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77. 消えてしまったその先に
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「どうしよう……。レアス……」
大きな物音がしても起きないレアスに気づいて、本を抱きしめたままレアスの元に走り出すツムギ。本を床に置いて、またレアスを大きく揺らして起こそうとする
「ねえ、レアス起きて。起きてってば……」
ペチペチと軽く頬を叩いても起きないレアスに、ちょっと苛立ってきたツムギ。その間にもガタガタと揺れる本棚の側に本が更に散らばっていく
「ルトとララに会う前に大変なことになっちゃった……。どうしよう、リン先生に怒られる……」
収まらない揺れにちょっとずつ不安になっていくツムギが、レアスを抱きしめ本棚の様子を見ていると、突然ピタッと揺れが収まり、ホッと胸を撫で下ろすツムギ。辺りを見渡していると、ふと本棚に一冊だけ残った本を見つけた
「あの本……。女の人が持っていた本だ……」
レアスをまたそーっと床に下ろすと、恐る恐る床に散らばる本を避けながら、本棚にある本を手に取った
「この本なら、ルト達を呼べるの?」
ページをめくると、ツムギでも読める魔術が書かれていて、パラパラとめくり確認していく。一通り本を読み終えて、ふぅ。と一つ深呼吸すると、本に書かれていた魔術を読み出した。本がツムギの手から離れ、ふわり浮かぶと、ツムギの足元に小さな魔方陣が現れた。本に書かれた魔術を読み続けていると、突然ブワッと強い風が吹いて一瞬目を閉じたせいで、魔方陣が消えてしまった
「あの鳥さん……。確かミナモさんの……」
バサバサと大きな音がツムギの上から聞こえて見上げると、大きく口を開けたクロウが大きく叫びだした。その大声に思わず耳を塞いでいると、床に散らばっていた本達がふわふわと浮かび、一斉に本棚へと戻りはじめた
「待って!ルトが……」
クロウに向かって手を伸ばすツムギ。だが、クロウは止めることなく、本も更に勢いを増して本棚に戻っていく。すると、ツムギが読んでふわり浮かんでいた本が足元に落ちて、慌てて拾おうとして手を伸ばした瞬間、グラッと地面が揺れて、思わずぎゅっと強く目を閉じた
「あら、これは一体……」
クロウが本を本棚に戻してすぐ、戻ってきたリンが困った表情で辺りを見渡す。そのすぐ後、ミナモも変わりない本棚の様子に、少しホッとした表情で辺りを見渡していく
「クロウ以外、誰もいないじゃないか。本当に戻ってきていたのか?」
「ええ、ここで待っているように言ったのですが……」
と、リンとミナモが話をしているとバサッと大きな翼の音を立てて、クロウが二人のもとに飛んできた
「クロウ、何があったんだ?」
ミナモの問いかけに、クロウは答えることなく翼を閉じてミナモの頬に顔を擦り寄せる。その様子を見ていたリンがミナモの足元にあった本を見つけ、手に取ると本を見て、はぁ。と深いため息をついた
「どうやら、本の中にまた戻ったみたいですね。あまり、本を使いすぎるのは魔力的にも本的にも良くないのですが……」
大きな物音がしても起きないレアスに気づいて、本を抱きしめたままレアスの元に走り出すツムギ。本を床に置いて、またレアスを大きく揺らして起こそうとする
「ねえ、レアス起きて。起きてってば……」
ペチペチと軽く頬を叩いても起きないレアスに、ちょっと苛立ってきたツムギ。その間にもガタガタと揺れる本棚の側に本が更に散らばっていく
「ルトとララに会う前に大変なことになっちゃった……。どうしよう、リン先生に怒られる……」
収まらない揺れにちょっとずつ不安になっていくツムギが、レアスを抱きしめ本棚の様子を見ていると、突然ピタッと揺れが収まり、ホッと胸を撫で下ろすツムギ。辺りを見渡していると、ふと本棚に一冊だけ残った本を見つけた
「あの本……。女の人が持っていた本だ……」
レアスをまたそーっと床に下ろすと、恐る恐る床に散らばる本を避けながら、本棚にある本を手に取った
「この本なら、ルト達を呼べるの?」
ページをめくると、ツムギでも読める魔術が書かれていて、パラパラとめくり確認していく。一通り本を読み終えて、ふぅ。と一つ深呼吸すると、本に書かれていた魔術を読み出した。本がツムギの手から離れ、ふわり浮かぶと、ツムギの足元に小さな魔方陣が現れた。本に書かれた魔術を読み続けていると、突然ブワッと強い風が吹いて一瞬目を閉じたせいで、魔方陣が消えてしまった
「あの鳥さん……。確かミナモさんの……」
バサバサと大きな音がツムギの上から聞こえて見上げると、大きく口を開けたクロウが大きく叫びだした。その大声に思わず耳を塞いでいると、床に散らばっていた本達がふわふわと浮かび、一斉に本棚へと戻りはじめた
「待って!ルトが……」
クロウに向かって手を伸ばすツムギ。だが、クロウは止めることなく、本も更に勢いを増して本棚に戻っていく。すると、ツムギが読んでふわり浮かんでいた本が足元に落ちて、慌てて拾おうとして手を伸ばした瞬間、グラッと地面が揺れて、思わずぎゅっと強く目を閉じた
「あら、これは一体……」
クロウが本を本棚に戻してすぐ、戻ってきたリンが困った表情で辺りを見渡す。そのすぐ後、ミナモも変わりない本棚の様子に、少しホッとした表情で辺りを見渡していく
「クロウ以外、誰もいないじゃないか。本当に戻ってきていたのか?」
「ええ、ここで待っているように言ったのですが……」
と、リンとミナモが話をしているとバサッと大きな翼の音を立てて、クロウが二人のもとに飛んできた
「クロウ、何があったんだ?」
ミナモの問いかけに、クロウは答えることなく翼を閉じてミナモの頬に顔を擦り寄せる。その様子を見ていたリンがミナモの足元にあった本を見つけ、手に取ると本を見て、はぁ。と深いため息をついた
「どうやら、本の中にまた戻ったみたいですね。あまり、本を使いすぎるのは魔力的にも本的にも良くないのですが……」
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