80 / 98
80. 大切な本を届けに
しおりを挟む
「クロウ、娘がいそうな本はあるか?」
ミナモの言葉を聞いて、またバサッと大きな翼を羽ばたかせ、天井近くまで飛ぶと、バサバサと大きく翼を振り、部屋中に強い風が起きた。余りに強い風に、立てないツムギがメルガの体に、ルトとララ、女の人から預かった本を挟んでぎゅっと抱きついて耐えている。しばらく風が吹き続け、少し抱きついていた腕が疲れてきた頃、ミナモの元に一冊の本が、ふわりと舞い降りてきた
「なかなか渋い本の中にいますね」
「あの人が一番最初に書いた本だな」
大分古くボロボロな本に、クスッと笑うリンとはぁ。とため息つくミナモ。二人の話をメルガから離れながら聞いていたツムギが、不思議そうな顔をして二人に話しかけた
「あの人……。レアスのお母さんですか?」
ツムギの質問に、リンがニコッと笑うだけで答えずにいると、ミナモの所に戻ってきたクロウが、その途中ツムギの頭の上に本を落とした
「痛い……」
落ちた本の角が頭に当たり痛そうに頭を擦るツムギ。鈍そうな音がルトとララにまで聞こえて、メルガと一緒にクロウを睨む。気づいたクロウがルトとララを見るがすぐにプイッとミナモの側で、のんびりしだした
「この本、レアスから預かってたララの本?なんでこここに?」
一方、クロウを睨んでいることに気づいていないツムギは、落ちてきた本を見て一人驚いていた。頭に当たった後、床に落ちた本を取り中を確認すると、首をかしげている
「この本に書かれている術は、とても高度で難しい本だ。……仕方ない。少しメルガにも手伝ってもらおう」
一方、クロウが選んだ本を読むミナモが困った声で、ため息をついて、クロウをまだ睨んでいたメルガに声をかけた。
「ごめんね、メルガ。レアスが帰ってきたら、一緒にお菓子食べようね」
ぎゅっと強く抱きしめてメルガに話しかけると、お菓子という言葉にメルガが尻尾を嬉しそうに振ると、その様子にリンがクスッと微笑んでいると、またクロウが強い風を吹かせながら天井近くまで飛んでいった
「メルガ、クロウの下に。その本はツムギ君が持って、メルガに乗って」
「はい!」
リンの言葉に大声で返事をすると、メルガに乗って一緒にクロウいる場所の下まで移動するツムギ。ルトとララもツムギの肩に乗って、リンに何度も頷いている
「元気がいいね。君達は魔術は使わないようにするんだよ」
「はい!」
ルトとララを見て、クスッと笑うリンに、また大声で返事をして二冊の本をぎゅっと強く抱きしめて気合いを入れていると、本の術を読んでいたミナモが、リンに目線を送り頷くと、リンもミナモに頷くと、気合いを入れるようにパンッと両手を叩くと、少しずつ顔が強ばっていくツムギとメルガに、またクスッと笑って話しかけた
「じゃあ、あまり無理せずに、本の記憶に入り込みすぎる前にレアス君を迎えに行ってあげて」
ミナモの言葉を聞いて、またバサッと大きな翼を羽ばたかせ、天井近くまで飛ぶと、バサバサと大きく翼を振り、部屋中に強い風が起きた。余りに強い風に、立てないツムギがメルガの体に、ルトとララ、女の人から預かった本を挟んでぎゅっと抱きついて耐えている。しばらく風が吹き続け、少し抱きついていた腕が疲れてきた頃、ミナモの元に一冊の本が、ふわりと舞い降りてきた
「なかなか渋い本の中にいますね」
「あの人が一番最初に書いた本だな」
大分古くボロボロな本に、クスッと笑うリンとはぁ。とため息つくミナモ。二人の話をメルガから離れながら聞いていたツムギが、不思議そうな顔をして二人に話しかけた
「あの人……。レアスのお母さんですか?」
ツムギの質問に、リンがニコッと笑うだけで答えずにいると、ミナモの所に戻ってきたクロウが、その途中ツムギの頭の上に本を落とした
「痛い……」
落ちた本の角が頭に当たり痛そうに頭を擦るツムギ。鈍そうな音がルトとララにまで聞こえて、メルガと一緒にクロウを睨む。気づいたクロウがルトとララを見るがすぐにプイッとミナモの側で、のんびりしだした
「この本、レアスから預かってたララの本?なんでこここに?」
一方、クロウを睨んでいることに気づいていないツムギは、落ちてきた本を見て一人驚いていた。頭に当たった後、床に落ちた本を取り中を確認すると、首をかしげている
「この本に書かれている術は、とても高度で難しい本だ。……仕方ない。少しメルガにも手伝ってもらおう」
一方、クロウが選んだ本を読むミナモが困った声で、ため息をついて、クロウをまだ睨んでいたメルガに声をかけた。
「ごめんね、メルガ。レアスが帰ってきたら、一緒にお菓子食べようね」
ぎゅっと強く抱きしめてメルガに話しかけると、お菓子という言葉にメルガが尻尾を嬉しそうに振ると、その様子にリンがクスッと微笑んでいると、またクロウが強い風を吹かせながら天井近くまで飛んでいった
「メルガ、クロウの下に。その本はツムギ君が持って、メルガに乗って」
「はい!」
リンの言葉に大声で返事をすると、メルガに乗って一緒にクロウいる場所の下まで移動するツムギ。ルトとララもツムギの肩に乗って、リンに何度も頷いている
「元気がいいね。君達は魔術は使わないようにするんだよ」
「はい!」
ルトとララを見て、クスッと笑うリンに、また大声で返事をして二冊の本をぎゅっと強く抱きしめて気合いを入れていると、本の術を読んでいたミナモが、リンに目線を送り頷くと、リンもミナモに頷くと、気合いを入れるようにパンッと両手を叩くと、少しずつ顔が強ばっていくツムギとメルガに、またクスッと笑って話しかけた
「じゃあ、あまり無理せずに、本の記憶に入り込みすぎる前にレアス君を迎えに行ってあげて」
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる