人部屋にいるレアスは椅子に座り、ミナモから渡された本を読んでいた
「まだ私の知らない術があったのね」
パタンと本を閉じると、ゆっくりと椅子から立ち上がり、部屋の窓を開けた
「ララは、あの子と一緒かしら……」
少し振り向いて部屋の扉の方を見た。開きそうにもない扉に、ふぅ。と一つ深呼吸をしてミナモから渡された本をぎゅっと強く抱きしめた
「少し……本を確認するだけだもの。お母様、いいよね……」
ミナモの家から出てメルガの背中に乗り空を飛んで、レアスの家まで送ってもらったツムギ達。玄関でメルガをぎゅっと抱きしめると、少し寂しそうにメルガはリンの所へと帰っていった。手を振りメルガを見送るツムギやルトとララの後ろで、レアスが玄関の扉を開けた
「あの、レアス……」
ツムギに声をかけられて少し振り向くと、本を抱きしめたまま何にも言わないレアスに少し怯えて、ツムギがほんの少し後退りをすると、レアスが目を背け家の中へと入っていった。パタンと小さく扉の音が聞こえると、ツムギがふぅ。とため息ついて、肩に乗るララの方にゆっくりと顔を向けた
「ララ、レアスのところ行かなくて大丈夫?」
ツムギがそう声をかけると、困った顔でレアスの部屋の窓がある方を見たララに、ルトが頭を撫でて励ましている
「レアス、一人になりたいのかな。もうちょっと一緒に居よっか」
ツムギがルトとララをぎゅっと抱きしめて、玄関の扉を開けると、電気をつけなかったのか、暗く静かなレアスの家。そーっと音を立てないように、家の中に入るとリビングへと歩いて、扉もそーっと音を立てないように開けて、ソファーにボフッと勢いよく座った
「ナオとカホから連絡来てる……」
鞄に入れっぱなしにしていた携帯を取り出すと、たくさんの着信やメールが来ていた。慌てて二人に返事を返していると、側で見ていたルトとララが眠たくなったのか、ツムギの膝枕で眠りはじめた
「二人とも疲れた?少し休んでて」
隣同士で眠るルトとララを撫でながら、ナオとカホにメールの返事をし終えると、起こさないようにそーっと携帯をテーブルに置いて、ふぅ。と深呼吸しながら、天井を見上げた
「レアス、大丈夫かな?」
そう呟いた言葉に誰からも返事もなく、ぼーっと天井を見つめていると、掛け時計の音が微かに聞こえて、リズムよく聞こえるその音にツムギもウトウトと眠気が襲ってきた
「私も少し休も……」
ルトとララを起こさないように抱きしめて、ソファーに寝そべりルトとララをお腹の上に乗せて、ツムギもすぐ眠ってしまった
「お母様の字……それに、書いてある魔術もお母様のもの」
その頃、一人部屋にいるレアスは椅子に座り、ミナモから渡された本を読んでいた
「まだ私の知らない術があったのね」
パタンと本を閉じると、ゆっくりと椅子から立ち上がり、部屋の窓を開けた
「ララは、あの子と一緒かしら……」
少し振り向いて部屋の扉の方を見た。開きそうにもない扉に、ふぅ。と一つ深呼吸をしてミナモから渡された本をぎゅっと強く抱きしめた
「少し……本を確認するだけだもの。お母様、いいよね……」
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる