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67. ボロボロになってもまだ
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「でも、レアスはどこに?」
「さぁ?そこまでは……」
ミナモに向かって叫ぶツムギに、素っ気なく答えると、クロウと共に部屋の奥へと飛び立っていく。薄暗い部屋ではミナモの姿がすぐ見えなくなり、一人残されたツムギが、大急ぎで本棚の部屋を飛び出しレアスを探しに行くと、ドタバタと騒がしいツムギの声や足音が、家を出ようとしていたミナモの所まで聞こえてきて、呆れたようにはぁ。とため息ついた
「それにしても、リンは何か知っていそうだな。面倒な事が起きる前に聞いておくか」
「どうして、使えないの?」
その頃、身体中傷だらけのレアスが木にもたれていた。呼吸も荒く意識朦朧としている中、本を抱きしめ休んでいると、レアスの側に空から何かが舞い降り駆け寄ってきた
「メルガ……。どうしてここに?」
レアスを見つけるなり頬に顔を擦り寄せるメルガに、驚きつつも微笑んでいると、一通り甘え終えたメルガが、レアスに背を向けちらちらと振り向きだした
「ううん、帰らない。まだ、本は使えるもの……。メルガ、少し手伝ってくれる?」
「それは困るかな。あまりメルガに無理はさせないでほしい」
メルガに話しかけていたつもりが、レアスの後ろから困ったような声で返事が聞こえてきた
「……リン先生も、なんでここに」
リンが現れ驚いているとレアスが持っていたボロボロになっている本を取り、はぁ。とため息つきながら、ゆっくりと本を開いた
「大分無理をさせたようだな。術がほとんど読めないじゃないか」
「それは……」
呆れながらレアスに問いかけるリンに、レアスが顔を背けていると、メルガが飛んできた場所と同じ所からまた、誰かが飛んでやってきた
「レアス!メルガ!」
ルトとララを抱きしめてフラフラと落ち着きなく空を飛ぶツムギを見たメルガが、ふわりと浮かびツムギ達の所へ向かい、背中に乗せてレアスの元へと戻ってくる
「お迎えかな。ちょうど良かった」
その様子を微笑みながら見ていたリンが、同じくツムギ達を見ているレアスに話しかけながら、暗い林の中へと一人歩きだした
「メルガに、ちょっと大変だけど、二人を家まで送って、レアス君の傷が治るまで一緒にいるようにと伝えておくように。それと、この本は少し借りるよ」
「さぁ?そこまでは……」
ミナモに向かって叫ぶツムギに、素っ気なく答えると、クロウと共に部屋の奥へと飛び立っていく。薄暗い部屋ではミナモの姿がすぐ見えなくなり、一人残されたツムギが、大急ぎで本棚の部屋を飛び出しレアスを探しに行くと、ドタバタと騒がしいツムギの声や足音が、家を出ようとしていたミナモの所まで聞こえてきて、呆れたようにはぁ。とため息ついた
「それにしても、リンは何か知っていそうだな。面倒な事が起きる前に聞いておくか」
「どうして、使えないの?」
その頃、身体中傷だらけのレアスが木にもたれていた。呼吸も荒く意識朦朧としている中、本を抱きしめ休んでいると、レアスの側に空から何かが舞い降り駆け寄ってきた
「メルガ……。どうしてここに?」
レアスを見つけるなり頬に顔を擦り寄せるメルガに、驚きつつも微笑んでいると、一通り甘え終えたメルガが、レアスに背を向けちらちらと振り向きだした
「ううん、帰らない。まだ、本は使えるもの……。メルガ、少し手伝ってくれる?」
「それは困るかな。あまりメルガに無理はさせないでほしい」
メルガに話しかけていたつもりが、レアスの後ろから困ったような声で返事が聞こえてきた
「……リン先生も、なんでここに」
リンが現れ驚いているとレアスが持っていたボロボロになっている本を取り、はぁ。とため息つきながら、ゆっくりと本を開いた
「大分無理をさせたようだな。術がほとんど読めないじゃないか」
「それは……」
呆れながらレアスに問いかけるリンに、レアスが顔を背けていると、メルガが飛んできた場所と同じ所からまた、誰かが飛んでやってきた
「レアス!メルガ!」
ルトとララを抱きしめてフラフラと落ち着きなく空を飛ぶツムギを見たメルガが、ふわりと浮かびツムギ達の所へ向かい、背中に乗せてレアスの元へと戻ってくる
「お迎えかな。ちょうど良かった」
その様子を微笑みながら見ていたリンが、同じくツムギ達を見ているレアスに話しかけながら、暗い林の中へと一人歩きだした
「メルガに、ちょっと大変だけど、二人を家まで送って、レアス君の傷が治るまで一緒にいるようにと伝えておくように。それと、この本は少し借りるよ」
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