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64. 似てて知っているあの人
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「えーと、何作ろうかな……」
キッチンの戸棚を開けて悩んで、今度は冷蔵庫を開けると冷蔵庫の中を見て、また悩むツムギ。何を作るか思い浮かばず、はぁ。とため息つきながら、また戸棚を開けて悩みだした
「メルガは何が好きなんだろ。ルトとララは何でも美味しく食べてくれるから……」
戸棚の中を探り、作れそうなお菓子を考えているとガタガタと大きな物音が聞こえてきた
「レアス、帰ってきたのかな?」
キッチンの扉を開けて薄暗い廊下を見渡していくが、人のいる気配はない
「ルト、ララ。目が覚めたの?」
リビングの方に向かって大声で叫ぶが、ルトとララの姿も見当たらず、ふぅ。とため息ついた
「気のせいだったのかな……」
そう思い、キッチンの扉を閉めようとした時、またガタガタと大きな物音が聞こえてきた。さっきとは違い鳴り続ける物音に、恐る恐る近づいていくと、本棚のある部屋の前について、ガタガタと聞こえ続ける物音に、部屋の扉を開けることを少し躊躇しつつも、そーっと部屋の扉を開けた
「お邪魔します……」
少し扉を開けて部屋の中を見ると、床に本が散らばったり、ふわりと浮かんでいた
「やっぱり戻ろう。勝手に入ったらレアスに怒られる……」
そーっと本棚の部屋の扉を閉じて、またふぅ。とため息ついて、気持ちを落ち着かせるが、さっきよりも激しくドタバタと本が落ちる音が響いて聞こえてくる
「止めなきゃ……。でも、レアスもいないし、ルトもララも、メルガだって……。レアスが帰ってきてから片付ければいいし」
扉のドアノブから手を離し、キッチンへと戻ろうとしたその時、騒がしかった部屋の物音が無くなり急に静かになった。振り返り部屋の扉をじーっと見つめ、またドタバタと騒がしくなるかと待ってみても物音一つせず、少し気になって、また本棚の部屋を開けて覗いた
「こんなに散らかしたら、レアスに怒られるよ……」
あまり足の踏み場もない部屋を見て、恐る恐る中に入っていくツムギ。空っぽになった本棚や床に散らばる本を見ながら部屋の奥へと進んでいくと、カタンと近くから音が聞こえてきて、恐る恐る振り向くと薄暗い部屋の中、ぼんやりと誰かがいるような気配を感じた
「誰?レアスいるの?」
朧げに見える人影に少し怯えて後退りするが、すぐにコツンと足に本が当たり、歩みを止めた
「私、あの人知ってる。レアスに似ている人……」
そう呟いて手を伸ばし、その人影に向かって歩こうとした瞬間、ツムギの横から誰かが通り過ぎて、目の前でふわりと浮かんで現れた
「ルト、ララ……」
突然現れ驚くツムギに対し、人影を険しい表情で見つめる二人。顔を見合わせ同時に頷くと、その人影に向かって飛び出していった
「二人とも待って!」
ツムギの呼び止める声もむなしく、朧げに見える人影に手を伸ばすルトとララ。だが、人影には触れられずバチンと静電気のような痛みが走ると同時にツムギの側まで吹き飛ばされてしまった
「ルト、ララ!大丈夫?」
床に散らばる本に当たり動かなくなったルトとララを抱きしめる。ツムギの声が聞こえて、ゆっくりと目を開ける二人。無事そうな様子にツムギがホッと胸を撫で下ろしていると、朧げだった人影が、さっきよりもほんの少し顔や体が見えて、ツムギがまたその人影に向かって手を伸ばした
「この人……。確か昔、ルトと一緒に会ったことある……。レアスと違う、私の知っている人だ」
キッチンの戸棚を開けて悩んで、今度は冷蔵庫を開けると冷蔵庫の中を見て、また悩むツムギ。何を作るか思い浮かばず、はぁ。とため息つきながら、また戸棚を開けて悩みだした
「メルガは何が好きなんだろ。ルトとララは何でも美味しく食べてくれるから……」
戸棚の中を探り、作れそうなお菓子を考えているとガタガタと大きな物音が聞こえてきた
「レアス、帰ってきたのかな?」
キッチンの扉を開けて薄暗い廊下を見渡していくが、人のいる気配はない
「ルト、ララ。目が覚めたの?」
リビングの方に向かって大声で叫ぶが、ルトとララの姿も見当たらず、ふぅ。とため息ついた
「気のせいだったのかな……」
そう思い、キッチンの扉を閉めようとした時、またガタガタと大きな物音が聞こえてきた。さっきとは違い鳴り続ける物音に、恐る恐る近づいていくと、本棚のある部屋の前について、ガタガタと聞こえ続ける物音に、部屋の扉を開けることを少し躊躇しつつも、そーっと部屋の扉を開けた
「お邪魔します……」
少し扉を開けて部屋の中を見ると、床に本が散らばったり、ふわりと浮かんでいた
「やっぱり戻ろう。勝手に入ったらレアスに怒られる……」
そーっと本棚の部屋の扉を閉じて、またふぅ。とため息ついて、気持ちを落ち着かせるが、さっきよりも激しくドタバタと本が落ちる音が響いて聞こえてくる
「止めなきゃ……。でも、レアスもいないし、ルトもララも、メルガだって……。レアスが帰ってきてから片付ければいいし」
扉のドアノブから手を離し、キッチンへと戻ろうとしたその時、騒がしかった部屋の物音が無くなり急に静かになった。振り返り部屋の扉をじーっと見つめ、またドタバタと騒がしくなるかと待ってみても物音一つせず、少し気になって、また本棚の部屋を開けて覗いた
「こんなに散らかしたら、レアスに怒られるよ……」
あまり足の踏み場もない部屋を見て、恐る恐る中に入っていくツムギ。空っぽになった本棚や床に散らばる本を見ながら部屋の奥へと進んでいくと、カタンと近くから音が聞こえてきて、恐る恐る振り向くと薄暗い部屋の中、ぼんやりと誰かがいるような気配を感じた
「誰?レアスいるの?」
朧げに見える人影に少し怯えて後退りするが、すぐにコツンと足に本が当たり、歩みを止めた
「私、あの人知ってる。レアスに似ている人……」
そう呟いて手を伸ばし、その人影に向かって歩こうとした瞬間、ツムギの横から誰かが通り過ぎて、目の前でふわりと浮かんで現れた
「ルト、ララ……」
突然現れ驚くツムギに対し、人影を険しい表情で見つめる二人。顔を見合わせ同時に頷くと、その人影に向かって飛び出していった
「二人とも待って!」
ツムギの呼び止める声もむなしく、朧げに見える人影に手を伸ばすルトとララ。だが、人影には触れられずバチンと静電気のような痛みが走ると同時にツムギの側まで吹き飛ばされてしまった
「ルト、ララ!大丈夫?」
床に散らばる本に当たり動かなくなったルトとララを抱きしめる。ツムギの声が聞こえて、ゆっくりと目を開ける二人。無事そうな様子にツムギがホッと胸を撫で下ろしていると、朧げだった人影が、さっきよりもほんの少し顔や体が見えて、ツムギがまたその人影に向かって手を伸ばした
「この人……。確か昔、ルトと一緒に会ったことある……。レアスと違う、私の知っている人だ」
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