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79. 呼ぶその人は意外な人
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「はい、どちら様ですか……」
家の呼び鈴が鳴り続ける中、そーっと玄関の扉を開けると、目の前に尻尾を降りツムギを見つめるメルガと呼び鈴を押し続けるルトとララがいた
「ルト、ララ!メルガも!」
三人を交互にぎゅっと抱きしめるツムギ。メルガを抱きしめていると、ルトとララがツムギの腕に強くつかんで、腕に少し赤く後がついた
「良かった!心配したよ!」
元気そうな三人を見て、ホッと胸を撫で下ろしていると、ルトが泣きそうな顔でツムギの頬に抱きついた
「お家入って、休も。みんな疲れたでしょ」
ルトを抱きしめて、くるりと振り向くとさっきまであったはずのレアスの家が無くなり、辺りはまた真っ白な世界に変わっていた
「あれ?お家は?」
キョロキョロと辺りを見渡してみても、見当たらないレアスの家。ルトとララも一瞬の間に消えたレアスの家に驚き戸惑っている一方、メルガは家のあった場所の反対側をジーッと見つめている
「メルガ、どうしたの?」
と、ツムギが不思議そうに声をかけると、少し振り向いてすぐ、ジーッと見つめていた先へと走りだした
「はぐれちゃうよ、待って!」
声をかけても止まらず、どんどんツムギ達から離れていく。姿が少しずつ見えなくなって、慌てて後を追いかけていくツムギ。ルトとララも慌ててツムギの肩に乗り振り落とされないように、ぎゅっとつかんでいると、突然メルガの姿が消えてしまった。慌てて走り続けていたツムギが足を止めると、勢い余って倒れてしまった
「痛い……。ルト、ララ。大丈夫?」
ゆっくりと体を起こし座るツムギ。肩に乗っていたルトとララも床に落ちて、少し痛そうに体を起こした
「お帰り。大分豪快に転けたみたいだけど、どこか痛むかい?」
「リン先生……。えーっと、大丈夫と思います」
と、リンに返事をしながら辺りを見渡すと見覚えのある本棚のたくさんある場所に、ちょっとホッとするツムギ。その返事を聞いて、少し年季の入った本を持ったリンがニコッと笑うその側で、ミナモが少し機嫌の悪そうな顔をしてツムギを見ていた
「あれ?君たちだけかい?レアス君は?」
しばらく待ってみても戻ってくる気配がなく、ツムギに問いかけていると、ツムギより少し先に帰っていたメルガが、ツムギの側に駆け寄り甘えるように体を擦り寄せだした
「えっ。レアス、ここにいないんですか?」
リンの言葉を聞いて、メルガの頭を撫でながらまた辺りをレアスを探すように辺りを見渡すツムギ。ルトとララも同じく本棚の周りを見渡しはじめた
「困ったな。本の中にまだ残っているのか」
「いや、どうやら、本人が望んでいるようだ」
本棚を見つめ、ため息まじりに答えるミナモの言葉にリンが困った顔をしていると、突然ツムギがミナモの所に走り出した
「あの……。私、レアスに会いに行きたいんです……無理ですか?」
ツムギからの突然の提案に、リンがまた困った顔になった
「うーん。帰りはメルガと一緒からどうにかなるだろうけど……」
「行きはクロウに任せよう。メルガには、帰りの体力を残してもらわねばならないからな」
リンにそう言うとミナモがクロウを呼ぶ。すると、バサッと大きな翼の音を立てたクロウの羽がヒラヒラと本棚の周りに落ちて、それと同時にクロウもミナモの隣にふわりと舞い降りてきた
「意外ですね。ミナモが面倒なことをするなんて」
ミナモからの予想外の言葉にリンがクスッと笑うと、それに気づいたミナモがまた機嫌の悪そうにリンの言葉に答えた
「本の中と本棚が変わってしまっては困るからな。これ以上、面倒なことになる前に、あの娘を呼び戻そう」
家の呼び鈴が鳴り続ける中、そーっと玄関の扉を開けると、目の前に尻尾を降りツムギを見つめるメルガと呼び鈴を押し続けるルトとララがいた
「ルト、ララ!メルガも!」
三人を交互にぎゅっと抱きしめるツムギ。メルガを抱きしめていると、ルトとララがツムギの腕に強くつかんで、腕に少し赤く後がついた
「良かった!心配したよ!」
元気そうな三人を見て、ホッと胸を撫で下ろしていると、ルトが泣きそうな顔でツムギの頬に抱きついた
「お家入って、休も。みんな疲れたでしょ」
ルトを抱きしめて、くるりと振り向くとさっきまであったはずのレアスの家が無くなり、辺りはまた真っ白な世界に変わっていた
「あれ?お家は?」
キョロキョロと辺りを見渡してみても、見当たらないレアスの家。ルトとララも一瞬の間に消えたレアスの家に驚き戸惑っている一方、メルガは家のあった場所の反対側をジーッと見つめている
「メルガ、どうしたの?」
と、ツムギが不思議そうに声をかけると、少し振り向いてすぐ、ジーッと見つめていた先へと走りだした
「はぐれちゃうよ、待って!」
声をかけても止まらず、どんどんツムギ達から離れていく。姿が少しずつ見えなくなって、慌てて後を追いかけていくツムギ。ルトとララも慌ててツムギの肩に乗り振り落とされないように、ぎゅっとつかんでいると、突然メルガの姿が消えてしまった。慌てて走り続けていたツムギが足を止めると、勢い余って倒れてしまった
「痛い……。ルト、ララ。大丈夫?」
ゆっくりと体を起こし座るツムギ。肩に乗っていたルトとララも床に落ちて、少し痛そうに体を起こした
「お帰り。大分豪快に転けたみたいだけど、どこか痛むかい?」
「リン先生……。えーっと、大丈夫と思います」
と、リンに返事をしながら辺りを見渡すと見覚えのある本棚のたくさんある場所に、ちょっとホッとするツムギ。その返事を聞いて、少し年季の入った本を持ったリンがニコッと笑うその側で、ミナモが少し機嫌の悪そうな顔をしてツムギを見ていた
「あれ?君たちだけかい?レアス君は?」
しばらく待ってみても戻ってくる気配がなく、ツムギに問いかけていると、ツムギより少し先に帰っていたメルガが、ツムギの側に駆け寄り甘えるように体を擦り寄せだした
「えっ。レアス、ここにいないんですか?」
リンの言葉を聞いて、メルガの頭を撫でながらまた辺りをレアスを探すように辺りを見渡すツムギ。ルトとララも同じく本棚の周りを見渡しはじめた
「困ったな。本の中にまだ残っているのか」
「いや、どうやら、本人が望んでいるようだ」
本棚を見つめ、ため息まじりに答えるミナモの言葉にリンが困った顔をしていると、突然ツムギがミナモの所に走り出した
「あの……。私、レアスに会いに行きたいんです……無理ですか?」
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「うーん。帰りはメルガと一緒からどうにかなるだろうけど……」
「行きはクロウに任せよう。メルガには、帰りの体力を残してもらわねばならないからな」
リンにそう言うとミナモがクロウを呼ぶ。すると、バサッと大きな翼の音を立てたクロウの羽がヒラヒラと本棚の周りに落ちて、それと同時にクロウもミナモの隣にふわりと舞い降りてきた
「意外ですね。ミナモが面倒なことをするなんて」
ミナモからの予想外の言葉にリンがクスッと笑うと、それに気づいたミナモがまた機嫌の悪そうにリンの言葉に答えた
「本の中と本棚が変わってしまっては困るからな。これ以上、面倒なことになる前に、あの娘を呼び戻そう」
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