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愛とオルゴール
07. 家族の話し合い
アンソニーに送ってもらって屋敷に戻るとお祖父様が私を待っていると言われた。
慌てて支度をして指定された部屋へ入るとそこには祖父母とネイサンと父が待っていた。
「お待たせして申し訳ありません」
「いや、いいんだ、ジェシカも座りなさい」
祖父の言葉を受け、私はネイサンの隣に腰掛けた。ネイサンは私を見ると笑顔を見せた。
私はその落ちついた様子に安堵し、微笑み返した。
私たちの遣り取りをみていたのだろう、私が座ると祖父が軽く咳払いをして話し始めた。
「今回、エヴァンがネイサンを他家に婿養子にしたいなどと言い出したこと、更に、ネイサンの代わりにリカルドを跡取りにすると言っていること、これらを私はロートレック侯爵として認めない」
祖父の言葉に父が反応した。
「父上、ですがこれには事情があるのです。ネイサンにとっても決して悪い話ではないのですから、私の考えを聞いてください」
「事情とはなんだ、エヴァン」
「それは……この場では言えません。ですが」
「……ここで言えないような事情か。だが、お前はなぜこの家の跡取りについて、侯爵である私にはなんの相談もせずにまるで決定事項のように子供たちやニュートン伯爵に言ったのだ?」
「それは……」
「子供たちやダニエルを説得できれば私が許すと思ったんだな?」
「……」
祖父は吐息をついた。
「エヴァン、まず初めに言っておく。リカルドにロートレック侯爵家を継承させることはない。確かにあの子はお前の息子だ」
「ならば」
「聞きなさい。私は平民の血をひくリカルドを侯爵家の跡取りにはしないと言っている。
リカルドを跡取りにすることは万に一つもない。あの子供には最初から権利がないと言っているのだ。
ロートレック侯爵家はネイサンに継がせる。万一、ネイサンに何かあったとしたら次はジェシカが産む子が権利をもち、それも難しければ私の弟の子や孫から跡取りをえらぶつもりだ。
このことはお前がナターリアと婚姻を結ぶ際にはっきりさせたはずだぞ、忘れたことは言わせない。
お前は取り決めを破ってリカルドを生ませた。私たちはその事に目を瞑りはしたが、跡取りについて、契約を違えることはない。
ここまで言われなければわからなかったのか?
なぜた。お前は何を……。お前は……子供達だけでなく、死んだナターリアに申し訳が立たないと思わないのか?」
「父上……」
「とにかく、話はそれだけだ。この件についてこれ以上話す必要はない。それでいいな?」
「待ってください、それでは」
祖父の言葉に尚も食い下がろうとする父に今度は祖母が鋭い声をあげた。
「いい加減にしなさい、エヴァン。見苦しいわ。貴方は父親なのよ。ジェシカとネイサンの父親なの。わかっているの?」
「ですから私は父親として考えた末に」
「やめて、エヴァン、うんざりよ。いったいどうして……そもそもなぜ今更こんなことを……」
祖母は俯いて片手で顔を覆ってそう言った。
私とネイサンは祖母の言葉に同事に違和感を感じたようでお互い顔を見合わせた。
でも、祖母はもちろん、祖父も父も祖母の発言について何もおかしいとは思わなかったようだった。
私がそのことを問いただそうとしたとき、祖父が言った。
「とにかく、私たちの意見は変わらない。
ジェシカ、ネイサン、お前達は何も心配しなくてよい。ロートレックはネイサン、お前のものだ。
エヴァン、お前は責任を持ってこの馬鹿げた騒ぎを終わらせなさい。わかったな」
そう言って祖父母は退室した。
私とネイサンも頭を抱えて座る父親を置いて部屋を後にした。
なぜ今更といった祖母の言葉の意味を誰かに問いただすべきか考えながら。
慌てて支度をして指定された部屋へ入るとそこには祖父母とネイサンと父が待っていた。
「お待たせして申し訳ありません」
「いや、いいんだ、ジェシカも座りなさい」
祖父の言葉を受け、私はネイサンの隣に腰掛けた。ネイサンは私を見ると笑顔を見せた。
私はその落ちついた様子に安堵し、微笑み返した。
私たちの遣り取りをみていたのだろう、私が座ると祖父が軽く咳払いをして話し始めた。
「今回、エヴァンがネイサンを他家に婿養子にしたいなどと言い出したこと、更に、ネイサンの代わりにリカルドを跡取りにすると言っていること、これらを私はロートレック侯爵として認めない」
祖父の言葉に父が反応した。
「父上、ですがこれには事情があるのです。ネイサンにとっても決して悪い話ではないのですから、私の考えを聞いてください」
「事情とはなんだ、エヴァン」
「それは……この場では言えません。ですが」
「……ここで言えないような事情か。だが、お前はなぜこの家の跡取りについて、侯爵である私にはなんの相談もせずにまるで決定事項のように子供たちやニュートン伯爵に言ったのだ?」
「それは……」
「子供たちやダニエルを説得できれば私が許すと思ったんだな?」
「……」
祖父は吐息をついた。
「エヴァン、まず初めに言っておく。リカルドにロートレック侯爵家を継承させることはない。確かにあの子はお前の息子だ」
「ならば」
「聞きなさい。私は平民の血をひくリカルドを侯爵家の跡取りにはしないと言っている。
リカルドを跡取りにすることは万に一つもない。あの子供には最初から権利がないと言っているのだ。
ロートレック侯爵家はネイサンに継がせる。万一、ネイサンに何かあったとしたら次はジェシカが産む子が権利をもち、それも難しければ私の弟の子や孫から跡取りをえらぶつもりだ。
このことはお前がナターリアと婚姻を結ぶ際にはっきりさせたはずだぞ、忘れたことは言わせない。
お前は取り決めを破ってリカルドを生ませた。私たちはその事に目を瞑りはしたが、跡取りについて、契約を違えることはない。
ここまで言われなければわからなかったのか?
なぜた。お前は何を……。お前は……子供達だけでなく、死んだナターリアに申し訳が立たないと思わないのか?」
「父上……」
「とにかく、話はそれだけだ。この件についてこれ以上話す必要はない。それでいいな?」
「待ってください、それでは」
祖父の言葉に尚も食い下がろうとする父に今度は祖母が鋭い声をあげた。
「いい加減にしなさい、エヴァン。見苦しいわ。貴方は父親なのよ。ジェシカとネイサンの父親なの。わかっているの?」
「ですから私は父親として考えた末に」
「やめて、エヴァン、うんざりよ。いったいどうして……そもそもなぜ今更こんなことを……」
祖母は俯いて片手で顔を覆ってそう言った。
私とネイサンは祖母の言葉に同事に違和感を感じたようでお互い顔を見合わせた。
でも、祖母はもちろん、祖父も父も祖母の発言について何もおかしいとは思わなかったようだった。
私がそのことを問いただそうとしたとき、祖父が言った。
「とにかく、私たちの意見は変わらない。
ジェシカ、ネイサン、お前達は何も心配しなくてよい。ロートレックはネイサン、お前のものだ。
エヴァン、お前は責任を持ってこの馬鹿げた騒ぎを終わらせなさい。わかったな」
そう言って祖父母は退室した。
私とネイサンも頭を抱えて座る父親を置いて部屋を後にした。
なぜ今更といった祖母の言葉の意味を誰かに問いただすべきか考えながら。
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